青年海外協力隊員が派遣中にやっておいた方が良い3つのこと .135

私が青年海外協力隊として2013年9月にマラウイン派遣されて1年と少しが経ちました。取りあえず現時点で派遣中にこれはやっといた方が良いと思うことを書いておきたいと思います。

基本的に目の前の活動に全力投球するというのが前提になります。その上で色々とやっておいた方が良いことを伝えたいと思います。

 

●語学を磨く

語学力を磨くこと、これは絶対にやっておいた方が良いです。英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、中国語といった世界で多くの人に使用されている言語を使っての仕事をする場合はこの言語を徹底的に鍛え上げるべきです。また現地語を使っての活動がメインの場合では現地をしっかりと学習しておいた方が良いです。現地語は細い(使用地域や用途が限られる)場合が多いですが逆に言えばそれだけ使える日本人も少ないということになります。

語学は意識的に勉強しないと伸びないと個人的に考えています。配属先でなんとなく英語を使っているという状況ではある程度は伸びるでしょうが、大した成長は望めません。配属先での使用に加えて個人での学習をすべきです。現地語の場合でも地元の人とコミュニケーションをとり単語帳を作ったりすれば自己学習は可能だと思います。また余裕があれば現地語+英語やフランス語等をやっておくのもとても有効だと思います。

協力隊として海外で2年間を終えて日本に帰ってTOEICを受けても大して点数が上がっていないという話をよく聞きます。せっかく海外で2年間住むわけですから語学に関しては自分の強みにしておくべきだと思います。

勉強は目標がないと続きません。そこでおすすめなのがTOEFL等語学試験(TOEICは国際的にみて評価されてるとは言えませんし、何よりも現地で受けられないと思います。)を定期的に受験することです。明確に目標となるべきものを設定してそのために勉強をするのが効率的だと思います。もちろん試験は所詮試験なので、本質的な語学力とはならないこともあります。なので試験の勉強もしながら「活きた」語学を勉強するということが必要だと思います。

●専門性を築く

専門性を磨くこと、これも語学と同じくらい重要になります。看護師や感染症対策など医療系の職種であれば医療関係、青少年活動や教師系の学校職種であれば教育関係、そういった専門的な知識やフレームワーク、スキルなどを本を読んだり資料をあさったりして学術的に勉強をして、その上で実際の活動に応用するということをすべきです。

僕自身は医療系のNGOでマーケティングの仕事をしています。医療関係に関しては医療従事者にはもちろんかないませんが、それでもHIV、マラリア、リプロダクティブヘルス、サニテーション等幅広い文献や資料やニュースに目を通しています。そしてマーケティングに関してもネットで情報を検索したり、詳しい人に聞いたりするなどしてリサーチや製品開発、ブランディングといった各種の理論を勉強してその上で現状に合うようにカスタマイズして応用しています。国際協力分野での医療系の知識や途上国でのマーケティングといったものに関しては自分の強みであると言うことができます。もちろんまだまだ経験は浅いですが、それでも日々研鑽しています。

では例えばコミュニティ開発の職種の人はどうしたら良いのかという疑問が出てくると思います。そういった場合でも色々と勉強出来る分野はあります。例えば“行動変容”(Behavior Change)であったり参加型(participatory)のコミュニティ開発といった分野であれば資料や実例や理論はたくさん出てきます。ただたんに目の前の課題に取り組むのでなくて一旦引いた視点で勉強すること、まずはこれがとても大事だと思います。体系立てて考えて実践することが出来ればそれは立派な専門性です。住民の収益向上であればマーケティング分野の専門性を身に着けるべきでしょうし、農業と絡むものであれば農業の専門性を身に着けるべきです。

いずれにせよ仕事と関連する分野での専門性を身に着けて実践するということを行わないと帰った時に何も身についていないということになります。

●次のステップへの準備

青年海外協力隊は2年間の任期です。2年たって日本に帰ってから次の就職先を探しますか?それでは遅すぎます。派遣された瞬間、というか派遣される前から次のステップを意識しないといけません。2年というように期間が限定されているわけですから次を常に考るべきです。そして国際協力の応募や大学院の応募は時間がかかります。協力隊でさえ応募してから実際に派遣されるまで1年間くらいのブランクが空くことが普通です。大学院も次年度の応募は1年前くらいから始まってたりします。民間企業への就職であったとしても帰ってから受け始めるのでは遅いと思います。事前に情報をリサーチしてそのために必要な資質を揃え、帰る前からしっかりと準備をしたりコンタクトをとっておく必要があります。

こういったことをしないと帰ってから、困ります。日本に帰って、無職で本当に何もない状態に陥ってしまいます。もちろん2年間頑張ったわけですから休みたい気持ちもあるでしょう。この無職の状態でまずいのが、目の前の選択肢に飛びついてしまう可能性があがるということです。つまり本当にやりたいことでなくとも、本当に自分の将来に繋がることでなくとも取りあえず無職を脱出でいるからと安易に選択をしてしまうということです。つまり選択に余裕がなくなるということです。

これを避けるためには次にどうしたいか、その為には今なにをしておくべきなのかということを2年間考え続ける必要があります。青年海外協力隊として派遣された瞬間からもうすでに次のステップへの準備は始まっているのです。

そうはいっても先の事ばっかり考えるよりも、目の前のことをしっかりとやるべきなんじゃないかと思われるかもしれませんが、僕はこの2つは相反する、2者択一の要素であるとは思っていません。将来のことを考えるからこそに今目の前の事にも方向性を持って取り組めると思っています。語学を勉強すること、専門性を磨くこと、次のステップへの準備をすることは必ず今の自分の目の前の活動にも生きてくるはずです。

途上国で生活するのはそれだけでも大変です。上手くいかず、予想外のことの連続だと思います。けれどもそれを言い訳にせずに日々将来を見据えて精進していきたい、僕はそう思います。せっかく大変な2年間を過ごすわけですから、自分の、そして世界の将来に最大限に活かしたいなと。

派遣1年が経過し、仕事も勉強も中だるみ的な感じになって来ている自分への戒めとしてここに書き置きたいと思います。

かつろう

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