BOPビジネスの成功事例?ノキアの携帯電話? .98

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BOPビジネスを成功させるためには途上国のニーズに沿った製品やサービスが必須になります。

最も成功しているBOPビジネス製品の1つがノキアの携帯電話だと思います。今マラウイでも使っていますし、インドにいた時も、カンボジアにいた時も使っていました。途上国の現地の人もこの携帯電話を使っている所をよく見ます。シムフリーなので全世界で使われています。

                    【今使っているノキアの携帯電話】

ではどういうところに成功の秘密が隠されているのでしょうか。

●電池の持ちがとても長い

日本の携帯電話やアイフォン等のスマフォは普通毎日充電します。使い込んでくると1日充電が持たないようになることもあります。しかしこのノキアの携帯電話、一回充電すれば優に一週間は使えます。また充電自体も数時間ですぐにチャージ出来ます。今は液晶がカラータイプのものを使っているのですが、以前使っていた白黒タイプのものはさらに電池の持ちが長いです。途上国では家に電気がないこともザラです。ケニアのキベラスラムに行ったときは携帯の充電屋さんがあったりもしました。一回の充電で長く使えるということはとても大切な要素になるのです。

●懐中電灯機能

キー操作の「上」のボタンを二回押すだけで、携帯電話上部がすぐに光ります。途上国では停電することが日常茶飯事です。そんな時にまず欲しいのは明かりです。そのニーズを組み込んだ仕様になっています。また左上のメニューボタンを押してから、左下の「*」ボタンを押すとロックをすぐに掛けられます。ミニバスなどでぎゅうぎゅう詰めになることも多い途上国の生活の中でこのロック機能もとても役に立ちます。

●とっても丈夫

アイフォンを落としたらどうなるでしょうか。

【刃牙刃牙アイフォン】

そう、バキバキです。もう一度言います、バキバキです。先月4Sを落としました。しかも外とかではなく自宅の中で。結構ショックでした。。

このノキアの携帯はちょっとやそっとでは壊れません。落としても全然問題ありません。液晶もプラスチックっぽくて割れにくく出来ています。途上国では道が悪かったり、ごみごみしていたりとものを落とすこともままあります。人によっては何もない家の中で不注意で落とす人もいます。そんな人も安心ですね。

値段も確か1000?2000円くらいでお手頃だったと思います。

実際途上国では農村であっても、みんなといっていいくらいに多くの人が携帯電話を持っています。大人はもちろん、高校生でも結構持っていたりします。通話やメールはそのたびにユニットを購入して携帯電話にチャージして使います。例えば20クワチャ(約5円)や50クワチャ(12.5円)といったとても小さい単位から売っています。小分けにして売るというのはBOPビジネスの基本ですが、途上国では通話やメール使用料のユニットもかなり小分けになっています。食べるものがない、お金がないという割には普通に電話してたりします。衣食住が満たされれば次はコミュニケーションにお金が流れて行っているように感じます。やはりコミュニケーションというのは人にとってとても大切で、生活を豊かにするものなのかなと感じます。

このノキアの携帯電話に決してすごい技術が使われているわけではありません。今から10年以上前の日本の携帯電話の方が高機能で、難しい技術が使われていると思います。体を実際に動かして家族とかで楽しむという発想を持ち成功した「Wii」と画質や機器の性能に拘わり、大衆受けしなくなった「プレイステーション」等でも話に上がることですが、高い技術力を持った製品が必ずしも勝つわけではなく、既存技術であっても発想や視点がきっちりと定まっていれば市場で勝つことは可能なのです。何を持っているかではなくて、持っているものをどう使うかということです。もちろん市場によりますが。

BOPビジネスで成功するためには技術力よりも、いまある技術をいかにしてニーズに適応させるかという方が重要になると感じます。途上国の人は難しいものよりも単純なものを好んだり、高くて高品質なものよりも安くて中品質なものを好んだりすることが多いと思うからです。そう考えれば途上国のBOPビジネスで成功するためには顧客ニーズを把握し、それに合わせて商品コンセプトを作り上げるマーケティングが重要になってくるのではないでしょうか。

かつろう

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“BOPビジネスの成功事例?ノキアの携帯電話? .98” への3件の返信

  1. かつろうさん、こんにちは。
    ニーズ分析を現実化させる。。興味深く読ませてもらいました。
    たしかに、ヨルダンでも韓国製品が出回っており、日本よりも評価が高いんです。
    ついでにいうと、勤務校の女子たちも、韓国俳優にはやたら詳しく、アジア=韓国でした。

    KOICA友達とのかかわりから、韓国と日本の違いは、「物怖じしない」ところだと感じていました。
    英語なんて、そんなにうまくなくても、コミュニケーション能力は高い。
    えいやっと交渉を成立させる。

    さて、今私が関わっている西アフリカの内陸国、
    ブルキナやニジェールはどうなんだろう。
    冬、携帯状況を調べてきますね。

  2. マラウイでもテレビで韓国ドラマと中国ドラマがたまにやってます。日本はからっきしないですが。。。

    日本人は(僕もそうなのですが。。)ついつい、完璧に英語しゃべれないと劣等感を感じて前に出られなかったりしますよね。相手も第二外国語であれば、相手の発音がおかしいことも多いのに、日本人は聞こえない自分を恥じ入るような気がします。

    携帯電話の通信会社は本当に幅を利かせているという感じです。通話やネット通信はもちろんのこと、他にも送金サービスや生命保険など、本当に多岐に渡る活動をしています。テレビのCMもAirtelやTNMという通信会社が過半数を占めてます。

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