マラウイで事業をする上で気をつけたい季節性 .147

ビジネスや非営利活動など事業をする上で、季節柄を抜いて考えることは出来ません。例えば日本の旅行業であれば年末年始やゴールデンウィークやお盆といった時期はとても重要な時期になります。他にもクリスマス商戦は小売り業にとっては重要となります。

ではマラウイではどのような季節性を考慮する必要があるのでしょうか。

●乾季、雨季

マラウイでは季節は二つに大別されます。乾季と雨季です。11月?3月の雨季の間に作物を育ててます。灌漑設備等がほとんど整備されていないマラウイでは、1年の収穫は雨季終わりの3?4月にかけてだけというパターンが大半を占めます。収穫物の多くは主食であるメイズ(とうもろこし)になります。

国民の大半が農業に従事しているマラウイではこの1年に1度の収穫はとても大きな意味を持ちます。国民のお財布事情がこのサイクルに依るのです。つまり、収穫前の3月に最もお金がなくて、収穫後の4月に最もお金があるという状況が発生するのです。それを見越した販売戦略が必要になります。

またその年の収穫量によって、その1年間のお金回りも予想することが出来ます。例えば今年(2015年3月の収穫)は例年に比べて落ちると予想されます。何故なら、1:雨季の始まりが遅く、また3月現在の雨量もあまり芳しくないこと。2:1月に発生した大雨による洪水が南部の収穫物を流したこと、の2点があげられます。今年の収穫量が少ないと予想されるので、家庭のお金が切れるのが早いと予想されます。恐らく今年の10月や11月くらいには金欠状態に陥る家庭が多く発生すると予想されます。

この動きをどう読むかということなのですが、第一に考えられるのは各種製品の販売量の低下です。地方の農民向けの一般的な消費財などの販売量は今年の後半には落ちると予想されます。また他の見方をすると、政府やNGOやドナーなどは例年以上に食糧配給などの支援に傾くことが予想されます。食糧調達等を見越した物品の備蓄などが効果的と言えるかもしれません。またメイズ等の値動きを注視することも効果的と言えます。

●たばこの競売

マラウイでは3月にたばこの競売が行われます。このタバコの競売がマラウイにとって最も大きな外貨(ドル)獲得手段になります。この競売の後に起こるのは、マラウイクワチャ高です。たとえば1ドル=470クワチャだったものが1ドル=430?440クワチャ位に落ちたりします。これはマラウイ国内にドルの総量が増えるためです。ビジネスや送金で為替を利用する場合、この値動きは抜かせない要素になります。

ちなみにマラウイでは毎年10%以上、クワチャがdevaluationしています。例えば1ドル400クワチャだったのが、翌年の同じ時期では1ドル450クワチャになったりしています。

●寒期

マラウイでは7月?8月はとても寒い季節になります。ジャンパーやコートなどの上着がなければやり過ごせないくらいに寒いです。以外かもしれませんが、ケニアをはじめとしてアフリカ諸国は時期によってはとてもとても寒くなります。

寒いということに関連した需要がこの時期は高まります。例えば私のいるPSI/Malawiではコンドームの販売を行っているのですが、実はこの7月?8月に販売のピークを迎えます。(もちろん各種要因に影響されて数字上に表れないこともあるのですが、単純な需要としては最も増加すると言えます)。4月の収穫を終えたあとで懐にもまだ余裕があり、そしてとても寒い時期なので人々は比較的出歩かなくて、ひと肌が恋しくなる季節というわけです。

●宗教や選挙といった他要素

また季節とは離れますが、宗教も重要なファクターの1つになると言えます。ムスリムの祭日では山羊の需要が高まるタイミングもあるようです。マラウイの大半はクリスチャンですが、マンゴチ県という地域はヤオ族が中心になり、彼らの多くはムスリムです。地域性、民族性、宗教性も加味して考えるのが効果的と言えます。

他にも大統領選挙の年であればT-shirtや各種プロモーションマテリアルの需要が高まったりすることが予想されます。選挙キャンペーンはだいたい的に行われるからです。

ビジネスであれ、非営利活動であれ、その国独自の事情を考慮し、季節や年単位での戦略の土台とする必要があると言えそうです。

かつろう

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