僕は青年海外協力隊としてアフリカのマラウイに行く。派遣職種はマーケティングという新しく出来た職種で、現地では保健衛生製品のマーケティング・販売を行う。貧困層向けに蚊帳や経口補水液を売るのだ。それは範疇としてBOPビジネスと括ることも出来る。そういった背景があり目黒区の図書館で借りて読んだ一冊。
【読んだ本】
『アフリカBOPビジネス』?市場の実態を見る?佐藤寛編著
【概要】
前半部ではBOPビジネスとは何かという説明がされている。後半部分ではナイジェリア、エチオピア、ケニア、タンザニアの実態の調査と、具体的な商品の提案と導入可能性が掛かれている。
本書の一番大きな特徴は後半部分の調査がとても定性的に行われているという点だ。統計的なマクロなデータではなくてアンケートや聞き取り調査を中心とした現場に近いところで書かれた著作だ。
【提案されている商品一覧】
下記商品の想定価格、アクセス可能性、サンプルテストの結果等が記載されている。
ナイジェリア
蚊よけブレスレット、ハエ取り紙、ゴキブリ駆除剤、ふりかけ、魚肉ソーセージ、高野豆腐、防塵マスク、無水シャンプー・制汗デオドラント製品、インスタント食品、こんにゃくゼリー
エチオピア
重度栄養失調児治療食、粉ミルク、中度栄養不良児回復食、市販用栄養補助職、ビタミンAを強化した食用油、ビタミンAを強化した砂糖、ビタミン・ミネラル強化小麦
ケニア
ソーラーパネル、家庭用パラボラ型ソーラークッカー、養鶏ビジネス用ふ卵器、自転車式発電機
タンザニア
【所感】
今後BOPビジネスや国際協力を行っていくうえでこのような実態に即した考え方はとても大切になってくるはずだ。単に統計的なデータの組み合わせで上手くいくような単純な市場ではないからだ。ではそのようなデータはどこから手に入れれば良いのだろうか。
その一つの答えが青年海外協力隊かもしれない。(http://blog.livedoor.jp/earthcolor0826/archives/1710838.html) 協力隊は実際現地の村やその土地に2年間住んで活動を行う。彼らが得ている生のデータほど貴重なものはないのかもしれない。
JICAとしても協力隊をもっと積極的に活用してそのようなデータを吸い上げでまとめるべきだろうし、企業側も協力隊経験者の積極登用等を行っていく必要がある。
個人的にはそういった地に足を付けたアフリカの情報を取得して企業やNGOに提供するような仕事を創ってみたいなと漠然と考えている。
単に自分の経験をアウトプットするだけでなく、狙いに即したデータの収集を仕組み化して行うのはとても大変なのだろうなと思う反面、こういった事業を出来れば本当に世界の為になるのではないかなと感じる。
かつろう
にほんブログ村
ランキングに参加しています。一人でも多くの方に情報を提供できればと
考えておりますのでアイコンをクリックして頂ければ大変有難いです!