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●グローバル人材とは
昨今グローバル人材という言葉が使われることが多くなりました。
日本企業は国内だけでなく、国際的に活躍出来る人材を必要としているのだと思います。
今回はこのグローバル人材を育てる方法について書きたいと思います。
まずこの記事におけるグローバル人材を定義します。
“途上国や中進国の市場を開拓できる人”とします。
今後は先進国以上に途上国や中進国での市場が重要になってくること、途上国の市場は多くの日本企業にとって確保しているシェアを“守る市場”ではなく、新しく顧客を切り開く“攻める市場”であると考え上記定義を使うものとします。
では“途上国の市場を開拓できる人材”を育成するにはどうすればよいのか。とにもかくにも必要なのは途上国に人材を送りこむことだと思います。途上国で実地の経験を積ませ、そしてそれを仕事に活かすこと。これがグローバル人材、途上国の市場を開拓出来る人材を育てる上で最も大切なことだと思います。実際にその国に住んで、仕事をしてみないとその国の事など理解できません。数字や情報も大切ですが、実際に感じる肌感覚なくしてはそれらは意味を持たないと思います。
ではどのようにして途上国で実地の経験を積ませればよいのでしょうか。今回はその3つの方法をご紹介したいと思います。
●自社で派遣する
自社の支社が途上国にあったりする場合は直接そこの派遣をして経験を積ませるのが一番の方法だと思います。実際の仕事をやりながら学ぶのはとても効率的です。日本でも商社やメーカー、銀行等は積極的に途上国に人材を送りだしています。現地語が必要な場合は初めの数か月?1年くらいは現地の語学学校に通わせて、その後実際の業務に携わらせるという場合が多いようです。実際、私が中国は上海の復旦大学に短期留学していた時に駐在初期の研修として語学を学びに来ているメーカの人がいましたし、商社で海外駐在になった先輩はまずは1年間語学学校に通った後、実際の業務に携わると言っていました。
余談ですが、日本の場合は数年で駐在を終えて帰国したりするのがほとんどだと思いますが、韓国のサムスンなんかはその国に派遣されたらそこで一生やっていくというような話も聞いたことがあります。一生その国でやっていくとなれば本気度合が一層あがるんだと思います。
●民間連携制度
しかし大手ではない限り、海外に支社はないという企業がほとんどだと思います。また大手であったとしても自社で進出していない地域には自社では派遣することが難しくなります。アフリカ大陸なんかはその典型かもしれません。
ではその場合どうしたらいいのか。外部に委託すればよいのです。
まずおススメしたいのが、JICAの民間連携制度です。
(http://www.jica.go.jp/volunteer/relevant/company/cooperation/)
この民間連携制度とは、簡単に言えば企業から青年海外協力隊員を派遣する制度です。
制度の詳細は前回のブログで紹介していますので参照頂ければ幸いです。
(JICA民間連携制度とは?途上国に関心がある社会人必見!vol.92)
普通の協力隊だと2年任期ですが、例えば1年と言った風に派遣期間を調整出来ます。また派遣先の国や案件もJICAと調整することが出来るので進出を考えている国へ先兵として人材を送りだすことが出来ます。
●NPO法人クロスフィールズの留職プログラム
NPO法人クロスフィールズさん(http://crossfields.jp/)は留職という、日本の企業人材を途上国の組織に一定期間派遣することで、日本の企業の人材育成と途上国の発展への貢献をするというプログラムを展開されています。
途上国の組織に派遣するという取り組みはICV(International Cooperate Volunteering)と呼ばれ欧米でも普及しつつあるようです。以前フランスのICVの組織に話を伺ったことがあるのですが、この制度が欧米で広まる理由の一つは欧米の休暇の制度にあると思いました。ICVは企業派遣と個人参加の二つに分かれます。クロスフィールズさんがやられているような企業派遣と、個人が直接ICVエージェンシーを通して途上国で業務をする二つの形態です。欧米では1?2か月単位で休暇をとれることもあるので、その休暇を利用して途上国に貢献するというICVの形態が成り立っているようです。これがICV全体の裾野を広げているといえます。さらに、フランスではこのICVを利用するためにかかった費用の66%は額は国が税金控除の形で補助されると言っていました。欧米ではこのような休暇制度、国の補助制度がICV制度を後押ししているといえます。
以前クロスフィールズさん経由の方とNPOで一緒にお仕事をさせて頂いたのですが、とてもプロフェッショナルな仕事をされていました。
クロスフィールズさんの留職プログラムはJICAの民間連携制度に比べると期間や内容等、自由度が高い内容になると思います。また案件に関して詳細をしっかりと打ち合わせて、貢献内容やそこから得られるアウトプット、成長などもしっかりと決められると思います。そして定期的にフィードバックをし、活動内容に助言をもらえたりするのでしっかりと方向性のかじ取りが出来ると思います。
実は協力隊では、案件がしっかりしていないということがたまにあります。配属先にいってみると配属先がなくなっていたり、配属先で必要とされていなかったり、ただ単に日本からの助成金を引っ張ってくる窓口と思われたり。もちろん全てが全てではありませんが、そういう案件もあるにはあります。また青年海外協力隊の案件は内容があいまいなことも少なくありません。ざっくりとコミュニティの収益向上に協力してほしいとか、組織の運営を円滑にするとか、実際受け入れる側も、どういうことをすれば良いのかわかっていない場合もあります。もちろんそこで問題発見能力を養うというのも必要なのですが。
●まとめ
私自身、大学の頃そして社会人になってからもバックパックでアジアや南米、中東やアフリカ等を回りました。そして今は青年海外協力隊としてマラウイに来ています。
旅で数日から数週間でその国をとおり過ぎるのと、その国に腰を下ろして数か月単位で仕事をするのではやはり違うと感じます。1つには、しっかりと腰を下ろして住んだほうがその国の人を感覚を通して深く知ることが出来るようになるのだと思います。例えばマラウイ人の中にはとても優秀な人が多いです。しかし忠実で仕事はしっかりとこなすけれども、自分が引っ張っていくような起業家精神にはかける所があります。不満は結構言ったりするし、ちょっとした小競り合いはするけれど、大きな暴動などはしない。お金がないと言ってはいるくせに食べ物を残したり捨てたりする。これらは数字やなんやらではなくて感覚値に近い情報になります。多分、旅で通り過ぎただけでは感覚値としては理解できなかったと思います。
ビジネスやプロジェクトにおいては数字だけでなくこういった感覚値がキメの部分に影響してくることも多いと思います。
グローバル人材、途上国や中進国の市場を開拓できる人材を育てるためには、現地に住んで仕事をする機会を作り、そういった感覚値を養うことが必要になるのだと思います。
かつろう
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