青年海外協力隊員は活動を充実させるために様々な支援制度を利用することが出来ます。今回はこの支援制度を紹介していきたいと思います。青年海外協力隊で活動を行っている方は今一度これらの制度を使った効果的なインパクトを考える機会にして頂ければと思います。派遣前の方は活動の計画を立てる上で、これらの制度があるということを覚えておいて頂ければと思います。
●現地業務費
(http://www.jica.go.jp/volunteer/application/seinen/support_system/jocvnjv/treatment.html)
隊員に最もよく使われている制度がこれだと思います。現地で必要な活動経費を現地のJICA事務所に申請して支払ってもらう制度です。原則は受け入れ先の組織が経費を賄わなけばならないのですが、住居費同様に、配属先がその余裕がない場合JICA事務所が補填してくれる制度になります。もちろん必要性が認められなければなりません。
区分としては、航空賃、航空賃以外の旅費、一般業務費(受入国で購入できる5万円以下の物品購入費)、会議費、通信運搬費、スタッフ以外への謝礼報酬となります。
会議費や謝礼報酬は、例えばマラウイの場合ミーティングを開催する際に必要になります。
マラウイでは慣習的にアローワンスという文化があります。手当とでも訳すのが適当かと思います。会議に人を呼んで参加してもらったらこのアローワンスという現金を渡すのが通例です。逆にアローワンスのない会議や研修には人は参加してくれません。またアローワンス以外にもリフレッシュメント、つまりコーラやファンタも提供しないといけません。そういったものがないと会議や研修に参加しないという文化は問題にもなっています。また改めて書きたいと思いますが、協力隊員がミーティングや研修などを開催する時の悩みの種の1つともいえます。
●携行機材費
物品の購入で、5万円以上に該当するものがこの携行機材費の対象になります。5万円以下の物品の購入は現地業務費の一般業務費にあたります。これも現地業務費同様、現地JICA事務所に申請する制度です。ちなみに私の配属先では映像制作の前任の方がこの制度を利用してカメラを購入しています。
また配属先の一般備品はこれには含まれません。
●草の根文化無償資金協力
(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/culture/musho/kyoryoku_1b.html)
こちらは外務省が実施している助成金になります。1件あたり1000万円以下まで申請可能です。基本的に学校の補修や病院の設備といったハードに対しての助成になります。
●小さなハートプロジェクト
(http://www.sojocv.or.jp/mbr_support/heart/project/index.cgi)
一般社団法人協力隊を育てる会が実施している助成金になります。一件当たり30万円まで申請可能です。こちらの助成金はハードだけでなくプロジェクト全体に対して利用できるようです。過去にはカメルーンの水道拡張プロジェクトやケニアの布ナプキンプロジェクトなどがあったようです。
●その他国ごとに利用できる助成制度
例えばマラウイであれば、日本マラウイ協会が実施している申請上限30万円のマラウイウォームハートプロジェクト(http://www.h4.dion.ne.jp/~malawi/)やマラウイ隊員母の会からの支援制度等があります。このようにその国の隊員独自の制度も存在します。
●「世界の笑顔のために」プログラム
(http://www.jica.go.jp/partner/smile/)
日本でいらなくなったスポーツ用具や遊具などの物品を途上国に送ってもらう仕組みです。提供者がいないとダメですが、もしいた場合はJICAが輸送費を負担して送ってくれます。たしか、自分の直接の活動に関わるものはダメという制約があったと記憶しています。
費用の詳細は知りませんが、日本からの輸送費を考えた場合は案外現地調達等の方がいいのかもしれません。ただ、ものを大切にするという考え方や、日本国内での国際協力への興味を高めるということには効果があるとは考えられます。
途上国の配属先は基本的に予算が足りないことがほとんどです。もちろん、助成や支援なしに活動を上手くいかせることが最も良いのでしょうが、どうしても経費や予算が必要になってくることもあると思います。そんな時は上記制度を利用して活動のインパクトを最大化することが大切だと思います。
かつろう
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