つまりいわゆる社会起業と呼ばれるようなビジネスの収益モデルを持った社会事業は持続可能性があり、寄付や助成金に頼った社会事業は持続可能性がないと思っていたのだ。だから持続可能性の観点より、出来る限りビジネスの収益性を持った社会事業を行うべきであるというように考えていた。
しかしNPO法人に携わらせて頂くことでそれら(?ビジネスは持続可能で、寄付はそうでない。?社会問題は出来る限り、ビジネスの収益モデルを持った方法で解決すべき。)が大いに間違いであると気づいた。以下項目に分けて説明をする。
1、 『ビジネスが持続可能性を持っている』という誤り。
2、『寄付や助成金による事業は持続可能性を持っていない』という誤り。
しかし寄付による事業は仕組みをしっかりと戦略的に構築すれば持続可能性を有するようになるのだ。単発の寄付に依ってしまえばそれは持続可能性がない。しかし会費制にして、なおかつそれが振り込みでなく、引き落としという形態を取れれば持続可能性がかなり高くなる。もちろん会員になって頂く入口、そして会員になってもらってからのケアや対応、そして退会時の接し方といった一連のマネジメントや接点を大切にしていくことが大前提ではある。
3、『社会問題は収益モデルを持った方法で解決すべき』という誤り。
例えばある村の住民の貧困という社会問題を解決しようとするとする。その際に彼らの生計向上の為に一村一品運動等で彼らの収益を確保し、貧困を削減するというのはビジネスの収益構造を使った社会問題の解決である。
つまり社会問題の性質によって収益構造を持つことが出来る場合もあればそうでない場合も存在するということである。
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会社を辞めてNPO法人で御世話になるまで『ビジネスこそが持続可能性を持つ』という考え方を私は強く信じていた。恐らく会社を辞めずにいたらこの誤解はずっと続いたままだったと思う。
坂本竜馬の一つの強みは現場主義だったと言います。黒船が来たら見に行ったりと、問題事態を実体験するという哲学を持っていたようです。わからないことがあれば体験してみるという考えを持っていたようです。
百聞は一見に如かずとはまさにその通りで、体験を通してこそ本質的な知見が得られるのだろうと思います。
ややもすると頭デッカチになる傾向があるので、『現場主義』を肝に銘じておきたいです。