日本では公務員の給与削減が行われ続けている。
世論も公務員の給与削減に前向きだ。
カンボジアでは公務員の給与がかなり低い。
月数十ドルくらいという話をよく聞く。
工場での最低賃金が$61⇒$80にあがりそうな
昨今のカンボジアにおいても最低ランクの給与と思われる。
農村部であればその給与でもなんとかやっていけるだろうが
都市部ともなればなかなか難しいと思われる。
ローカルなところでご飯を食べたとしても
一食につきだいたい$1くらいはかかる。
よくいくローカルな飯屋での価格は以下。※$1=4000リエル
豚肉ごはん(バーイ・サイ・チュルク) 3500リエル
チャーハン(バイチャー) 4000リエル
米の麺(クエテオウ) 4000リエル
一日3食だけでも$2?3はかかるのだ。
ではカンボジアの公務員はどのようにして
生活をしているのであろうか。
二つの選択肢がある。
1つは副業、2つは汚職である。
どちらも行っている人もいるだろうが。
例えばNGOがカンボジアでプロジェクトを行う際に
MOUという覚書を交わさなくてはならない。
しかし、普通にこれを申請してもすぐには下りない。
文字の間違いの指摘や、文書の書き方等
難癖をつけて承認を出さない。
下手をすると一年近く承認してもらえなくなる。
しかし賄賂を払えば別だ。すぐに許可してもらえる。
このような汚職が蔓延している。
これは公務員一人一人の品格というよりも
制度それ自体が汚職を生み出しているのだと思う。
日本では公務員の給与削減が行われているが
このまま公務員の給与が下がっていけばどうなるだろう。
カンボジアのようにすぐに汚職が蔓延するようにはならないだろうとは思う。
しかし給与が下がればなりたいと思う人が減り、
それが競争を低下させる。
競争の低下は公務員の質の低下につながると思う。
質の低い公務員が多くなれば、ミスが多くなり、効率が下がり、
結局は無駄に費用がかさむということに繋がだろう。
また汚職も少なからず増えるはずである。
公務員と同様に、国会議員の給与(歳費)削減も行われている。
秘書給与も3人まで支払われるが、果たしてこれだけで議員業務が務まるだろうか。
否である。
国会の事務所に2?3人の秘書が必要であり、
さらに最低でも地元の事務所には5人程の秘書が必要になる。
一人当たり諸々込みで500万円だとしても
2000?2500万円程度秘書の人件費に必要になる。
その他事務所の賃料、ユーティリティ、
遊説や駅頭に必要な車両代、維持費、
ポスター制作、ビラ制作等々行って行けば
歳費やその他経費等すぐに尽きてしまう。
このような現状を鑑みたときに
現在の歳費水準でも、国会議員をやろうとすれば赤字になってしまう。
衆議院議員であれば2?3年に一度失職のリスクもあり、
地元に国会にとかなりの激務である。
それだけの仕事をしても、借金を背負って行くのである。
一般人では国会議員が出来なくなります。
お金を持っている人でないと議員が出来なくなります。
優秀で能力のある人はあえて国会議員を選ばなくなります。
また国会議員に痛みをということで議員定数削減が叫ばれます。
果たして議員定数が削減されたらどうなるでしょうか。
もともとの地盤をもっている年老いた議員しか当選しなくなるでしょう。
若い議員の数が減るでしょう。
より旧来の利権を維持する政治になるでしょう。
国民に痛みを強いるなら国会議員がまず自分の腹を切るべきだと言います。
給与削減と定数削減。
これを言っていれば民衆の理解は集まります。
票は集まります。
お金も利権も持っている年老いた議員はこれを叫びます。
果たして国民の皆さんは、本当にこの国のことを考えているのか。
目先の聞こえのいいことだけに傾いてはいないか。
物事の本質をとらえようと考えているのか。
結局は国民一人一人が本当に国を良くしようと強く意識し、深く考えない限り
カンボジアの汚職もなくならないでしょうし、
日本の政治も良くならないと思います。
かつろう
にほんブログ村
ランキングに参加しています。クリックよろしくお願いいたします?