青年海外協力隊の要請(案件)は数百と多数にのぼります。
今回は応募する案件を選ぶにあたっての僕自身が参考にした基準をご紹介したいと思います。
●職種
要請を選ぶにあたって普通はまず職種を選びます。職種とはコミュニティ開発(旧村落開発普及員)、マーケティング、理数科教師、感染症・エイズ対策、PCインストラクター等の職能区分のことを言います。選んだ職種の中から第三希望まで応募することが出来ます。この希望が通ることはまれで、同職種の別案件に回されることも多いです。
看護師や教師、理学療法士等の専門性を持っている人はその職種を選び、その中で案件を選ぶことが多いです。
僕のように専門性を持っていない場合は職種を横断的に選ぶことになります。つまりコミュニティ開発、マーケティング、PCインストラクター、青少年活動等、特別な資格がなくても応募できる職種を選択肢に入れながら、要請内容を吟味し、職種と要請内容を総合的に考えて選ぶというプロセスを踏むことになります。
特にこのような特別な資格を必要としない職種は要請内容にとても幅があるので、要請内容をしっかりと吟味し応募することが必要となります。
では次に具体的な要請内容の基準を見ていくことにします。
●新規か継続か
要請の区分で新規・継続というものがあります。これは前に協力隊員が派遣されて、その案件を引き継ぐのか、自分がその配属先に全く新規で派遣される隊員となるのかということです。
新規の場合はゼロから自分ですべてを始めるフロンティア精神が鍛えられますが、逆に今まで日本人はおろか外国人がほとんど来たことがない土地に配属されるため困難が発生します。活動の初めはまずボランティアに対しての理解の啓発から始めることになります。
継続の場合は日本人やJICAに対しての認知がある程度はあるはずなのでスムーズに活動が始められるはずです。
困難な中でゼロから始めたいのか、立ち上がりはスムーズにして仕事の成果を出したいのか、協力隊に何を求めるかによって選択は変わると思います。
●地域・国家
アジア・アフリカ・中東・中南米・大洋州などどの地域にするかというのも大きな要素になります。もちろんその中の国家も重要な要素です。単純にアフリカが好きというのも大きな理由になるでしょうし、将来アジアでビジネスを行いたいからアジアに行きたいというのもありだと思います。
将来NGOセクターで開発の仕事がしたいのか、ビジネスセクターでガツガツやりたいのか、今経済発展が著しいアジア・中南米に行きたいのか、これからの発展が望めるアフリカに軸足を置きたいのか、色んな要素を元に地域・国家を選択することになります。
●都市部か田舎か
要請書には任地の情報も記載されます。首都の場合もあれば、首都からまる1日以上かかる奥地の場合もあります。首都などの都市部では比較的生活インフラも整っており、ネット環境も良いはずです。農村部では電気やガス、水道などの生活インフラが不安定、場合によっては無い場合もあります。インターネットも使えないこともあります。
これも協力隊に何を求めるかによります。本当に地元の農村部の人と密着して生活をすることで何かを得たい場合は田舎の案件が良いでしょうし、都市部である程度仕事環境が整った中で途上国と関わりたい場合は都市部が適切だと思われます。
●言語
現地で使用する言語が何かというのも大きな要素です。
がっつりと英語を使えるようにしたいのか、フランス語、スペイン語、ポルトガル語等の第二外国語を習得したいのか、もしくは現地語をマスターしたいのか。将来のプランによっても大きく左右されます。例えば将来は欧米の大学院に行きたいから英語をしっかり出来るようになりたいとか、国連で仕事がしたいので国連公用語を英語以外に習得したいとか、アフリカで仕事がしたいからフランス語を出来るようにしておきたいとか、東アフリカ圏に根を張りたいからスワヒリ語を勉強したいなど、今後どのようなキャリアを積みたいかによって大きく影響される要素でもあります。
●その他
他にもグループ派遣(複数人のJOCVが色んな職種で派遣されて、グループとしてプロジェクトに取り組む形態)かどうかや、NGOに派遣されるのか、国連機関に派遣されるのか、地元の省庁に派遣されるのか等の派遣先というのも考慮すべきポイントになります。
ちなみに僕はアフリカのマラウイ共和国という国にマーケティングという職種でアメリカに本拠を置くPopulation Service International(http://www.psi.org/)という国際NGOに派遣され、英語で仕事を行います。この案件を第一希望に選んだ理由は下記です。
・アフリカで仕事がしたかった。(将来アフリカと携わることで起業をしたい。)
・英語をがっつりと習得したかった。(将来英語圏への留学を検討。)
・都市部のしっかりとした職場で仕事がしたかった。(農村部の時間にルーズなのんびりした活動でビジネスの感覚を失いたくなかった。)
・色んな人種の中で仕事がしたかった。(米系NGOなので欧米人とローカル人がいる。)
・自分の営業というバックグランドが活かせる仕事がしたかった。
これらを満たす案件として上記要請を選びました。人により選択する際の基準は色々とあると思いますが参考にして頂ければ幸いです。
かつろう
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