●Teach For America(ティーチ・フォー・アメリカ)とは何か。
皆さんはTeach For America(http://www.teachforamerica.org/)という組織をご存知だろうか。
大学卒業生を2年間という期限で所得の低い地域(Low-income communities)に派遣し、教育を行うという事業を行っているアメリカのNPOだ。教育を行うにあたって教員免許を持っているかどうかは問われない。
Universum社(http://universumglobal.com/ideal-employer-rankings/student-surveys/usa/)の2013年の調査では、ビジネス系学部を除く文系の学部卒(Humanities/Liberal Arts)の人気就職ランキングではAppleやNikeを抑えて第5位に入っている。ちなみにアメリカの青年海外協力隊であるPeace corps(http://www.peacecorps.gov/)は第7位に入っている。NPO等非営利セクターが上位に入ってくるというのは日本との大きな違いだろう。
2年の指導を終えた後、リーダーシップ等で社会的にも評価されるようで、例えばグーグルやGEは内定者が就業前の2年間ティーチフォーアメリカのプログラムに参加することを認めていたりするようだ。
そういえばソニーは内定者に対して2年間の入社の猶予制度を設けていたが、今はどうなっているのだろうか。無くなってしまっていたとしたら時代に逆らっているのかもしれない。
●青年海外協力隊はTeach For Americaになれるのか?
さて本題。
青年海外協力隊(JOCV)はティーチ・フォー・アメリカになれるのか。
つまり帰国後、社会的に高い評価を得ることが出来るようになるのか。
新卒で協力隊に行ってきた人材を企業が採りたがるようになるのか、ということである。
現状では一部を除けばそのような社会的な評価を得ているとは言い難い。
しかし今後は社会的な評価が高まると予想される。
第一に企業は今後もっともっと途上国に出て行かざるを得なくなること。そのために途上国経験者が必要になるはずだ。
第二にNPO、NGO等の非営利業界のプレゼンスが高くなること。非営利業界の認知度が高まり、社会的な地位も得ていくはずだ。寄付市場も広がるはずだ。そうなった時に途上国での活動経験へのニーズは高まり、同時に経験者への評価も高まるはずだ。
第三に日本人の価値観はどんどん多様化するだろうことがあげられる。画一的な考えや能力ではなく、色んな価値や経験を重んじるようになるはずだ。そうならなければ日本の発展は望めない。
さて以上よりマクロ要因からは社会的な評価は高まると言える。
しかし結局は協力隊の一人一人が現地での成果を上げること、そして帰国後、リーダーシップを発揮し社会に対していい影響を及ぼすことが社会的な認知・評価を上げる上で一番大切なことではないか。
協力隊出身者には、例えば留職プログラム((企業が途上国のNGOなどに数か月、自社人材を研修として派遣する制度))を行っているNPO法人クロスフィールズ(http://crossfields.jp/)を立ち上げられた小沼大地さんや、エチオピアのレザーブランドandu amet(http://www.anduamet.com/)を作られた鮫島弘子さん等様々な分野で活躍されてらっしゃる方がいる。
協力隊出身といえば、カッコいいと言われるような日が来れば、日本もますますよくなるのではないかなと思う。