途上国で売り上げアップ!商品陳列・展示の営業研修 .76

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さて今回のブログでは先日実施した研修内容をお伝えしたいと思います。

まずは背景を少し。
私は現在PSI(ポピュレーション・サービス・インターナショナル)というアメリカに本部のあるNGOのマラウイ支部に青年海外協力隊として派遣されています。職種はマーケティングで、簡単に言うと調査・広報・営業等を通じて販売促進をする仕事です。

PSIはマラウイをはじめとする途上国で、コンドームや蚊帳といった製品の無料配布を行うだけでなく、販売も行っています。購買力がある人ターゲットとしている製品もあれば、助成金によって農村部の住民でも手の届く価格で提供をしている場合もあります。

その製品を販売する為に店舗を回るセールスマンがいます。今回はそのセールスマンに対して商品展示の研修を行いました。どこに自分の製品が置かれれば売り上げが上がるのかを理解してもらい、店舗に提案できるようになるのが第一の目的です。

途上国での営業の研修、商品展示・陳列の研修等に興味がある方の参考になればと思います。

●営業研修概要

【実施した国】 アフリカはマラウイ
【テーマ】    商品の展示・陳列方法
【対象】     店舗を回る営業マン、約10人
【実施時間】  2?3時間程

●営業研修詳細

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★導入

  • テーマと目的の説明
    • テーマはディスプレイ、商品展示。どこに、なにを、どのようにすれば売れるのかについて。
    • 研修目的は、展示の基礎知識を身に着けること。そしてそれを使って自分の製品を良い場所に置いてもらうように店舗のオーナーを説得出来ること。最終的にそれが売り上げアップに繋がること。
  • セオリーはただのセオリー
    • 適切な商品展示は条件で変化しやすい。文化、ターゲットの顧客、地域、時期などに影響を受ける。セオリーはあくまでもセオリーでしかないので基礎知識を元に適切に応用することが大切。
  • ディスプレイの重要性
    • 顧客は二つに分けることが出来る。店に入ってから買う商品を決める人と、入る前から買う商品を決めている人。
    • 商品によっても変わるが、一般的には70:30とか80:20で店に入ってから買う商品を決める人が多い。
    • その顧客に売るためには、まずは商品をあるということを認知してもらうこと、そしてその商品を買いたいと思わせることが大切。その2つを達成することがディスプレイの役割。

★本論

※各種陳列手法に関しては下記参考リンクや、ネット検索で詳細を調べて下さい。ここではトレーニングのの流れを中心に書きます。

  • エンド陳列、入口陳列、レジ横陳列

(エンド陳列:商品棚の端側面に陳列すること。)

    • まずはお店の見取り図を渡す。
    • そこに自社製品を自由に書き込んでもらう。理由も考えてもらう。
    • 3?5分で完成したら、発表してもらう。
    • 商品陳列に絶対はないのでどの意見も正しいと伝える。
    • その上でセオリーを紹介する。
    • エンド陳列
      • 商品棚の端は目に付きやすいのでいいポイントの1つと言われている。
    • 入口陳列
      • 入口付近も目に入りやすい。全ての顧客は入口を通るので接点が一番多い場所。
    • レジ横陳列
      • レジ横は目に付きやすい。
  • デッドスペース

(デッドスペース:顧客からの死角であったり、視認されにくい場所)

    • まず製品を部屋の角におく。実際の店舗を想定して、角に展示されている商品とする
    • それに対して良いのか悪いのかを考えてもらい意見をもらう。
    • デッドスペースの概念を紹介する。
    • 人は弧を描くように角を曲がるので、角はデッドスペースであることが多い。
    • では自社の製品が角のデッドスペースに配置されていた場合、どのようにオーナーに語りかけて問題を解決すれば良いかを考えて意見をもらう。
    • 場所を移してもらうのが一番いいが、さらに、もし場所を移して貰えない場合はどうするかを考えてもらう。
    • 答えとして角をつぶす方法を紹介する。角に棚を配置することによって直角の角でなくて、緩やかなカーブを描くような角にする。
  • ゴールデンゾーン

(ゴールデンゾーン:棚の高さの内、最も目に付きやすい場所)

    • 実際の商品が店で陳列されている写真を見せる。この写真では展示商品が上過ぎたり、下過ぎたりと悪い場所に配置されているのを使用する。
    • この商品展示の改善点を考えて発表してもらう。
    • ゴールデンゾーンの概念を紹介する。併せて、陳列可能範囲、ショーイングゾーン、ストックゾーンの概念も紹介する。
  • 量感陳列
     (量感陳列:大量に陳列することで顧客に訴求する方法)
    • トマトが陳列されている写真を2種類見せる。1つはたくさんのトマトが陳列されている写真、もう一つは少ないトマトが陳列されている写真。
    • どちらのトマトを買いたくなるかを考えてもらう。
    • 沢山有る方が、認知されやすいし、また認知した後も買いたくなりやすい。
  • 手に取り、試す
     (触ったり、試着したりすると顧客は購買意欲が高まる)
    • カウンター越しに自社商品が展示されている写真を見せる。その問題点を考えてもらう。
    • 答えとして、人は商品を手に取り、また実際に試してみた方が購買意欲が高まると言うのを説明する。
  • フェイス効果
     (フェイス効果:2つ意味がある。1つは商品の前面を見えるように設置する原則。
     もう1つは同じ商品を並べる際、3?5個は横並びに置いた方が購買意欲を高めるとうい原理。)
    • 商品が2つならんでいる陳列写真を見せる。それの問題点を考えてもらう。
    • 3?5のフェイスを並べた方が購買意欲が高まることを説明する。
    • 実際の写真で2フェイスの場合と5フェイスの場合との違いを提示して実感してもらう。
  • 関連商品、人気商品
     (関連商品、人気商品の近くに置くと当該商品も目に付きやすいということ)
    • 店舗で売っている一般的な商品を適当にいくつか並べる。その中に関連性の高い商品を一つだけ入れておく。(実際の商品がない場合は商品のコピー等でも代替可能。)
    • 自社製品をどの製品の近くに設置するのが最も効果的かを考えて、実際に自社商品をその中に設置してもらう。
    • 関連性の高い商品の近くだと、購買をしてもらう可能性が高まることを伝える。
    • 次に違う商品群を設置する。その中に人気がとてもある商品を一つ入れておく。
    • どの製品の近くに設置するのが最も効果的かを考えて、実際に自社商品をその中に設置してもらう。
    • 人気の高い商品はお客がたくさんくるので、その近くだと見てもらいやすくなると答えを言う。
  • まとめと実践
    • 今までやってきた各種効果やセオリーをまとめる。
    • 実際に商品が陳列されている写真を提示して、まとめとして、今日習ったことを使ってこの写真の良い点と悪い点、改善方法を提示してもらう。グループに分かれて考えてもらいそれぞれ発表してもらう。

★終わりに

  • 宿題
    • 宿題として、シートを渡す。
    • そのシートには、店舗とその店舗のある地域、その店舗における自社商品の展示の問題点、そしてその改善方法の欄がある。
    • それに次回以降営業訪問する時に書き込んでもらう。
    • 実際の店舗で今日学んだことを活かすということを意識づけする為にシートを渡す。
  • アンケート
    • アンケート内容。今回の研修内容の満足度、その理由、時間が適切だったか、その理由、今後の研修で取り上げて欲しいテーマ、そしてフリーコメント。
私自身かつて営業の仕事はしていたのですが、工場や研究所に機械部品を売りにいっていたので店舗での陳列や展示についての知識はあまり持っていませんでした。
色んな人に教えてもらい、この研修を完了することが出来ました。お知恵をかして頂きました皆様、本当に有難うございました。
さてこのブログを書いた目的は知識の共有にあります。青年海外協力隊であるにしろないにしろ、途上国などで商品展示の研修に関してお困りの人の役に立てれば幸いです。
必要であれば当日使ったパワーポイントや各種シートなどをお渡し致しますので、この投稿にコメントをして頂ければと思います。
よろしくお願いいたします。

(参考リンク)

棚の法則、売り場の原則

http://www.kosuke-ogawa.com/?eid=861

シェルフスペースマネジメント
https://messe.nikkei.co.jp/rt/i/column/bible/30278.html

商品陳列方法パーフェクトガイド
http://tinretu.com/

ストアオペレーション
http://atalis.blog.ocn.ne.jp/lightship/files/h33sp.pdf

店長養成講座
http://komish.com/

かつろう

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このブログ、カツカツ日記の1年間の更新数、訪問数、PV数等のまとめと人気記事ランキング。 .75

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このブログ“かつろうのカツカツ日記?国際協力×ビジネス×起業?”は、去年2013年の3月2日より始まりました。

カンボジアやマレーシア、タンザニアやマラウイ等色んな国で記事を書き連ね
なんやかんやで1年以上続けることが出来ました。
お読みいただいた皆様、本当にありがとうございました。

●指標のまとめ

さて今回は番外編と称してこのブログの1年間を振り返りたいと思います。

まず更新回数、訪問数、PV(ページ・ビュー)数の表が下記になります。
訪問数、PV数はグーグルアナリティクスで5月20日より計測を始めたので、切り良く2013年6月?2014年2月までの9か月間の期間のデータを使用したいと思います。

【月毎の更新数、訪問数、PV数】

4月、5月は日本にいる期間が長かったので更新頻度もかなり上がっています。10月にマラウイに赴任してから、特に11月に本配属になってから記事の更新頻度がガクんと落ちてしまいました。。

訪問の構成は下記になります。

【訪問数の構成比率】

検索は、グーグルやヤフーの検索での流入、ダイレクトはブックマークなどで直接流入した数、参照はランキングサイト等からの流入(このブログの場合はブログ村経由がほとんどです)、ソーシャルはフェイスブック等のSNSからの流入です。

検索の流入が一番の53%でした。もっとこの検索流入を増やす必要があると感じます。
またダイレクトが約20%もあったのはとても嬉しいことでした。ブックマークなどをし、直接ブログに入ってくれている人がそれだけいるというのはとても励みになります。

ちなみにブログで需要だろうと思われる他の値は下記です。

  • 訪問別PV           2.0件
  • 訪問時の平均滞在時間   1分19秒

●今後の方向性

出来る限り多くの人にこのブログを読んでほしいと考えています。その為に上記を踏まえたうえでどのようなことを行うべきかを考えました。出来れば月間1万PVを達成できるようなブログになりたいです。

・更新回数を増やす。昨年10月にマラウイに来てから更新頻度がグンと落ちてしまった。。

・記事の質を高める。これにより訪問時の滞在時間を増やす。

・SEO対策をしっかりと行い、検索による流入を増やす。

・レイアウト変更、記事のグループ化、記事の最後に関連おススメ記事のリンクを張ることによって訪問当たりのPVを増やす。

FaceBookページとの連動をもっと強化する。

●記事ランキング

さて最後のこのブログのPV数ベースの人気ランキングを見てみたいと思います。
一番多いのはトップページなのですが、それを除いた個別記事のPVランキングです。

栄えある第1位に輝いたのはプロジェクト管理のリスクと課題についてでした。
これは単に国際協力だけでなく幅広い分野で使われる手法であり、
尚且つそれを探している人はネットで検索しやすいのだろうと思います。

第2位にはなんと、1月に書いたばかりの記事、マラウイがまず貧しい10の理由が踊り出ました。
4位のマイクロファイナンス活用法や6位の教育の欠如なども
新しい記事なのにランクインすることが出来ました。

3位のキベラスラムリポートや7位のNPOの限界などは
個人的にも思い入れの強い記事なのでランクインして嬉しいです。

10位にはなんとダイエット手法が入ってしまいました。。

ランキングを作成しながら思ったのは、良い記事を書けばしっかりと見てもらえるというのは間違いないということです。

この2年間はマラウイに関することが中心になるかとは思いますが、しっかりした記事を書いて行きたいと思いますので、このブログを今後もどうぞよろしくお願い致します。

かつろう

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青年海外協力隊って給料もらえるの?その2?事業仕分けによる手当削減? .74

給与を表す硬貨

 

前回のブログでは青年海外協力隊がもらっている手当について書きました。
【⇒Vol.73 青年海外協力隊って給料もらえるの?いくらなの?~協力隊の懐事情?
※協力隊がもらっているお金は給料ではなく、現地生活や帰国後に必要な手当です。

簡単にいうと現在の協力隊への手当は現地の生活費や住居費は負担してもらえて、その上で日本の口座に200万円が貯まっているという内容です。

さてその青年海外協力隊がもらっている手当ですが、
実は2010年の事業仕分け(http://www.jica.go.jp/information/info/2010/20101117_01.html)で削られました。2010年に行われ、2011年度の予算に反映されています。そしてそれと時を同じくして応募者も激減しました。協力隊に参加してもらえるお金が減ったから応募者も減ったというのが妥当な因果関係に思えます。事業仕分けによって予算が減り、隊員への手当がへり、結果として応募者数も減ったわけです。

果たしてこの事業仕分けによる予算削減は良かったのでしょうか。今回はそれを考えたいと思います。

“青年海外協力隊って給料もらえるの?その2?事業仕分けによる手当削減? .74” の続きを読む

途上国でよく言われる“教育の欠如”って何なのさ? .72

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国際協力の文脈の中で、この国の発展の為には教育の改善が必要だとか、教育の欠如が国の発展の根底的な足かせになっているとか、そういうことを聞くことがあります。

でも“教育の欠如”って一体どういうことを言うのでしょうか。今回はそのことを少し考えてみました。

●ハードの欠如

教育の欠如といった場合、例えば学校がないということが思い浮かびやすいのではないのでしょうか。勉強を出来る場所がないということです。また他にも机やいすといった備品、理系でいうと実験器具がないというようなハードの欠如が教育の欠如に繋がることがあります。

ちなみにマラウイの理数科教師の方で実験器具の不足を補う為に、理科の実験器具のシェアシステムを構築される活動をされている方もいらっしゃいます。

●出席の欠如

学校があったとしても、そこに通えるかどうかが問題になります。例えば水汲みや兄弟姉妹の世話など、家事の手伝いをしなければなくて学校に通えない、家計を助ける為に物乞いや靴磨きなどの仕事をしないといけないなどがあると思います。またその根底には親が学校に通った経験が少なくて、教育の重要性を認識していなくて子供が学校に通うことが出来ていないということがあると思います。

●ソフトの欠如

学校というハードがあり、出席を出来る環境にあったとしても、ソフトに問題がある場合もあります。例えば教師の質が低い、教師の数が少ないということが考えられます。

例えば下記の記事の中にはこのような記述があります。
2億5000万人の子どもが基礎的な読解能力と数学能力を勉強していないと見積もられています。さらに、そのうち半分は最低でも4年間は学校に通った経験をもっています。”
“An estimated 250 million children are not learning basic reading and maths skills, according to the report, even though half of them have spent at least four years in school. ”
<http://www.theguardian.com/global-development/2014/jan/29/illiteracy-education-young-people-developing-countries>

つまり4年間学校に通っても基礎的な読み書き、算数が出来ないということです。この原因はソフト、つまり教師の質か量が問題ということが出来るのではないでしょうか。

ちなみに青年海外協力隊はこのソフトの問題を解決する為に理数科教師(理科教師、数学教師)の派遣に力を入れています。例えばマラウイでは本人が学校で教えることはもちろん、クラスターと呼ばれるいくつかの学校を集めた地域を巡回して、各学校の教員に対する指導をすることもジョブディスクリプションの一つとなっている場合が多いようです。

●定量、定性データでの問題の考察

教育を良くしようと思った時にそれらハード、ソフト、出席を組み合わせて考える必要があります。
例えば小学校の入学率が80%で卒業率が40%であるなら、出席を継続できるような仕組みを整える必要があるでしょうし、人口と学校の数の比が低いなら学校が必要になるはずです。また単に統計資料だけでは見失うこともあります。例えば入学率が100%だからといって学校を建設する必要がないというわけにはなりません。
一つには統計の信憑性があやしいということもありますが、全体として出ているなら都市と農村どちらも足した平均を出しているということになるからです。(ちなみに入学率が100%を越えることもあります。これは例えば6歳だけでなく、7歳や8歳で入学する人がいるからです。) その場合、農村部に学校建設の必要性があるということも言えるかもしれません。そういった感覚は単に定量的な数字だけでなくて、定性的な知見が示唆を与えることもあります。
(参考:http://hitonowa.blogspot.com/2013_08_01_archive.html)

●まとめ

まとめます。国の教育を改善しようとした場合、まずそれを分解して考える必要があります。例えばハード、ソフト、出席(入学率、卒業率等)等です。それに関する統計的な資料と定性的な感覚を合わせて解決の施策を考える必要があると考えます。

かつろう

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アフリカの大学の写真紹介その2 ~マラウイ大学チャンセラー校~ .71

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以前ケニアのナイロビ大学とウガンダのマケレレ大学を
下記記事で紹介させて頂きました。
http://hitonowa.blogspot.com/2013/07/vol49.html

今回はそれに続いてマラウイにある国立大学である
マラウイ大学チャンセラー校(University of Malawi Chancellor College)を紹介させて頂きます。

マラウイ大学はマラウイ第一の国立大学で
チャンセラー校を始め5つのキャンパスが国内に存在します。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%A4%E5%A4%A7%E5%AD%A6

このチャンセラー校はゾンバ(Zomba)という街に存在します。
現在首都は僕が住んでいるリロングウェですが
1975年まではこのゾンバが首都でした。

いうなればマラウイの古都・京都といったところでしょうか。
(歴史的建造物や街並みがあるわけではありませんが。。)

まずはそんなゾンバの街を紹介いたします。

マーケットの様子。
肉屋では映画でしか聞いたことがないようなシャキンシャキンという
刀を研ぐ音をさせながら捌いてくれます。
マーケットは道が碁盤の目のように整然と並んでいます。
リロングウェのマーケットが迷路のように入り組んでいるのと対照的です。
オランダ人が経営するオシャレなカフェもあります。
街中から10分?15分ほど歩けばマラウイ大学チャンセラー校につきます。
お相撲さんもびっくりの
ウェルカム トゥ チャンコ!(Chancellor College::CHANCO)
校内は適度に広く、とてもすがすがしい気分になります。
マンゴーの木。
子ども達が登ってマンゴーを採ってました。
しかし僕はどこを見渡しても最後までどこにマンゴーがあるのか目視できず。
おそるべしマラウイアンのマンゴーアンテナ。
決して新しくはないのですが
キャンパス内には風格が溢れていました。
案内掲示板
?図書館に貼られたキング牧師。
Gift
?Try

キャンパス内にはとても自然がたくさんありました。
またキャンパスから外を見渡した先にも山々が覗いており
とても落ち着いた気持ちになれるキャンパスでした。
年末に行ったので人が少なく、より一層くつろげました。

一昨年日本からチャンセラー校に留学生した友人が
マラウイのことをとても愛していたのもとても納得ができる
とても素晴らしいキャンパスでした。

大学と街が相互に関わりあって雰囲気や風格、風土を
創り上げているということがひしひしと伝わってきました。

おわり

かつろう

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おまけ

マラウイが貧しい10の理由 .70

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マラウイは最貧国の一つとして認識されている。IMFによるとGDP per capita(一人当たりGDP)は2012年で$250.9と数字を取れる国の中では世界で下から二番目の第181位で、物価を加味したGDP(PPP) per capitaでも135位だ。

ちなみに日本のGDP per capitaは$46,707で第12位だ。マラウイと比べると180倍以上の開きがあることになる。

<GDPとはある国のその年度における製品やサービスの総生産額を表し、それを人口で割ったものが一人当たりGDP、GDP per capitaとなる。また生産額だけでなくその国の物価を加味したのがGDP(PPP: Purchasing Power Parity)となる。つまり生産額が大きくても物価が高ければ生活が大変になるというようなことを考慮した指標になる。一般的にGDP per capitaが高いほど豊かと言える。>

では何故マラウイは長きにわたって貧しさから脱出することが出来ないのだろうか。下記にマラウイが貧国であり続ける要因を列記していきたいと思う。

【元々の環境・地理的リソース等ハード要因】

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1、観光資源がない

マラウイには外国からの旅行者を呼び込むようなとても魅力的な観光資源が乏しいということが言える。アフリカで3番目の広さを持ち世界遺産(自然遺産)にも登録されているマラウイ湖や世界文化遺産のチョンゴニの岩絵があるくらいでそれ以外の目立った自然・文化の観光資源がない。国立公園でサファリを楽しむことも出来るが、ケニアやタンザニアといったアフリカ諸国に比べると見劣りをしてしまう。隣国のモザンビークにはモザンビーク島、ザンビアにはビクトリアフォールズといった有名な観光地があるのでどうしてもそれらと比較された時に選択肢としては見劣りをしてしまうだろう。

世界一周など長期的な旅行をしている旅行者が立ち寄ることはあっても、1週間や2週間の休暇で観光に来る選択肢としての魅力は少ないと言えるだろう。

2、天然資源がない

北部のKayelekeraでウランの鉱山資源が発見されてるなど、資源のポテンシャルについては言及されることもあるが現状では国の経済を大きく潤すほどの天然資源が発見されていないリビアやナイジェリアのような豊富な石油の埋蔵が確認されているわけではないのだ。

ちなみにこの鉱山はオーストラリアの資本が握ってしまっている。また国内のほかのポテンシャルのある鉱山に対する採掘権もオーストラリアや中国に対して売却したらしい。鉱山経営についてはまったく無知なのだが、こういったところを国営にしたほうが長期的な利益に繋がるのではないのかなと思う。
http://resource.ashigaru.jp/top_mine_kayelekera.html

3、内陸国

マラウイは四方をタンザニア、ザンビア、モザンビークに囲まれた内陸国である。内陸国であるということは港まで出る為に陸路で他国を経由しなくてはならない。輸出や輸入等に関してこれはコストを余分に掛けてしまうことになる。国内では外国からの品物が高くなる。また国内生産した製品を輸出する際も陸路と海路分のコストが余分にかかってしまう。そのコストがかかるということは国産品を輸出する際に不利になるということだけでなく、外国企業がマラウイに工場を建設するという意欲も減退させることになる。

4、外的な危機感が少ない

明治時代、日本は当時の清(中国)やソ連(ロシア)といった野心を持った国家と近かった。常に国家レベルでの危機感が存在していたのだ。それを背景として富国強兵といった考え方が発言し、政治家も国民も危機感を持って国の発展に取り組んだ。そのような危機感がマラウイにはあまりないのではないかと思われる。

資源的な理由、国の地理的な戦略性の理由、宗教的な理由などを考慮しても他国から侵略をされるという可能性もあまり高くはないと考えられる。
(タンザニアとマラウイ湖に関する領土問題(領湖問題?)はあるようだが、それほど大きな問題には発展していない。)

【人的リソース等ソフト要因】

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5、技術力がない

1、観光資源と2、天然資源がないと聞いて思い浮かぶ国はないだろうか。そう、日本だ。もちろん比較的観光資源はあるが、戦後などはそこまで整備されていたとは言えない。そんな中で日本経済が発展した理由の一つが加工貿易だ。原材料を輸入し、それを加工し最終製品にして輸出をする。技術力があったからこそ出来たと言える。しかしマラウイには他国を凌ぐほどの工業・農業技術があるわけではない

その結果農業にとても偏った産業構造を形成してしまっている。労働人口の90%が農業に従事しており(2003年推計)、また全体に占める農業のGDP割合に関しても2007?2011年の5年間の平均値は26?27%と最も大きな割合を占めている。(参考:マラウイ 成長産業予測に係る情報収集・確認調査 最終報告書,2013年8月,JICA)
農業に依存している割合が高すぎる為に飢饉などの影響が大きく出やすい。一度飢饉が起こると全国規模で深刻な被害が出るのだ。工業やサービス業といった産業の割合を増やし、ポートフォリオのバランスを良くすることが必要なのではないか。

6、起業家精神が少ない

マラウイ人の気質として起業家精神が少ないということが言えるのではないかと感じる。例えば国内のお店やロッジに関して外国の資本であることが多い。例えばBataというマラウイ国内に多数みられる靴屋さんやSANAというスーパーマーケットはインド系の資本だし、Shop liteと言われるスーパーは南アフリカ資本だ。闇で両替を行っているのはジンバブエ人のオーナーだという話も聞いたことがある。他にもナイジェリア資本、中華資本、韓国資本等が多くみられる。印僑、華僑等外国人がマラウイで経営をし、マラウイアンを従業員として雇っているという構図が多くみられる。

またマラウイ人はとても温厚だと言われることが多い。例えば南アフリカでも使用人としてマラウイ人を雇うことが人気だという。マラウイアンは安い労働条件に関して文句を言わないし、英語も出来るからだ。

そして彼らは保守的な場合が多い。食べ物に関しても伝統的なシマと言われるメイズ粉で作ったオモチのような食べ物を主食としており、新しい食べ物には積極的に挑戦しようとはしない風がある。
保守的で温厚な部分は日本人の気質と通ずるものがあるかもしれない。

話はそれたが、そのようなマラウイアンの気質は起業を積極的に行うということとは距離があるように思われる。故に外国人が経済において主導権を握り、裕福なマラウイアンを生み出すことを阻害しているとも言える。

7、援助慣れ

昔から援助を沢山受けてきた国なので、他のアフリカ諸国と同じように援助に対して慣れを感じてしまっている。援助してもらって当たり前、誰かが助けてくれるというような前提が浸透してしまっている。自分たちで何とかするという気持ちがかけてしまっている。結局は自分たちでなんとかしないといつまでたっても貧困からは抜け出せないのだ。

8、汚職

他のアフリカ諸国よろしくマラウイでも汚職が度々発覚している。例えば2000年、政権の座にあったムルジ大統領は国家予算の40%がイギリス等からの援助に頼っているにもかかわらず、そのお金でSクラスのベンツを39台購入した。大臣や政府高官の公用車として配ったそうだ。これは当時イギリス等から相当なバッシングがあったようだ。そのようなことが重なり、数年前一時的にマラウイに対する援助を西洋諸国が打ちとめ、深刻なガソリン不足など国内が混乱に陥ったこともあったらしい。

そんなことがあった最近でも、政府高官による汚職が発覚し、全閣僚を解任するというようなことも起こっている。(http://www.startthailand.com/startmalawi/news/news-2012/1173-cashgate%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%AB%E3%81%A7%E3%83%89%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%81%8C%E6%8F%B4%E5%8A%A9%E8%A6%8B%E5%90%88%E3%82%8F%E3%81%9B)。ただし多くの閣僚は再任したらしい。

9、人口の爆発的な増加


マラウイの人口増加はここ10年以上3%を越える高い数値を維持している。また一人の女性が子どもを産む数である出生率(fertility rate)は約6人と少子高齢化の日本では考えられない数値になっている。この人口増加を補えるだけの農業や工場の生産性が確保されていない。単純に人口の増加が悪というわけではないだろうが、それに経済やインフラ等がおいついていない場合、国は貧しくなるのではないか。

10、優秀な人材の海外流出

医者やナースや教授といった知識層がマラウイ国内でなく海外で働くということを選択することも多いようだ。様々な環境が整っていないことし、給与も先進国はもちろん周辺のアフリカ諸国と比べても低いようだ。愛国心のある人は国内に残るのだろうが、合理的に自分や家族の人生を考えたら海外で働くとういことになってしまうのだろう。また英語が出来るので海外で働くことが容易といった側面もある。
そういった知識層が国の発展に貢献しないので貧困からも抜け出せない、貧困なので彼らに対しても高いサラリーを払えず環境も整備出来ないという悪循環に陥ってしまっている。

他にもHIVをはじめとする医療に関する要因、教育に関する要因など様々なことが折り重なって貧困を作り上げている。

●結び

貧困はとても複雑で多面的な側面を持っているので一概にこうすればなくなるということを言うことはとても難しいと思う。

しかし個人的にはやはりマラウイアン自身の当事者意識がまずは必要なのではないかと思う。他の人に頼ったり、外国の援助を期待するのでなく、なにがなくともまずは自分たちの国だから自分たちでなんとかするというような愛国心というか、“志”のようなものが必要なのではないかなと思う。

明治維新や戦後の復興等日本が奇跡を起こしてきたのも日本人としての誇りと志が根底にあったからなのではないかなと感じるところが多い。

その精神が汚職を払拭し、産業を勃興させ、優秀な人が国内につくし、技術を発展させ、資源を掘り起こし、観光資源を醸成し、国を豊かにし、人々が安心して暮らせる生活を創りだすのではないか。

かつろう

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青年海外協力隊(JOCV)としての第一の壁 .69

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“仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。”-電通鬼十則より

●“何をやっていいのかわからない”という壁

青年海外協力隊(JOCV)としてマラウイに来て3か月が経とうとしている。内1か月は現地語の訓練やマラウイのブリーフィング等で、配属されてからは2か月が経過しようとしている。

今現在僕自身とても悩んでいる。ドツボにはまっているような感じだ。恐らく多くの青年海外協力隊員がはじめ同じような壁にぶち当たるのではないかと思う。
“何をやっていいのかわからない”という壁だ。

●僕が活動している組織の背景

背景を少し書きたいと思う。
僕はPSI(Population Service International)/Malawi<http://www.psi.org/>というワシントンDCに本部のあるアメリカのNGOのマラウイ支部に所属している。同NGOはコンドームや蚊帳、経口補水液等の販売や配布、母子保健やマラリアに関するプロジェクト、HIVの啓発活動などを行っている。オフィスは首都のリロングウェ、第一の商業都市ブランタイヤ、北部の拠点ムズズ、東部の拠点マンゴチに4地点にあり、職員は約200人だ。

同NGOはとてもしっかりした組織構造を持っている。例えば監査に関してはPSI/Malawi内部にも監査をする部門があり、不正な取引などをチェックしている。そしてその監査部門を監査する東アフリカ地域の監査部門があったりする。

僕はマーケティングという職種で配属されているのだが、マーケティングに関しても本部のワシントンから人が来てマーケティング手法のワークショップを行ったり、随時プランニングのアドバイスなどを行ったりしている。

WEB上にはPSI職員のみがログインできるPSI universityといった学習サイトもある。このようにとても組織基盤が整っているのだ。

そして大学・大学院を卒業したマラウイの優秀なエリート達が働いているのだ。(マラウイは学問は実力社会で、本当に優秀で選ばれた人しか大学に入学できない)。もともとイギリスの植民地だったということもあって英語も堪能だ。

つまりとてもしっかりとした基盤をもっており、とても優秀な同僚たちがいる組織に配属されているのが背景だ。

●決まった仕事があって配属されているわけではない

僕はマーケティングという職種なのだが、それに関連する部門が三つ存在する。セールス(保健衛生製品の販売と配布を担当)、リサーチ(製品やキャンペーンに関する各種情報収集や分析を行う)、コミュニケーション(広報的な仕事を担当)だ。僕はこの中でも特にコミュニケーションという部署に配属されている。もちろん今後変わる可能性もあるのだが、取りあえずはそこに籍を置いている。

しかし特に決まった仕事が用意されているわけではない。今まで僕がいなくても仕事が回っていたのだから当然と言えば当然だ。何かのポジションが空いてそこに僕が入るというわけではなく、現状で仕事が回っている上に僕が入るという状況なのだ。
僕の場合は迎えてくれる人がいてくれて、組織があるだけましかもしれない。案件によっては赴任してみたらその組織自体がなくなってしまっていたということもあったとか。

そうして今、“何をやっていいかわからない”という状況に陥っているのだ。

●仕事を創りだす為にまず必要なのは状況や背景の理解

この“何をやっていいかわからない”という状況には二つの側面がある。
1つは上記で書いたように組織側として与える仕事がないという側面、もう1つは僕自身が何をすべきかを気づけていない、仕事を創りだせていないという側面だ。

前者に関しては自分ではどうしようもないので、後者をなんとかするしかない。つまり何をやっていいかわからない状況においては、自分で適切な仕事を創造するしかないのだ。

しかしこの仕事を創りだすということが、今現在上手くいっていない。日本にいた時は比較的この手のお題は得意だった。やることがばくっとしか決まってなくて後は自由にやっていいという状況において、背景を理解し、目標を決めて、戦略を作り、戦術に落とし込んでいく。大学の頃からこういったことに関する着想は比較的わきやすい方だった。しかし今マラウイであまりこの着想・発想・発現といったものが起こらない。何かスランプにおちいったかのように、得意だったことが出来なくなってしまっている。

では何故今、仕事を創造するということに関して現在このようなスランプに陥っているのか。それは仕事を創造する為にまず第一に必要な背景状況の理解が出来ていないことが大きな要因だと思われる。詳細にすると以下の4つが欠如していると考えられる。

1、語学能力(英語能力)の欠如
2、マーケティングに関する見識の欠如
3、マラウイという国に関する見識の欠如
4、PSIという組織やINGOに対する見識の欠如

1、同僚は皆英語に堪能で、会議などでは全くついていけない。会議だけでなく会話でも必然的に様々な情報の欠如に繋がる。話の論旨を理解できないから発言も出来ないし、日々のコミュニケーションの中でも劣等感を感じてしまっている。また例えばブランドコンセプトといった話になると英語の言葉のニュアンスまで理解していないといけない。例えばuseとutilizeやtrustとcredible, confident といった言葉の意味ではなくニュアンスの違いを理解していないといけない。

2、僕は以前BtoBの営業の仕事を行っていたので、セールスや営業エリアに関するデータ切り方、プロセスの管理などに関してはある程度の経験あるがBtoCの広報といった分野に関しては素人も同然だ。

3、またマラウイという国の状況や人間性に関してマラウイアンより深く洞察するということは不可能だ。例えば販売チャネルとしてどこが適切か、カスタマーの定性的な分析を行う時の行動など、マラウイアン以上に考えたりすることは難しい。

4、NGOというのは個別の色々なルールや前提やユニバーサルなNGOの知識といったものが存在する。略語も多い。そういった前提や知識がないと文脈を理解できない。

全てを完璧にすることは難しいが、それぞれの欠如を補って、背景をつかんでいけば徐々にこのPSI/Malawiに対して自分のやるべきことが何かということが見つけられるようになるのではないかと思う。

●焦らずにゆっくりやっていこう。

しかしこの2か月冷静に現状を分析して、落ち着いてこれらの補うような努力をきっちりとしてこれなかった。それはなぜか。

焦りと劣等感から来るストレスを感じて、悪循環に陥っていたからだと思う。1か月もたつのに大した活動を出来ていない。2か月もたつのに英語もまだまだ理解出来ない。英語の出来なさが大きな劣等感に繋がり、人に積極的に話かけられず、会議でも発言をためらってしまう。焦りと劣等感のストレスをいいわけにして英語の勉強や資料の読み込みをおろそかにしてしまう。おろそかにしてしまうと、結局現状が良くならずにまたストレスを感じてしまう。というような悪循環に入っている。

これを抜け出す為にまずは今の現状を認識して、受け入れることが大切だと思う。出来ない自分を受け入れよう。少なくともあと3か月は仕事らしい仕事なんて出来ないだろう。英語能力を挙げて、各種状況理解や、情報収集に努める期間として設定しよう。焦らずにゆっくりとやっていこう。ストレスを極力すくなくして、その分を精進するエネルギーに変えていこう。

まずこの“何をしてようかわからない”壁をぶち破ろう。焦らずに。
2014年のまず第一の抱負。

かつろう

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マイクロファイナンスの活用法の提案 .68

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実はこのブログ、カツカツ日記は国際協力×ビジネス×起業という副題を持っているのです。
実は一番最後の起業というのは、僕自身が起業をしたいという気持ちがあり、後から付け足したのですがあまりそれにカテゴライズされる記事を書けていないという残念な現状があります。
それもあり今回は起業に少しだけ関係する記事を書きたいと思います。

もしマラウイでマイクロファイナンスを始めるとしたらどういうモデルがあり得るのかということを考えてみました。

マラウイで最も主要な食べ物はシマと言われるメイズ(とうもろこし)の粉から作られるおモチのような炭水化物です。日本のお米のように、お肉や魚、野菜や豆と併せて食べられます。ケニアやタンザニアにあるウガリなどと似ています。
シマを食べないとご飯を食べたとは言わないと言われるほど、マラウイアンのソウルフードとしての地位を確立しています。

このシマの原料のメイズを生産している農家がたくさんあります。メイズは家内で消費してもいいですし、売ることによって換金することもできます。そしてこのメイズの価格は一年の内で変動します。収穫をしてすぐは供給量が多いので値段が安く、収穫の時期が近づくほどメイズがなくなるので値段が上がります。

収穫後、自分の家で消費する分のメイズを残して、残りを売却するということをするのですが、場合によっては家内用のメイズが足りなくなり、メイズをまた買い戻すということもあるようです。もちろん時期が遅くなっているので価格はあがることになります。

ここにマイクロファイナンスの力を導入することで、彼らを豊かに出来るのではないかと思いました。収穫後のタイミングで農民に融資をすることによって、メイズを売らずに貯めておけるようにするのです。そして価格が上がるタイミングでメイズを売って換金することによって利を得るのです。

例えば収穫後100キロのメイズが$200で売れるとします。(値段は概念として置いているだけなので、実際の価格は違います)。しかし半年待てばこれが$300で売れるとします。半年間待てばより良い価格で売れるのですが、彼らはそれを出来るだけの貯蓄がありません。値上がりすることが分かっていてもそれを蓄えておくだけの現金が手元にないのです。そこでかれらに$200を融資します。半年後$300になるタイミングでメイズを換金してもらい、利子をつけて返してもらうということをすれば、融資する側も、借りる側もウィンウィンの関係が築けることになります。

全体の収穫量が分かった後に貸すことになるので、メイズの値段の変動をある程度は予測でき、適切な利子を設定することが出来るようになるはずです。

また事業に対する融資とは違い、事業が失敗するというリスクはありません。時期がたつにしたがって供給量が減るので値段が下がるというリスクもかなり低いと考えられます。収穫後に貸すので収穫の成否による影響も受けません。

ただ、この手法は拡大するのには限界があると言えます。つまり需給バランスに影響を与えるのであまりに大きな規模で行うと価格や物の出回りに大きな影響を与えてしまい、結局価格が上がらずに利益が得られないということも起こり得るのです。

マイクロファイナンスというと、agile(小規模で、小回りの利く)なビジネスに融資するようなイメージが強いですが、このように時期をずらす投資・投機というような形でも運営できるのではないでしょうか。賛否両論あるかもしれませんが。

かつろう

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おススメTED その2後編?HIVの感染率と輸出量の関係? .67

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前回(http://hitonowa.blogspot.com/2013/11/vol66-ted2hiv.html)に引き続き経済学者Emily OsterがTEDで行ったHIV/AIDSに関するスピーチをご紹介します。

前回は平均寿命の短さがアフリカでHIV予防活動が進まないことに繋がっているという内容をご紹介しましたが、今回はHIVの感染と経済(特に輸出)との関連について書きたいと思います。


http://www.ted.com/talks/emily_oster_flips_our_thinking_on_aids_in_africa.html

●輸出とHIV感染率には正の相関がある

アフリカでHIVの感染率を大幅に下げることが出来た政策として有名なのがウガンダで行われたABCキャンペーンです。Aはabstain自制する・禁欲する、Bはbe faithful誠実な・貞節な、Cはuse condomsを表します。
ウガンダでは90年代にこれが行われ感染率が実に15%から6%に落ちたのです。この成功を受けてケニヤやタンザニア、南アフリカもこれに倣った施策を行ったりしています。

ところで、伝染病の研究者はトラックのドライバーや移民の間では感染率が高くなるということを主張しています。船乗りよろしく、トラックドライバーも行く先々で女性を買ったりしていることもあると考えられます。セックスワーカーの感染率が高いことを考えればドライバーの感染率が高く、そしてドライバーが媒介となる可能性が高いと考えられます。交通が集中する所では感染が広まりやすいのです。

実はウガンダのABCキャンペーンと時を同じくして起こったウガンダの経済変化がありました。輸出量の激減です。同国の主要輸出品であるコーヒーが、価格の下落を受けて、急激に輸出量を下げたのです。
HIVの感染率と輸出量は正の相関をたどりました。ウガンダでは、輸出の減少に合わせて感染率が下がった数年後、輸出量が増えるにしたがってHIVの感染も増加していきます。

【緑線が輸出量で赤線が新規のHIV感染数。横軸は経年。上がり下がりが相関している。】

輸出とHIV感染は正の相関を持っているのです。輸出量が2倍増えれば、HIV感染は4倍になるとスピーカーは言及しています。トラックドライバーのことを考えれば特に陸路での輸出の場合大きく関係するのではないかと思います。もちろん相関関係と因果関係は違いますが、両者の間には輸出⇒新規HIV感染の因果関係があると考えられます。
この関係性を知っていれば、輸出と感染の政策を包括的に考えることが出来るようになります。例えば感染率が高い地域への輸出が増大する場合、感染が増えることを考えて事前に対策を打つことが出来ます。

もちろんABCキャンペーンの効果が全くなかったというわけではありません。ただこの政策の効果の内25-50%くらいは輸出量の減少に帰する可能性があるということです。政策の効果が半減するかもしれないという情報を知っていればキャンペーンに投入する金額を他のプロジェクト、(例えば妊産婦死亡率を減らしたら、男子の割礼を推奨したり、)に投入するという選択肢も考えられるわけです。最も効率の良い予算の使い方を考えることが出来るのです。

長期的な視点で見れば、輸出の増大や経済発展は貧困を削減し、HIV感染率を減らすことにいい影響を与えることは間違いありません。しかし短期的に見た場合それがHIV感染率の増加に繋がる可能性もあるのです。

●まとめ

前回は寿命とHIV予防行動の関係について書きました。寿命が短いと死を回避する行動をとるインセンティブが低いということです。言い換えれば他の保健分野、例えばマラリアや妊産婦死亡率等の問題を改善することで平均寿命が延び、HIV予防に対する行動も促進されるということです。
今回は輸出量とHIV感染率が正の相関関係にあるということを見てきました。

これらからわかることはHIV/AIDSの問題を解決するためには単にHIVの事だけを考えていてはだめだということです。他の保健分野や経済分野なども考慮に入れなければならないということです。もちろんHIVに限らず全ての問題にはつながりがあり包括的に取り組まないといけないのだと思います。

そのような包括的な問題解決のアプローチをとる為にはスペシャリストとジェネラリストどちらの力も必要なのではないかと思います。ここを見るには専門的な知見が必要になりますし、全体を見るには国際協力、医療、経済等を統合して見、バランスを取る能力が求められます。

そうだとすると国際協力の分野でもジェネラリストとして、ますますMBA取得やビジネス・マネジメント経験といったものが重視されるようになるのかもしれません。
(参考:【Vol.37 国連で働く上でMBAは価値を持つのか】http://hitonowa.blogspot.com/2013/06/vol37-mba.html)

かつろう

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