携帯電話を使った保健向上キャンペーンの事例「マラウイの3-2-1キャンペーン」 .136

●3-2-1キャンペーン

私が所属するPSI/Malawiで新たな取り組みが始まったのでご紹介いたします。

3-2-1と呼ばれるこのキャンペーンは通信大手Airtel Malawiとのパートナーシップの元で展開されています。携帯電話から*321#を発信するとメッセージが帰ってきます。そのメールにそって自分の知りたい保健の知識を選択します。例えばHIVについてであったり、リプロダクティブヘルスについてであったりです。何度か選択していき、最終的に知りたい保健の知識をテキストメッセージで見ることが出来ます。毎月4回までの使用は無料で5回目以降は料金が発生するという仕組みです。

このキャンペーンはマラウイだけではなく他国でもAirtelによって展開されているようです。このサイト(http://hni.org/what-we-do/mobile-search-engines/3-2-1-service/)ではマダガスカルの導入事例が述べられています。マダガスカルの場合はテキストだけでなく音声での説明も流すことが出来るようです。これは識字能力がない人向けです。ただ今回マラウイでの実施に当たっては、携帯電話を持っている人多くの人は簡単な現地語であればある程度は識字能力があるという前提のもとテキストメッセージのみとなっています。

この仕組みは企業側のAirtelとしては収益と社会性の双方を備えた取り組みであると言えます。4回までの無料分に関しては社会性を重視した取り組みですが、5回目以降が有料になるというのは収益性を持った取り組みであると言えます。実際テキストを読んでみて役に立つと感じた人の中には4回を越えてサービスを利用する人もいるだろうと思います。このような収益を社会性を両立することは持続可能性を保つ上で大切だと言えます。

●携帯電話の有効性

モザンビークでMovercado(http://enter.movercado.org/)という保健医療サービスでも携帯電話が重要な役割を果たします。登録した母親に対して携帯電話のSMSで保健医療の情報を送ったり、医療サービスや製品を購入できるバウチャーを携帯電話経由で無料配布したりしています。

マラウイをはじめとした途上国でも携帯電話の普及率がとても高いと言えます。衣食住に続く優先事項の高い生活要件がコミュニケーションだと思います。携帯電話を使用する際はユニットと呼ばれるプリペイドカードを買うのですが、農村部でもいたるところでこのユニットは売られています。

この携帯電話はマスにアプローチする最も有効なチャネルの1つと言えます。日本であればTVや新聞、ネットなどが有効な手段ですが、マラウイではこれらは農村部に住む一般的なマラウイ人へのアプローチ手法としては効力を発揮しません。ラジオと携帯電話、この2つが有効なマスアプローチと言えます。企業の宣伝・広報活動やNGOの啓発活動のどちらにせよ有効なチャネルと言えます。

かつろう

 

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