マラウイにボディソープが売っていない理由とボディソープの販売戦略 .134

●マラウイでボディソープがあまり売っていない理由

マラウイではボディソープがあまり売っていません。ボディローションなんかはお店にいつもかなりたくさんの在庫があるのですが。日本でボディソープを使っていた僕としては少し不便にに感じたりしています。

では何故ボディソープがあまり売っていないのでしょうか。

それは「石鹸」が価格や用途の観点から、ものすごい幅をきかせているから、そして体を洗うということに対する意識や時間の感覚が日本人と違うからです。

・石鹸の方がボディソープに比べて格段に安い

石鹸はボディソープに比べてとても安いです。安いものだと200MK(約50円)くらいからあり、ラックスの石鹸でも400MK(約100円)くらいであります。対してボディソープは安いものでも1500?2000MKくらいしたと思います。ラックス等しっかりしたブランドのものを買えばもっと値がはります。そしてボディソープと石鹸だと、石鹸の方が長持ちすると思います。使う量にもよりますが、ボディソープは石鹸に比べるとすぐなくなってしまいます。

 

・石鹸の多様な使用

日本であれば石鹸は手や顔、体などを洗うためのものという認識だと思います。しかしマラウイ人は石鹸をもっと色んなことに使うのです。例えば頭を洗うのも石鹸(これは髪質という人種の違いも関連しています)、それのみならず、衣類の洗濯をするのも、食器を洗うのも石鹸でするようです。このような多様な用途で石鹸は用いられるのです。体を洗うだけのボディソープに比べれば色んな所で便益を発揮する石鹸が好まれるということです。

・体をゴシゴシ洗うという感覚が少ない

そして日本人とマラウイ人の体を洗うということに関しての認識の違いも存在します。日本人はきっちりとボディソープや石鹸を使って体のアカをしっかりと洗い落とすという感覚を持っていますが、マラウイ人はシャワーは汗を洗い流す程度の位置づけという意見をマラウイ人から聞いたことがあります。そのような場合であれば軽く石鹸でさっと流す程度の方がボディソープできっちり流すよりも適していると思います。

・時間に緩い

日本では基本的に僕はボディソープで体を洗っていました。石鹸でなくてボディソープを使っていた理由は時間です。ボディソープの方が石鹸に比べて泡立たせるまでに時間がかからないから使っていました。そういった意味ではマラウイでは朝の数分の時間を短縮したくて、朝シャワーの時間を少しでも短くするために石鹸よりもボディソープを使うという感覚はほとんどの人が持っていないと思います。数分の遅刻なんて全く気にしないのがマラウイ人です。良くも悪くも。この時間にパンクチュアルでないという文化背景も絡んできていると思います。

●マラウイでボディソープの販売を考えてみる

では上記のような条件があったとして、しかしマラウイでボディソープ市場に参入するとしたらどのような戦略で打って出るのがよいのでしょうか。4Pフレームワークを使って考えたいと思います。

・Price

まずターゲットですが、中流?富裕層を狙うべきだと思います。低所得層を狙った場合石鹸の価格や便益の広さに対して勝つことはかなり難しいと考えるからです。またこの中流?富裕層を狙う場合であれば海外からの外国人滞在者(エクスパッド)を狙うことも出来ると思います。いずれにせよ価格帯は高めの設定になります。

・Place

チャネルに関しては一般消費者への流通以外に、ホテルやロッジなどへの販路開拓も有効だと考えます。石鹸は一泊する一人の客に対しても1つ出さないといけません。1日だと少ししか使えないですがそれでも新しいものにしなければいけません。ボディソープのであれば容器の大きさを調整して小分けすることが出来るので無駄な分を省くことが出来ます。それを考えるとボディソープの方が割安になるはずです。

・Promotion

販促に関してはサロン(美容室)を活用する方法が有効と考えます。マラウイの女性は髪の毛にとても気を使います。毎週のように新しい髪形にしてくる人も多いです。マラウイの場合、髪の毛にウィッグをつけることで自由な髪型、自由な色にすることが出来るので本当に多種多様な印象になります。初めの頃は髪型をすぐに変えるので同僚の顔を覚えるのが大変でした。笑

このような背景があり、女性はよくサロンに出かけます。そのようなサロンでボディソープを販促することは有効な手段だと言えます。実際消費財の購入は女性が行っていることも多いので彼女らを説得出来ればその世帯(夫や子供も含めて)に対しての販売を確立することに繋がります。

余談ですが今のいるNGOでは女性用のコンドームをこのサロンに販売したりしています。女性へのアプローチは国際協力の1つの大切なファクターで、女性が時間を使って溜まる場所という意味でサロンは有効な啓発、販売の場であるといえます。

・Product

どのような製品にすべきかは正直ちょっとわかりません。。。健康志向が良いのか、美容志向がいいのか、匂いはどうすべきなのか、そういった要素は詳細なリサーチに基づかなければなりません。現状の僕の知見ではこの分野の製品に関してあまり確かなことは言えないです。。。ただホテルなどを対象にした商品であれば業務量で大容量のものを提供しても良いと思います。

途上国の市場を考える際はまずは詳細なリサーチによって消費者の行動や意識の違い、文化的な背景が与える影響をしっかりと捉え、考えることが大切だと言えます。そしてそれを前提として3Cや4P等マーケティング戦略を練ることが必要です。

かつろう

“マラウイにボディソープが売っていない理由とボディソープの販売戦略 .134” への2件の返信

  1. カツカツさん、こんにちは。
    セネガルから戻ってきました。西アフリカはエボラ流行を防ぐため、
    セネガル保健省も本気で手洗い敢行を促しています。
    ポスター、ラジオ、テレビ・・・あらゆるところで。

    セネガル人の食事前の手洗いは、かなり丁寧です。
    ハンドソープのあとは、なにかクリームもぬっていました。
    不謹慎ですが、エボラ出血熱やノロなどの感染症対策で、国民の意識が
    ぐ??っと上がるのだとちょっと驚いています。

  2. ご無沙汰しております!

    確かにこれを機にサニテーション関係の病気などが一気に減りそうですね。手洗いは基本ですけれど最も費用対効果のある施策なので広まってくれれば相当良いと思います。

    セネガルが大きな感染等に見舞われずに済んだのも政府のそういったキャンペーンが功を奏したのでしょうか。Anyway, 無事にご帰国、何よりです!

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