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●BOPペナルティとはなにか
BOPペナルティとは貧困層の方が購買活動などにおいて不利益を被る場合があるという考え方です。
貧困である(低所得、農村部に居住等)がゆえに高い価格や低品質の製品・サービスを被ることがあるということです。
(参照:BOPペナルティーとはなにか Vol.50)
例えば商品は流通経路としてメーカ⇒卸売⇒小売りと流れますが、これは途上国では都市部から農村部への流れともいえます。つまり都市部の卸売店や小売店に農村部の小売店が商品を買いに来て農村部に持ち帰って売るのです。都市部に住んでいる人は卸売店や都市の小売店から買うことが出来るので介在者が多くありません。しかし農村部に行けばこの流通業者や小売店といった介在者が増え、中間マージンが増えることによって価格が高くなるということです。
農村部に住んでいる人はその価格差を知りながらも、わざわざ都市に買いに行くことも出来ないのでしぶしぶ高価格や低品質で購入することになります。
これにより貧困層はより貧しくなるという、負のスパイラルに陥ることになります。
●国家レベルのBOPペナルティ
さてこれは国家の中でのだけにはとどまらないです。国家レベルでも、貧国の方が購買活動において不利益を被るということがあると考えました。つまり同じ製品を買うにしても貧しい国の方が高くなるということです。
・電化製品の例
例えば電化製品などは典型例です。PC等はマラウイに比べると日本の方が間違いなく安いといえます。これはマラウイには電化製品の生産拠点がなく、また近くに中国のような安価な労働力が豊富にある生産拠点があるわけでもないからです。輸送コストや関税などがより多くかかるのです。さらにマラウイは内陸国であるので海運のみを使用することもできないのです。海運でタンザニア、南アフリカ、モザンビークに持ち込まれたモノをさらに陸路で運ぶことになります。
・ガソリンの例
他にもマラウイの方が日本より高い製品としてガソリンがあげられます。
日本だと2014年5月現在、レギュラー1リットルあたり約160円くらいでしょうか。マラウイではだいたい840クワチャ(1ドル=400?410クワチャ)です。日本円にすると200円は超える計算になります。
では何故このような差が発生するのでしょうか。
ガソリンの生産・流通過程を確認してみます。
まずは原油を掘りだすプラントから原油が取り出されます。次にそれが製油所でガソリンに精製されます。そしてそれが卸などを通ってガソリンスタンドに流通するわけです。そして原油の元の価格や卸価格等が影響して末端のガソリン価格が変わるわけです。
日本には大規模な油田はないが、ガソリンを精製出来る製油所がいくつもあります。
対してマラウイ国内では原油が出る場所はありません。そして調べてみたのですがやはりマラウイに製油所はありませんでした。周辺国で言えば南アフリカに4つ、ザンビアに1つあるようです。
(アフリカの製油所一覧:http://www.mbendi.com/indy/oilg/ogrf/af/p0005.htm)
つまり電化製品の工場が自国内にないのと同じで、ガソリンという製品を他国の製油所から輸入して運んでこないといけないわけです。その輸送コストや関税が多くかかってしまっているということです。道も悪路が多く、また国境等でとられる時間も多い。とういことは人件費もさらに負担を増すことになります。
マラウイ等途上国では車両を使うことが主な移動・交通手段になります。人口密度が低いので鉄道は現実的ではありません。企業活動やNGO活動をするときもこのガソリンにかかる費用が一つの負担となり、成長や援助を鈍らせてしまいます。
国家レベルでのBOPペナルティによって貧国はより貧しくなるという負のスパイラルが形成されているのです。
ちなみにマラウイ湖から石油が出るなんて話もありますが、そうなったら間違いなくタンザニアとの領土問題に発展してマラウイは負けてしまうのだろうと思います。マラウイとタンザニアでは国力が雲泥の差ですので。
うーん、がんばろうマラウイ。
かつろう
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