タンザニア・ザンジバルの漁師の生活 その2 ?マンガポアンニ紀行と漁師の収入? .40

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さて今回は船員の一人にフォーカスを絞ってタンザニアはザンジバルの漁師さんの生活をご紹介したいと思います。
(前回の記事⇒Vol.39 タンザニア・ザンジバル漁師の生活)

●マンガポアンニ紀行

登場して頂くのはアヴァス。31歳独身。船で一番に絡んできてくれた気さくな海の男。

彼は現在はマリンディ港近くのザンジバルタウンにお母さんたちと住んでいるとのこと。

実家はザンジバルタウンからダラダラという乗り合いバスで4?50分ほどの所にあるマンガポアンニという所で、訪問をさせて頂くことに。

ちなみにダラダラには2種類あります。街の中を走るダラダラと郊外まで長距離を走るダラダラです。街中を走るダラダラは一回300タンザニア・シリングで、長距離を走るダラダラは距離によります。ザンジバルタウンからマンガポアンニであれば1300タンザニア・シリングになります。(1$=約1640タンザニア・シリング)

【ダラダラ。このバスに30人以上がぎゅうぎゅうで乗る。】

沿岸を北に1時間弱移動し、ダラダラを降りて5分ほど歩くと実家に到着。

【アヴァスの実家】

近くにはおじさんの家もありました。

【おじさんの家】

マンガポアンニはザンジバル島が奴隷貿易の拠点のなった際に奴隷を閉じ込めておいた洞窟やチェンバーがあります。他にも第二次世界大戦でイギリス軍がドイツ軍に対抗する為に築いた沿岸の軍事施設等を見ることも出来ます。

【奴隷が収容されていた洞窟】

色々見て回った後は飲み屋へ。しょんべん横丁よろしくのふきっさらしです。ここでビールを頂きました。ちなみにザンジバルはイスラム教徒が95%を締める地域。アヴァスもイスラム教なのですが酒は飲みます。結構お酒飲む人多いです。

【飲み屋 in マンガポアンニ】

このまま農村で彼の家に泊めてもらうことも出来たのですが、風邪で体調がすこぶるよろしくなかったのでこの日はおとなしくザンジバルタウンに帰ることに。残念。

●漁師の収入

さて、では彼の収入は幾らぐらいなのでしょうか。もちろん漁獲量によって実入りも変わります。漁に一緒に行かせてもらった時に見ているとあまり取れなかった時には10000タンザニア・シリングくらい、大目に取れれば数万タンザニア・シリングをもらっているようでした。もちろん全く取れない日もあります。一日の稼ぎを平均して20000タンザニア・シリングと仮定します。

そして一か月の内、一週間は漁が休みになります。そして漁期も週に1日くらいは休みをとるとすると、30日?7日(量が休みの期間)?3日(週に一回の休み×3)と考えれば稼働日は20日となります。

20000タンザニア・シリング×20日で400000タンザニア・シリングが月の収入になります。1$=1640タンザニア・シリングで計算すると243.9$となります。調子がとてもいい時は1000$近くの収入になる月もあるらしいです。

●魚の価格

ちなみに魚の値段ですが例えばある日の船上で販売されるアジのバケツ一杯(150?200匹くらいかと思われる)は40000タンザニア・シリングでした。一匹に換算すると約200?250シリング。

その日の市場でアジは5匹で2000シリングで販売されていました。一匹あたり400シリングになります。

そしてアジのから揚げが屋台では一匹700?1000シリングで販売されています。

基本的には小売り価格は日によってあまり変動が内容でした。しかし船上で取引されるアジの価格はもし漁獲高が多い日であればバケツ一杯で10000タンザニア・シリングにしかならないこともあるようです。取引の上流に近づく方が収入が不安定になるのかもしれません。

●自助グループの共同貯蓄制度

途上国で住民がグループを作ってお金をすこしずつ出し合い、それを貯めて誰かが借りられるという制度を行っているという話を聞きます。誰かが起業をしたりする時や傷病で急にお金が必要になったに時にその中から借りたり出来る仕組みです。

例えば女性蔑視が残っている地域での女性の自助グループ等、そのような自助グループは社会的な弱者が形成したりすることが多いようですが、それだけでなく収益の安定性が少ない職業においても利するところが多い制度のように思われます。

かつろう

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“タンザニア・ザンジバルの漁師の生活 その2 ?マンガポアンニ紀行と漁師の収入? .40” への2件の返信

  1. カツローさん、ジャンボ!

    漁師さんの日常、お仕事、収入、楽しみながら拝読しました。

    去年のTICAD5の会議の中で、
    アフリカの首相(ちょっと誰だったか忘れてしまったのですが、)
    が、一次産品加工の可能性について、語っていました。

    1:
    一次産品の加工は、高い工業力がなくても可能な付加価値創造の手段ですよ。
    2:加工品の製造・輸出促進に貢献⇔アフリカにおける雇
    用創造、産業の高度化にも寄与。
    っていうところで。

    これがうまくいっていたら、もちろん農業、漁業に進展があるはずですよねー。
    うぅむ。
    そもそも、
    やっぱり日本のODAとか援助機関ってアフリカの視点というより、
    上から目線だなぁ。
    なんてことを、カツロウさんのザンジバル日記から感じてしまいました。

    以下は、TICADに関わるタンザニアからの視点をかいたもの。
    よかったらどうぞ。

    「タンザニアの生き物たちと TICAD5を考える」
    http://kazitabonita.blog133.fc2.com/blog-entry-208.html

  2. 1次産品の加工は本当に大切だと思います。
    それが出来ないと経済的なビハインドを背負うことになります。例えばタンザニアでも自国で生産したコーヒー豆を他国に輸出して、他国で加工され高くなったコーヒー製品を買い戻すしかないという状況があったようです。それを解決する手段として国営のコーヒー工場が作られたとか。
    ねえさんが書いてるように輸出促進、つまり外貨獲得にもつながることになるので経済を安定、活性させるもとになると思います。
    ただ規模の経済とか市場が遠いとかのディスアドバンテージがあったりして上手くいってないことが多いようにも思います。

    実際アフリカを援助先と見る時代もそろそろ終焉を迎えつつあると思います。中国のやり方が100%正しいかは別として、投資先としての認識を持つべきだと思います。そして投資してビジネスを起こす為には、その地に入り込んでまさにグンビの煩わしさ(笑)を共有することが大切だと思います。

    ほんとかどうかは知らないですがグンビはアリというよりもGに近い種族らしいです。。。

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