以前青年海外協力隊への批判という記事を書きました。
(青年海外協力隊への批判 Vol.2)
その記事の中で、よくある批判の1つとして「任地で大した活動が出来ない」という内容を取り上げました。
マラウイに来た当初、アメリカのピースコー(アメリカ版協力隊。本来は青年海外協力隊を日本版ピースコーとも呼ぶべきですが。)は任期途中に現地所長から評価され活動がしっかり行われていない場合、最悪帰国の可能性もあるという話も聞きました。真実かどうかは知りませんが。
また青年海外協力隊員は定期的に報告書を提出することも義務付けられています。しかしその報告書も厳しいものではなく、数値報告もあるにはありますが、きっちりと決まった評価等がされるわけではありません。
赴任当初はこれらのことを受けて、協力隊はもっと厳しく評価制度を作って、隊員も厳しく活動を評価されるべきだというようなことを思っていました。
しかし2013年10月派遣され、約9ヵ月が経った現在、考え方は変わりました。青年海外協力隊は現地にいるだけで価値があると思うようになってきました。
●協力隊として途上国の田舎に定住するだけでもとても大変
協力隊として現地に入り成果を上げるということがとても難しいことなのです。
例えば企業の駐在員として途上国に入る場合は、とても手厚く待遇されます。給与などはもちろん各種手当であがりますし、住む場所もセキュリティの高い一等地、ドライバーも家政婦もありなんてこともあります。
一方協力隊員の住環境は人によってかわりますが、悪い場合は電気、水道なしなんてこともざらです。道を歩けば「チャンチュン」等とからかわれ、女性であればセクハラをされることもあります。語学も現地の言葉しか通じないなど、単純に日々生活するだけでもとても多くのストレスと労力を要するのです。さらに帰ってからの進路はなにも決まっていない。そんな中で生きて行くのは結構大変です。
その中で活動に費やせるキャパシティというのはどうしても下がります。日本と同じ感覚では絶対に仕事はできません。成果を出すというのはとてもハードルの高いことなのです。
●そこに住み、人と接するだけで価値がある
子どもの時、大人の人と接した記憶って強く残っていたりしませんか?中学生の時に外国の人と接した記憶って未だに思い出せませんか?僕はいまだに思い出します。
現地の田舎の人たちにとっては外国人と接することはとても稀な機会なのです。そのコミュニティに外国人は隊員が一人だけということも珍しくありません。まさに世界を背負う代表なわけです。
そんな外国人と普通に楽しく接する経験を持つだけでも、現地の人には刺激になるはずです。世界を理解するファクターの1つになるはずです。日本の友達がいると思うだけですこし鼻高々になる人もいます。
特別大きな成果や目に見えるものがなくとも、その村に住む、そこで人と接しいるだけでその人たちにとってはかけがえのない経験になるはずです。彼らの生活を豊かにしているはずです。
●日本という国のイメージを良くする
青年海外協力隊事業は税金で運営されています。日本の国益に帰する部分もなければなりません。そういった意味では協力隊事業は日本という国のイメージをよくしています。
マラウイでも日本のことを悪く言う人にはあったことがありません。日本の高品質の製品といったものも日本のイメージを作っているのは間違いありませんが、現場レベルでは協力隊員がイメージの向上に寄与しているのは間違いありません。例えば僕が配属されているNGOで働いているカーメカニックは昔協力隊員から指導を受けたことがあると言っていました。そのNGOの門番の人は高校の時に協力隊員の教師から教わったことがあるということで「おはよう」等と言ってくれます。
これはそこで成果を上げたかどうか、ということではなくて、そこにいて人々を誠実に生活を共にした積み重ねだと思います。それが電気もテレビもネットもない現地の人一人ひとりの中での日本のイメージを形づくっているのだと思います。
その無形資産、ブランドイメージのようなものが国際社会においてかならずじわりじわりと効果を発揮するはずです。いずれ目に見える形になって日本の国益に帰すると信じています。
世界中で頑張って、日々悩みまくっている協力隊員の皆さん、がんばりましょう!
かつろう
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