マラウイアン(マラウイ人)の英語の特徴 .91

以前カンボジア人の英語の特徴について書きました。
(カンボジア人の発音と異文化の理解 Vol.6)

今回はマラウイアン(マラウイ人)の英語の3つの特徴について書きたいと思います。

マラウイの公用語は現地語であるチェワ語と英語です。他にも北部のトゥンブカ語やトンガ語、中南部のヤオ語等がありますが基本的に最も広く使われているのがチェワ語と英語です。
そしてこのマラウイアン英語ですが、チェワ語の影響をとても強く受けています

●語尾に母音がはいる


英語の単語の語尾に母音が入ることが多いです。例えばタウン(town)はタウニ(towni)となり、フォー(four)はフォーロ(fouro)と発音されたりします。

これはチェワ語の単語の最後は母音で終わるということに影響されているのだと思います。例えば水のことはmadzi(マジ)といったりしますし、動詞だと愛してるはkonda(コンダ)となります。ちなみに動詞は語尾が全て「a」で終わります。この「a」が活用して「e」になったりします。否定やすべきという時等にこのような活用をします。

●R(アール)の発音が出来ない

日本人は一般的にR(アール)とL(エル)の発音の区分が苦手です。これは日本語に(R)アールの発音がないからだと思います。マラウイアンもこの二つをあまり区別しないようです。チェワ語を文字に表すときは一応LとRの表記は単語によって決まっていますが発音にしっかりとした区分があるとは思えません。

そしてこの巻き舌のR(アール)をマラウイアンは発音出来ないのです。例えばターン(turn)という言葉を発音するときはテンになり、ナース(nurse)を発音するときはネスになります。はじめ聞いたときは全く理解できませんでした。

テン?何が10なの??
彼はメルネスだからって、メルネスって何??male nurseでした。。

一度聞いて知っていればわかるのですが、初めて言われた時はチンプンでした。

またR(アール)という時一文字を読む時はアーラと発音します。これは巻き舌が出来ないことと、語尾に母音が入るということが組み合わさった産物です。アーラ、アーラ。これも知ってないとはじめは理解できません。

●マシンガン英語

英語には独特のリズム感があります。抑揚です。しかしチェワ語にはあまり抑揚はありません。平坦な調子で言葉が紡がれるのです。マラウイアンの英語上級者にありがちなのがこのチェワ語の癖を英語にも引きずってしまうことです。

リズムや抑揚なしに、マシンガンのように早いスピードで繰り広げられる英語。これには未だに適応しれていません。。もちろん基本的な英語能力が足りないのが一番の原因なのですが。

ただ会話で重要なのは相手の言いたいことの要点を理解することだと最近気づいてきたので言ってることが全部わからなくても、大切なことを集中して拾うことでなんとかやっていけています。

マラウイアン英語は癖があるなと僕が思っているように日本人英語は癖があるなと思われてるんだろうなーと思うとお互い様だなと感じます。

どういう言葉の癖があってどのように違うのか、その違いさえ理解していれば相手の言いたいことを正確にとらえることが出来ます。

言葉に限らず異文化の理解ってまずは違いをしっかりと認識することから始まる気がします

かつろう

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国家レベルのBOPペナルティ~途上国の石油価格が高い理由~ .90

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●BOPペナルティとはなにか


BOPペナルティとは貧困層の方が購買活動などにおいて不利益を被る場合があるという考え方です。
貧困である(低所得、農村部に居住等)がゆえに高い価格や低品質の製品・サービスを被ることがあるということです。
(参照:BOPペナルティーとはなにか Vol.50)

例えば商品は流通経路としてメーカ⇒卸売⇒小売りと流れますが、これは途上国では都市部から農村部への流れともいえます。つまり都市部の卸売店や小売店に農村部の小売店が商品を買いに来て農村部に持ち帰って売るのです。都市部に住んでいる人は卸売店や都市の小売店から買うことが出来るので介在者が多くありません。しかし農村部に行けばこの流通業者や小売店といった介在者が増え、中間マージンが増えることによって価格が高くなるということです。

農村部に住んでいる人はその価格差を知りながらも、わざわざ都市に買いに行くことも出来ないのでしぶしぶ高価格や低品質で購入することになります。

これにより貧困層はより貧しくなるという、負のスパイラルに陥ることになります。

●国家レベルのBOPペナルティ

さてこれは国家の中でのだけにはとどまらないです。国家レベルでも、貧国の方が購買活動において不利益を被るということがあると考えました。つまり同じ製品を買うにしても貧しい国の方が高くなるということです。

・電化製品の例

例えば電化製品などは典型例です。PC等はマラウイに比べると日本の方が間違いなく安いといえます。これはマラウイには電化製品の生産拠点がなく、また近くに中国のような安価な労働力が豊富にある生産拠点があるわけでもないからです。輸送コストや関税などがより多くかかるのです。さらにマラウイは内陸国であるので海運のみを使用することもできないのです。海運でタンザニア、南アフリカ、モザンビークに持ち込まれたモノをさらに陸路で運ぶことになります。

・ガソリンの例

他にもマラウイの方が日本より高い製品としてガソリンがあげられます。

日本だと2014年5月現在、レギュラー1リットルあたり約160円くらいでしょうか。マラウイではだいたい840クワチャ(1ドル=400?410クワチャ)です。日本円にすると200円は超える計算になります。

では何故このような差が発生するのでしょうか。

ガソリンの生産・流通過程を確認してみます。
まずは原油を掘りだすプラントから原油が取り出されます。次にそれが製油所でガソリンに精製されます。そしてそれが卸などを通ってガソリンスタンドに流通するわけです。そして原油の元の価格や卸価格等が影響して末端のガソリン価格が変わるわけです。

日本には大規模な油田はないが、ガソリンを精製出来る製油所がいくつもあります。

対してマラウイ国内では原油が出る場所はありません。そして調べてみたのですがやはりマラウイに製油所はありませんでした。周辺国で言えば南アフリカに4つ、ザンビアに1つあるようです。
(アフリカの製油所一覧:http://www.mbendi.com/indy/oilg/ogrf/af/p0005.htm)

つまり電化製品の工場が自国内にないのと同じで、ガソリンという製品を他国の製油所から輸入して運んでこないといけないわけです。その輸送コストや関税が多くかかってしまっているということです。道も悪路が多く、また国境等でとられる時間も多い。とういことは人件費もさらに負担を増すことになります。

マラウイ等途上国では車両を使うことが主な移動・交通手段になります。人口密度が低いので鉄道は現実的ではありません。企業活動やNGO活動をするときもこのガソリンにかかる費用が一つの負担となり、成長や援助を鈍らせてしまいます。

国家レベルでのBOPペナルティによって貧国はより貧しくなるという負のスパイラルが形成されているのです。

ちなみにマラウイ湖から石油が出るなんて話もありますが、そうなったら間違いなくタンザニアとの領土問題に発展してマラウイは負けてしまうのだろうと思います。マラウイとタンザニアでは国力が雲泥の差ですので。

うーん、がんばろうマラウイ。

かつろう

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海外旅行役立ちサイト(航空券と宿)のまとめ .89

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今回は海外旅行の手配で僕が普段使っているサイトを紹介したいと思います。
といってもマニアックなサイトとかではなく全てオーソドックスなものです。

●航空券予約

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・スカイスキャナー(http://www.skyscanner.jp/)

基本的にこのサイトを一番よく使っています。使い勝手はとてもよいです。ほとんどの航空券が網羅されてると考えて間違いありません。オンラインで予約。

・エクスペディア(http://www.expedia.co.jp/)

次に使うのがこのサイトです。航空券だけでなくホテルの予約も出来ます。オンラインで予約。

・トラベルコちゃん(http://www.tour.ne.jp/)

日本のサイト。航空券も基本日本⇔海外だけなので、海外間を行き来する航空券は購入できません。また航空券を検索したあとにその航空券を販売している業者とやり取りをすることになるので場合によってはオンラインで予約出来なかったりします。少し手間がかかりますが安い海外航空券検索にはつかえます。ただしトラベルコちゃんを経由した先の業者によっては、結構仕事が出来ない旅行会社もあったりするので気を付けて下さい。

・HIS(http://www.his-j.com/Default.aspx?lcid=airtop_a001)

案外HISで探しても安かったりします。
またオープンジョー(現地到着空港と現地出発空港が違う方法)やストップオーバー(最終目的地に着く前の経由地で一旦空港からでて、その都市に滞在する方法)といった形で航空券を取る場合、スカイスキャナーやエクスペディアではなく直接オペレーターの人に調べてもらった方が手間が省けたりします。その場合だとトラベルコちゃんで調べた先の業者やHISのオペレーターと直接電話して希望を伝えて調べてもらうなどするのがおススメです。
たまにフライトがあるのかどうか心配になる航空券もあります。共同運航便だったり、航空便番号を借りてたりした場合、少し複雑になったりすることがあります。そういう時は直接その航空会社のHPにいってそこから航空券の詳細を確かめればはっきりします。

●ホテル予約

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・ブッキングコム(http://www.booking.com/index.ja.html)

ここを一番よく使います。王道ですね。

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・エクスペディア(http://www.expedia.co.jp/)

航空券検索でも使えるサイトです。航空券とホテル一緒に取ったりできます。

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・アゴダ(http://www.agoda.com/ja-jp)

ブッキングコムやエクスペディアで乗っていないホテル情報がここに載ってたりします。

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・トリップアドバイザー(http://www.tripadvisor.jp/)

口コミを調べるならここです。行くホテルをある程度絞りこんだらそのホテルをトリップアドバイザーで一度検索してみてもいいかもしれません。
基本的にホテルの代金はホテルの直接運営するHPよりも上記のサイトを通した方が安くなる場合が多いですが、念の為ホテルのHPも確認しておくとよいと思います。またキャンセル規定はしっかりと確かめておかないとキャンセルしてもお金が返ってこないなんてことにもなりかねません。

●おまけ

上記は基本的にしっかりと事前に計画を立てる旅行の際にとても役に立つサイトになります。
しかしバックパッカーなどで五条国各地を回る場合はネットで予約が出来る高い宿には泊まらないと思います。数百円の安宿はHP等は持っていないのが普通です。そういったときはネットで探すのが一番の得策ですが、下記のサイトは僕自身マイナーな都市や安宿情報を探すときによく使っていたサイトです。

・チキュウサンポ(http://sanpo1.com/index.html)

世界を回って旅をした人のサイト。途上国のマイナー都市の宿や安宿情報が満載。
バックパッカー必見です。

●ロジスティクスのお仕事

また上記のサイト群はNGO関係でいうとロジスティクスの仕事にも応用できます

ロジスティクスの仕事とは航空機や国内移動といったトランスポートや宿の手配、ビザの申請等雑務もろもろを全てこなせるなんでも屋さんのことです。国境なき医師団は医師や看護師、薬剤師といった医療職だけでなくこのロジスティシャンも募集しているので国際協力の世界で活躍したい人は一度見てみるとよいかもしれません。
(国境なき医師団http://www.msf.or.jp/work/)

他にも物資を支援する時の輸送や貯蔵などもロジスティクスと言います。流通等に強い人がこの仕事に向いています。

かつろう

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サッカー×途上国、有効なプロモーション手法 .88

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今回はマーケティング・プロモーションに関する記事を書きたいと思います。

あなたがとある企業もしくはNGOの広報担当者だとします。
アフリカのマラウイで広告を展開することになり、そこに登場させる日本人を選ぶことになりました。
果たして誰を起用しますか?(製品やサービスの制約はなく、一般的に考えた場合と想定します)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

僕なら間違いなく香川真司選手を起用します。
何故なら彼がマラウイをはじめとしたアフリカで最も知名度の高い日本人の1人だからです。

●サッカーの無限の可能性

マラウイを初めとしたアフリカ諸国ではサッカー(フットボール)がとても人気です。

日本ではサッカーの競技人口は約600万人で、野球の800万人よりも少なく、野球の方が人気があります。年俸を見ても明らかに野球の方が高いです。推定平均年収でも野球が約3800万円なのに対しサッカーは2100万円で倍近くの差があるようです。

しかし世界の競技人口を見てみると野球は3500万人程なのに対し、サッカーは2億7千万人とかなり差があります。そう、世界ではサッカーの方が人気なのです。特にアフリカの途上国では特別な器具がなくてもボール1つで出来るサッカーが大人気です。子ども達はサッカーボールを手作りしてしまうので実質特別なものがなにもなくても出来てしまいます。

クリケットやバスケットボールも世界で人気がありますが、やはり特別な器具やコートなどが必要になってくるのでボール以外何もいらないサッカーには敵いません。

マラウイではもともとイギリスの植民地であった影響もありプレミアリーグが大人気です。そしてそのプレミヤリーグ、マンチェスターユナイテッドで活躍する香川真司選手は人気で有名です。地元の人とサッカーをしていると「カガーワ」と呼ばれます。

このサッカーは無限の可能性を秘めていると思います。

●企業プロモーションの観点

サッカーのスタジアムは人がたくさん集まる場所になります。国内リーグであっても皆、熱狂的に応援したりします。その人が集まるスタジアムやその周辺に広告を出したりすることは効果が高いと思われます。

また新商品の発表等のプロモーションするための催しとしてサッカーの試合を開催するというのも人々の注目を集めるはずです。

●非営利活動との連携

例えば教育を振興したいと思い、子ども達の出席を促したいと考えるとします。その際にサッカーを授業の後に開催するなどすれば子どもは学校に来るようになるのではないかなと思います。

人を沢山集めてHIVの啓発活動などを行いたいと思った時に、サッカー試合を開催して人を集めた上で、啓発活動等を行うということも有効だと思います。お金で人を集める、地域の権力者に依頼して集めてもらう等ほかの方法もありますが、サッカーも有効な一つの手段だと思います。

中田英寿選手のようにチャリティーとしてサッカーの試合を行うのも効果的ですが、直接的に途上国の現地活動と結びつけることもとても有効な方法だと思います。

企業活動にせよNGO活動にせよ、アフリカで広報活動を行うならサッカー(フットボール)を一つのキーファクターとして考える必要がありそうです。

かつろう

参考;
FIFA
http://www.fifa.com/worldfootball/bigcount/registeredplayers.html
国際野球連盟
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%87%8E%E7%90%83%E9%80%A3%E7%9B%9F

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途上国ビジネスの可能性2?タクシービジネスとアフリカの中古車事情? .87

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前回に引き続き今回も途上国のビジネスについて考えたいと思います。
(参考:途上国ビジネスの可能性1?マラウイの国内商社? vol.86)

●タクシービジネス

旅などで途上国にいくと必ず出会うのがタクシードライバーです。
トゥクトゥク、バイクタクシー、車のタクシー等様々な形態があります。

マラウイでタクシーと言えば基本的に車のタクシーしかありませんので
今回はこの車でのタクシーを中心に考えます。

基本的にタクシードライバーは雇われドライバーの事が多いです。
もちろん自分で車を所有している人もいるでしょうが、車のオーナーが別というドライバーが大半です。これはマラウイだけでなく、ジンバブエでも同じでした。

タクシー会社、というか車を所有してドライバーに貸すというビジネスを想定します。

まずビジネスの仕組みとして大別すると車を貸す代金を取る方法と、利益の一定割合をもらう方法があります。

●車を貸す方法

例えばマラウイのあるタクシードライバーは毎週25000クワチャで車をレンタルしていました。月に100000クワチャの計算です。400クワチャ=100円くらいなのでだいたい週6000円、月に25000円くらいのレンタル料金になります。車を貸すビジネスをすれば月にこのくらいもらえるということです。

ちなみに車はかなりぼろくて、恐らく中古で20万円くらいのものだと想定されます。車の登録料なり、維持費なりはかかるとしても1年以内にはペイすると思われます。

ちなみにマラウイでタクシーやミニバスは白地に赤文字のナンバーを付けています。つまりタクシーの登録が必要になってきます。このあたりの規制を考慮する必要もあります。

ちなみにタクシードライバーに月収を聞いたところ20000クワチャ(約50ドル)といってました。タクシードライバーは基本的に低く言う傾向があるので(少しでもお金をもらうため)もう少しもらってると思います。たぶん40000クワチャ(100ドル)くらいはいってるんじゃないかと。

ちなみに平均月収ですが、農村部でも平均するとだいたい15000?30000クワチャ(約40?80ドル)くらいは家計収入があることが多いです。フィールド調査などで聞き取り調査をするとだいたいこのくらいの数字を聞くことが多いです。

●利益の一定割合をもらう方法

ジンバブエのタクシーはこの利益の一定割合をもらう方法をとっていました。不思議とどこの都市にいって聞いても売り上げからガソリンを引いた利益の23%がドライバーの取り分で、77%はオーナーの取り分と言っていました。こういう法律でもあるのでしょうか。

ドライバーの収入はだいたい200ドルとか、100ドル後半と聞いたので、オーナーの取り分は700?800ドルくらいになります。

ただしジンバブエのタクシー車両はかなりきれいなものがほとんどだったので中古でも少なくとも60万円以上はかかると思われます。それでも車両に対する投資を回収するのにそこまで時間がかかるわけではありません。

日本の不動産などに投資するよりは利回りがいいビジネスだと思います。もちろん良質な車両の取得、信頼できるドライバー、タクシーの規制、等の課題をクリアしなければなりませんが。

2014年7月6日追記:ちなみにマラウイではタクシーの登録自体はすぐに出来るらしいのですが、外国人がオーナーとなってタクシーを運営することは出来ないようです。

●アフリカの中古車事情

アフリカでは日本の中古車がとても人気です。中古車であっても丈夫で質が良いというのが理由です。

マラウイのミニバスやジンバブエのコンビと呼ばれる乗り合いバスはトヨタのハイエースの中古車です。たしかタンザニアのザンジバル島もハイエースのミニバスが走っていたと思います。ただ最近のトレンドとしてノア?(というのでしょうか、車にあんまり興味がないのでわかりません)、車高が低くてより安定しているものの人気が少しずつ上がってきているとジンバブエで聞いたことがあります。

マラウイやジンバブエあたりの南東部アフリカでは主にタンザニアのダルエスサラ―ムの港を経由するパターンと南アフリカを経由するパターンがあります。ダルエスの場合は港まで車を取りにいって、そこから自分で運転して帰ってこないといけないらしいです。ちなみにその時はナンバープレートは出来ていないので、持って帰る国で登録したナンバーをペンで手書きしたりします。南アフリカの場合だとジンバブエの国境まで届けてくれたりするようです。(中古車会社によるのでしょうが)
直接取りにいくダルエスサラーム経由の方が安いらしいです。

価格も質が悪い20万円くらいのものからあり、40万、60万円くらい出せばしっかりしたものが帰るようです。もちろんそれ以上のものもあります。インターネットなどで中古車会社経由で購入する方法もありますし、新聞にも売買情報が載ってたりします。

途上国のビジネスのいいところは日本等先進国に比べると小さな資本でビジネスを始められることだと思います。100万円以下の資本で始められ、なおかつ上手くいけばその回収を1年以内に出来るという機会が多くあるはずです。

僕は途上国でビジネスを初めて、投資をすることに賛成です。ビジネスを作ることは雇用を生むからです。雇用は経済を作ると信じます。もちろん単なる搾取ではだめですが。

途上国ではホワイトカラー、ブルーカラーに限らず雇用が足りないと常に感じます。

かつろう

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途上国ビジネスの可能性1?マラウイの国内商社? .86

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今回は途上国の国内商社ビジネスの可能性を考えたいと思います。

●国内商社


マラウイでは国内においても物の価格差が激しくあります
他の途上国でも同じように地域によって価格差があるのだと思います。
その価格差を上手く利用したビジネス、安く売って高く売るという商社的なビジネスの可能性を考えます。
お米を例にとります。
マラウイではコタコタやサリマといった湖沿いの米の生産地では1キログラム辺り300クワチャ代(400クワチャ=約100円)で買うことが出来ます。それをリロングウェといった都市部であれば1キログラムあたり500クワチャ代で売却することが出来ます。

・売り上げ

まずは売り上げを考えます。
お米を1トン積んだとします。1キロあたり200クワチャの儲けを出せるとします。200クワチャ×1000キログラム=200000クワチャ。20万クワチャ。

・費用

次に費用を考えます。今回は自社で輸送すると仮定します。
リロングウェからコタコタまでは181km、往復で360kmとなります。ガソリン代は1リッター約850クワチャとかそのくらいになります。
車の燃費を1リッターで10kmとします。であれば360÷10で36リッターのガソリンが必要になります。36リッター×850クワチャ=30600クワチャとなります。つまりリロングウェからコタコタまでの往復には約3万クワチャかかるということです。
人件費として月の最低賃金が約35000クワチャとかだったと思います。もう少し出すと考えると、1日3000クワチャ×20日=60000クワチャとします。この360キロの往復を1日でするとすると人件費は1日辺り3000クワチャとなります。

・1往復(1日)分の簡単な利益の計算


【売り上げ】200000クワチャ-【費用】(ガソリン30000クワチャ+人件費3000)
=167000クワチャ
=約4万円。
他にももちろん車両の費用や雑費等がかかります。
しかしそれでも十分に利益を出せると思います。

●価格差が生まれる背景

先進国ではなかなか国内で大きな価格差は生まれません。また生まれるとしてもそうやすやすとその商流に入ることは難しいと思います。
しかしマラウイでは価格が差があり、また市場での購入もすぐに行えます。これは交通網や運送会社があまり発達していないこと、商い慣習がきっちりとした保守的な障壁を築いていないこと、そして都市部と農村部での貧富の差が激しいこと等が要因だと考えられます。

●商社ビジネスは情報が命

ちなみに商社ビジネスを行うにはどこで何がどれくらいで売られているか(需要と供給がどこで過多になっておりまたどこで不足しているか)、また将来的にどのくらいで売られるかというような情報が命になってきます。
日本の商社も情報が命なのでその源泉となる人材に多くの投資をしています。商社は情報をとれる能力を持った人材や信頼関係を築ける人材が資産なわけです。
この情報についていえば例えばマラウイではパイナップルは南部のムランジェなどで生産されているのですが、首都に持ってこればほぼ倍の値段で売却することが出来ます。マコラと呼ばれる木炭も各地で値段が違います。輸送コストが低く、価格差が大きく、商流にが安定していて食い込みやすい商材を見つけるのが肝と言えます。
もちろん日本の商社が行っているような、サプライチェーンのさらに上を統合する、つまり例えば農場を経営するという戦略も選択肢としてはあり得ます。しかしマラウイの場合は土地が伝統的な権力によって所有されているので、土地を取得することが困難になります。(マラウイ、伝統的権力構造の弊害 Vol.83)
江戸の昔には紀伊国屋文左衛門がみかんを紀州から江戸に運んで巨利を得たと言います。
どことなくそのような昔の日本の商人のにおいがするビジネスです。
かつろう

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避妊方法10のリストとファミリー・プランニング・プロジェクトを行う上で大切なこと .85

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途上国では“避妊”が一つの大きなテーマです。無計画に子どもを沢山つくることが家庭の貧困に繋がります。子どもが多すぎて教師や学校が足りなくなっています。人口爆発は地球規模の問題です。より良い社会にするためのファミリー・プランニングの手段として避妊が必要なのです。今回は避妊の方法・手段とそういったファミリー・プランニングのプロジェクト運営を行う上で大切なことをご紹介します。

●避妊方法

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・男性用コンドーム(Male condom)?

こちらは最も一般的で普及しており、効果も高い避妊方法と言えます。途上国のみならず日本でも最もポピュラーなのでしゃないでしょうか。

・女性用コンドーム(Female condom)

女性の膣内に挿入するタイプのコンドームになります。リングのようなものを中に入れます。女性が主体的に避妊できる方法の1つになります。

・ピル(Oral contraceptive)

飲み薬による避妊法です。

・アフターピル(Emergency Contraceptive)

性行為の後に服用するタイプのものです。事後にこちらを服用したからといって必ず妊娠が防げるというわけではありません。

・パッチ避妊薬

パッチタイプ避妊薬もあるようです。
http://xn--6or84kuo9a0bq.seesaa.net/article/369475580.html

・注射(Injection)

注射によって避妊する方法です。注射の種類によって期間は違います。効果が1か月持続するもの、3か月持続するものなどがあります。こちらも女性が主体的に行える方法です。

・インプラント(implant)

体に薬剤を埋め込む処置になります。こちらは注射よりも期間が長く、製品によって違いますが例えば3年や5年といったスパン効果が持続します。

・IUCD/IUD(Intrauterine contraceptive device)

子宮内避妊器具。こちらは子宮内に器具を入れることによって、子宮内膜より物質を放出させる手法。他の薬剤を使用したタイプの避妊方法と比べると副作用は少ないと言われています。効果は長ければ10年以上続きます。器具を取りだせば避妊効果はなくなり元通りに妊娠をすることが出来ます。効果も実証されています。

・卵管結紮(tubal ligation)

女性の卵管を結ぶことによる避妊手術。これを一度行うと再び妊娠をするようにするのは難しいです。

・パイプカット(vasectomy)?

男性の輸精管を切断することによる避妊手術。これも卵管結紮と同じで一度行えば再度妊娠するようにすることは難しくなります。

●LARC(Long Acting Reversible Contraceptive)

途上国で避妊に関するプロジェクトをする際はこのLARCという概念が一つのキーワードにもなってきます。長続きし、尚且つ、また元の妊娠する状態に戻せる避妊方法ということです。IUCDやインプラントがその代表格になります。数年といった単位で避妊効果を持続させることができ、また特に難しい手術も必要なく比較的簡単につけたり外したりすることが出来るのです。

コンドームやピルはその都度都度対応しないといけない手段なので、ついつい忘れてしまうことにもなりますし、またコストもかさみがちになります。また卵管結紮やパイプカットといった手術は一度してしまうと元に戻すのは難しいです。もちろん手術自体も大変です。

そう考えるとプロジェクトを運営する側にとっても、ファミリー・プランニングを計画する家族にとってもLARCが最も合理的な選択肢の1つとなります。

●HIV/AIDS、性感染症との兼ね合い

では注射やインプラント、IUCDといったLARCは万能なのかというとそうでもありません。特にHIV/AIDSや性感染症を考えた時にデメリットも発生します。例えばインプラントをして妊娠する心配がないからといってコンドームを着けずにセックスをすればもちろんエイズや性感染症のリスクは高まります。つまり避妊をしなくても良いという認識から性感染症の増加に繋がってしまうリスクがあるということです。

そう考えると避妊の側面からも、エイズや性感染症の面からもやはりコンドームはとても有効な手段であると言えます。

●女性のエンパワーメント、宗教や信仰のバリア

ファミリー・プランニングのプロジェクトを考える際には単に避妊器具を提供するチャネルを作るだけでは十分ではありません。女性のエンパワーメントが必要になってきます。女性が避妊を男性に提案できるような社会背景を作らなければなりません

また宗教や信仰が障害となるケースもあります。避妊すること自体を否定的に考える宗教的考え方があります。

●提供チャネル

上記に挙げた避妊手段をどのようなチャネルで提供するかということも大切な要素です。例えば私が所属しているPSI/Malawiでは男性用・女性用コンドームは薬局やスーパーなどで販売し、国が運営する無料の診療所には無料で配布しています。また有料のプライベート・クリニックをネットワーク化してそこを経由して安価なLARC各種等の提供を行っています。

●まとめ

HIV/AIDSや性感染症との兼ね合いを考えつつ、また女性のエンパワーメントや宗教的なバリアといった課題も克服しながら、上記に挙げたうち適切な避妊手段を選択し、適切なチャネルで提供するということがファミリー・プランニング、リプロダクティブ・ヘルス(reproductive health)といった領域のプロジェクトでは大切なことだと思います。

※あくまでプロジェクトサイドからの見方で書きました。私は医療専門職ではありません。ですので医療的な情報に関しては必ず専門家の方の意見をもとにしてください。このブログに載っている情報はあくまでも参考情報として下さい。よろしくお願いいたします。

かつろう

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有名な大手国際協力NGO10選?これだけは知っておきたい? .84

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さて今回は有名な大手国際協力NGOのリストを紹介したいと思います。

僕自身、もともとサラリーマンをしていて国際協力の業界に転身しました。正直ワールドヴィジョンって何??というくらいに国際協力やNGO業界のことをほとんど知りませんでした。そんな人に参考にしてもらえれば幸いです。

マラウイ、伝統的権力構造の弊害 .83

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前回の記事(Vol.82 マラウイの統治・行政区分?伝統的権力構造と政府統治構造の混在?)ではマラウイの統治・行政区分をご紹介しました。今回はこの伝統的権力構造の弊害をご説明します。

●前回のまとめ

村を治めるビレッジ・ヘッド(VH)、複数の村を治めるグループ・ビレッジ・ヘッド(GVH)、複数のグループビレッジを治めるトラディショナル・オーソリティ(TA)、そして部族の長であるパラマウント・チーフが伝統的な権力者としてその地域で影響力を保持している。また国から派遣されるディストリクト・コミッショナー(DC)という県知事のような人もいる。しかし基本的には伝統的な権力者の影響力が根強く残っている。というのが簡単な前回のまとめです。

●土地制度の弊害

今回はこの伝統的な権力構造における弊害を考えたいと思います。もちろん伝統的な権力支配には土地やコミュニティの安定といったメリットはあります。しかし同時に弊害となる部分もあるのです。

伝統的な権力構造の最も大きな弊害は土地問題にあると言えます。

マラウイの土地は3つに分けられます。国有地、私有地、慣習法下の土地の3つです。国有地は国が所有している土地で、私有地は個人が所有している土地、慣習法下の土地は地域に属する共同体全体に属し、その土地の伝統的な権力者が管理します。そしてこの慣習法下の土地の割合がマラウイ全体の7?8割あると言われています。つまり村長やトラディショナル・オーソリティと言った権力者が伝統的・慣習的に管理している土地がマラウイの大部分を占めているのです。

そしてこの土地は以下のような特徴を持っています。

・村長の許可があった場合は可能ですが、基本的には土地の売買は認められない。
・配分されている土地は子孫に贈与や相続を通して半永久的に受け継がれ、家族全員がいなくなった場合などはコミュニティの所有として変換される。

この土地制度が3つの問題に繋がっています。

・土地の細分化

農地は子孫へ贈与・相続されることによってどんどん細分化していきます。もちろんこれは大規模で効率的な農業を阻害する要因になります。

・土地取得が困難

企業やNGO等が活動のために土地を取得するには伝統的な権力者の同意がなければなりません。これがそう簡単にはいかないため、企業やNGOの活動がやりにくくなっています。新規の投資への疎外にもなり得ると思います。

・土地を担保に融資が受けられない

土地は共同体に属すると考えられるので個人の農民には属しません。ということはそれを担保に銀行などから借り入れが出来ないのです。スモール・ビジネスを始める為の借入などが難しくなるということです。

●権力の分散化

またこの伝統的な権力構造は権力の分散、地方分権に繋がっています。土地土地の権力者がその領内においての影響力を行使しているからです。単に地方分権が悪いというわけではありません。しかし例えば開発独裁という考え方もあるように、国家の黎明期においては、中央集権的に大幅な改革を英断しなければならないことも多いはずです。このような分権構造に立脚していてはいつまでも現状のままで大きな成長は望めません。

それに大統領、政党は選挙に勝つためにその地方の有力者の機嫌取りの政策をしなければなりません。例えばある有力者の地域や民族では人口が多く影響力が高いとします。彼らから病院の建設を依頼されれば政府・与党は断れないでしょう。我田引水です。もちろんこれが全て悪いわけではありません。しかし国家としての政策に基づいた政策と、地方からの要望を元にした政策というのは必ずしも一致しないはずです。地方に権力があると深慮遠謀に基づく100年の国策を行うということが難しくなるはずです。

個人的にはこの伝統的な権力構造が良くも悪くもマラウイを現状のままにとどめ置いている大きな要因であると感じています。

かつろう

参考文献:マラウイ 成長産業予測に係る情報収集・確認調査 最終報告書(平成25年8月)

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マラウイの統治・行政区分?伝統的権力構造と政府統治構造の混在? .82

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日本には国家の下に都道府県、市町村があります。
今回はマラウイではどのような統治・行政区分があるのかを説明したいと思います。

【統治・行政区分の全体像】


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●村

まず最小単位は村、ビレッジになります。ここの長が村長、ビレッジ・ヘッド(VH)になります。このビレッジヘッドは数百人から数千人単位を統治します。

●村の集合体

いくつかの村が集まってグループ・ビレッジと呼ばれるものを構成します。この長はグループ・ビレッジ・ヘッド(GVH)となります。10?20くらいの村を統治します。この規模になると最大数万人単位を統治することになります。

●トラディショナル・オーソリティ(TA)?

そしてグループ・ビレッジが複数集まって形成されるのがトラディショナル・オーソリティ(Traditional Authority、略してTA(ティーエー)と呼ばれます)となります。このTAは土地の名前であると同時に、そこを治める人の名前でもあります。土地の名前=権力者の名前になるわけです。統治する人数は数万人から多い場合だと20万人を超えることもあります。

●ディストリクト

行政区画としてはトラディショナル・オーソリティの上にディストリクト(District)、つまり県が存在します。このディストリクトのトップは、ディストリクト・コミッショナー(DC)と呼ばれます。ちなみに現在は28のディストリクトが存在します。

●リージョン

そして全てのディストリクトは北部・中部・南部のいずれかのリージョン(Region)に区分されます。北部には6、中部には9、南部には13のディストリクトが存在します。ただし各リージョンごとに権力が付与されていたり、統治者がいるというわけではないようです。ですのであくまでも地域区分としての役割のみを果たしているというわけです。

ちなみに選挙人登録(有権者)の数は北部100万人、中部300万人、南部300万人となっており、中南部が政策的にも重視される傾向にあります。北部はそのせいもあって開発が遅れています。

【統治者】

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●パナマウント・チーフ

マラウイには複数の部族が存在します。チェワ族、トゥンブカ族、ヤオ族、トンガ族等です。この民族のトップに立つのがパナマウント・チーフと呼ばれる部族長になります。TAの上にパナマウント・チーフがいるというイメージです。

●伝統的権力者

ビレッジ・ヘッド(VH)、グループ・ビレッジ・ヘッド(GVH)、トラディショナル・オーソリティ(TA)、パナマウント・チーフは単にチーフと呼ばれることもあり、伝統的な権力者になります。基本的には終身制で死ぬまで交替することはありません。

このうちパナマウント・チームはTAの中から選ばれるようです。他のVH,GVH,TAは血縁で選ばれます。血筋を持った複数の家族で順番に継承されるようです。例えばAさんという村長さんが亡くなった場合、Aさんの息子は村長にはなれません。Aさんの兄弟であったり、Aさんの兄弟の息子であったりと違う家族に村長は回されます。そのように複数の家族でローテーションをしていくことになります。

ちなみにこの伝統的権力者には女性がつくことも少なくありません。前GVHが亡くなって、その妹がGVHになるというようなケースがあります。

●ディストリクト・コミッショナー

ディストリクト・コミッショナー(DC)は伝統的な権力者ではありません。中央の政府より派遣されてくる役人です。大卒で教養がある人になります。また任期は数年なのでその地方に土着的に権力を保持するというわけでもありません。ただし、DCがTAに給与を与えているという話も聞いたことがあるので、それなりに影響力もあるようです。

ただし基本的にはTAやパナマウント・チーフといった伝統的な権力者の方が影響力は高いようです。例えば僕自身リサーチで村などに入ることもあるのですが、まずはその村の村長さんやGVHに承諾を取ってから調査をさせてもらうことになります。彼らがYesと言わないことには何もすることは出来ないのです。

このようにマラウイでは伝統的な権力者による統治と、中央政府からの区画による統治が組み合わさっているのです。

次回はこの伝統的権力の統治構造の弊害について書きたいと思います。
【⇒Vol.83 伝統的権力構造の弊害

かつろう

参考:http://en.wikipedia.org/wiki/Districts_of_Malawi

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