先週の金曜日アフリカビジネスカンファレンス(http://www.lbsabc.com.ng/)に参加してきた。同カンファレンスは僕が通っているラゴスビジネススクールが毎年主催しているイベントだ。MBAの学生が中心となって企画運営を行う。リンクを張ったウェブサイトもクラスメートが作ったものだ。直前は授業中にPHPの内職をしたりしており、皆結構頑張っていた。参加企業や、参加者とのネットワーク構築や、学生同士のチームワーク向上にも繋がるのでMBAでこういったイベントを企画するのは面白いなーと。
南アフリカのケープタウンでUberが便利過ぎる!~Uberがアフリカで流行る理由~ .159
皆さんはUber(ウーバー)というサービスをご存知でしょうか。個人の車で、タクシーのように人を乗せることが出来るサービスです。よくシェアリングエコノミーなどの文脈で、Air bnb等と共に語られることが多いです。南アフリカのケープタウンに住むようになってからかなりの頻度でこのUberを使っています。物凄く便利です。こちらに来てから従来のタクシーはまだ一度も利用していません。ケープタウンでタクシー使うのなら絶対にUberがおすすめです。
今回はこのUberのサービス概要とその背景について書きたいと思います。
南アフリカのケープタウン大学MBA合格! .152
(ツイッター@ka26oo)
南アフリカのケープタウン大学MBA(アフリカで一番のMBA!たぶん。)から合格通知を貰いました!2016年の1月から1年間通います。昨年の9月にキャンパスを訪れてから約1年かけて受験しました。今回はケープタウン大学MBAの基礎情報や合格に至るまでの流れをご紹介します。
マラウイで事業をする上で気をつけたい季節性 .147
ビジネスや非営利活動など事業をする上で、季節柄を抜いて考えることは出来ません。例えば日本の旅行業であれば年末年始やゴールデンウィークやお盆といった時期はとても重要な時期になります。他にもクリスマス商戦は小売り業にとっては重要となります。
ではマラウイではどのような季節性を考慮する必要があるのでしょうか。
マラウイの警備サービスと中級労働力確保の必要性 .137
●マラウイでの警備ニーズ
マラウイを始めとする途上国では警備という仕事が結構普及していますhttp://www.nyasatimes.com/2014/02/26/malawi-raise-minimum-wage-by-74-percent。先進国に比べて治安が良くないので、会社や個人宅でも警備員(ウォッチマン)を雇うことが多いです。特に外国人がいるような組織や、外国人の自宅では基本的に雇います。青年海外協力隊員も事務所の経費で警備員を雇うことができます。個人契約で彼らを雇う場合の給与は確か月に35000クワチャ(約7000-8000円くらい)程度だったと思います。労働時間が長いので月にこのくらい行きます。ちなみに最低賃金は2014年の2月に上がって日給551クワチャ(約百二十円円)となりました。
マラウイにボディソープが売っていない理由とボディソープの販売戦略 .134
●マラウイでボディソープがあまり売っていない理由
マラウイではボディソープがあまり売っていません。ボディローションなんかはお店にいつもかなりたくさんの在庫があるのですが。日本でボディソープを使っていた僕としては少し不便にに感じたりしています。
では何故ボディソープがあまり売っていないのでしょうか。
途上国の営業研修その3「新規顧客開拓」 .126
途上国の携帯電話インフラの重要性 .114
●携帯電話通信事業は途上国で成功している最も成功しているBOPビジネス
携帯電話通信事業はマラウイでも最も成功している事業の1つです。
個人的には途上国で最も成功しているBOPビジネスは携帯電話通信事業ではないかと考えています。マラウイでも農村部であっても携帯の普及率はかなり高いです。大人だけでなく中高生も持っていたりします。
AIDA、ビジネスフレームワークの国際協力への応用 .113
【カテゴリ別ブログ記事一覧】
●AIDAとは
今回はビジネスフレームワークの1つであるAIDAの国際協力業界への応用について書きたいと思います。私自身、一応マーケティングという職種で派遣されているのでたまにはビジネスよりのことも書きたいと。
◆男性用コンドームへの応用
◆女性用コンドームへの応用
●様々なビジネスフレームワーク応用の可能性
コーラに学ぶ途上国マーケティング?おススメTED「NPOがコーラから学べること」? .103
今回ご紹介するTEDはマイクロソフトの創業者ビル・ゲイツの奥さん、メリンダ・ゲイツさんのスピーチです。二人はビル&メリンダゲイツファンデーション(http://www.gatesfoundation.org/)を創り活動されています。積極手に途上国の問題解決に貢献しています。投資家として名高いバフェットが300億ドルの寄付をゲイツ財団に表明したことでも話題になりました。
彼女は途上国へ行く中で、どこにでもあるものに驚かされます。そう、コカ・コーラです。僕自身も色んな途上国を見て回りましたが、本当にどこにでもありました。そして価格も水よりも安いことも結構ありました。
コーラは世界で、毎日15億本提供されているとのことです。毎日、です。
彼女はこのコーラの行き渡り具合を、コンドームや医療品などパブリックセクターの製品やサービスに応用すべきだと言います。
そしてコーラがこれだけ途上国で成功出来ている要因を3つに分解しています。
●リアルタイムデータ
コーラは売り上げのデータを即座に収集、分析することで売り上げの低下などの問題があった場合にすぐにそれを修正することが出来ます。
多くのNPOの活動は現状ではそれとは真逆で、即座にデータを反映させるような仕組みにはなっていません。NGOの多くは助成金(グラント)によって運営されています。例えばNGOからプロポーザルが提出された後、NGOとドナーは2年間のプロジェクトの合意を結びます。2年間で2億円をかけて、ある地域でHTC(HIV Testing and Counseling:エイズ検査のこと)とコンドームの配布を行うというような合意です。途中での振り返りはあるにはありますが、基本的にこの計画の大枠は2年間変更されません。プロジェクトが終わってから成果指標の変化を見るのです。例えばプロジェクト地域においてエイズ感染率が始める前のベースラインと比べて何パーセント低下したか、HTCに行った人の割合はどれくらい増えたか等です。
メリンダはこのNGOのプロジェクトの仕組みを、暗闇でボーリングをするみたいだと例え話をあげています。結果はライトを付けてから(プロジェクトが終わって評価してみて)しかわからないということです。
リアルタイムでのデータの収集と分析、それに応じた修正が必要だと言っています。企業であれば当たり前のことが、非営利業界ではそのプロジェクトという仕事の仕組みのせいで、行われていないのです。
もちろん自前の寄付会費やビジネス収益などでのプロジェクト運営であれば自由に小回りを利かせてプロジェクトを運営することは可能になるのでしょうが。
●ローカル起業家の活用
コーラは農村部にまで製品を流通させるために地元のローカル起業家を育成しています。彼らに少額のローンを与えて、製品を売り、そのローカルの人が農村部まで製品を運んで売るのです。
これは途上国ならではの必要性から生じています。日本やアメリカといった先進国であれば大型トラックでの配送を行うことが時間的にもコスト的にも最も効率的です。しかし途上国ではもちろんこの戦法は通じません。農村部にはしっかりとした道がないのです。しかし農村のお店、グロッサリーには色んな製品がおいていたりします。これはこのグロッサリーのオーナーが都心部まで出かけて行って製品を購入して、帰って売るからです。このシステムと同じように、ローカルの人にコーラを買って運んで売ってもらうという仕組みをコーラは達成しているのです。ちなみにウガンダやタンザニアではこのローカル商人による販売がコーラの全体の販売の90%を越えているとのことです。
これに近い非営利活動の例として2003年に導入されたエチオピアのヘルス・エクステンション・プログラムがあげられています。35000人のヘルス・エクステンション・ウォーカーを訓練して、農村部などでも簡単な医療が受けられるようにしたのです。途上国ではヘルス・センター等の施設までのアクセスが悪いことが少なくありません。その問題を解決し、村々で治療を受けられるようにしたのがこの制度なのです。その結果として、エチオピアでは2000年?2008年の間で子供の死亡数(Child mortality number)が25%も下がったとのこと。
実はマラウイにもこれに似た仕組みがあります。各村々にHSA(Health Surveillance Assistant)と呼ばれる人が配置されています。各村の人を教育してボランティアベースでHSAになってもらうのです。彼らから受ける治療はもちろん無料です。しかし実際機能しきっていない部分もあります。かなり多くの人数を一人が担当しなければならなかったり、ボランティアベースなので活動のモチベーションがあがらなかったりするようです。彼らの有効性ももちろんないわけではありません。医療行為以外にも村に調査にいったりするときは村長さんの許可のもと、HSAにコンタクトをとって住民に聞き取りを行ったりします。そういう際は彼らはアローワンスと呼ばれる手当をもらえたりするのでボランティアベースではあるのですが、実益もあったりします。有給なのか、ボランティアベースなのか等エチオピアの事例を深く学べばマラウイに応用できるような気もします。
●マーケティング
コーラが成功している最も大きな理由は、「人がコーラを欲している」からだとメリンダは言います。コーラはいかに人に商品を欲してもらうかというマーケティング・キャンペーンがとても上手だと言います。その一つの例として「Wavin’ Flag」という南アフリカ・ワールドカップのテーマ曲の詩を挙げています。ウォーウォーウォーウォウォ、ウォウォウォウォ、ウォーウォーウォーウォウォというやつです。18の国の言語に訳され、17の国のヒットチャートで1位を獲得したらしいです。
どうすれば人々がその製品やサービスを欲するようになるのか、ということを考えてキャンペーンを展開することはNGO等非営利での活動にも大切なことだと言っています。例としてはインドでのトイレ設置キャンペーンを挙げています。トイレを設置してそれを使用することは衛生面からとても大切なことなのです。どうすれば、トイレを設置し、そして使うようにすることが出来るのでしょうか。
インドのある地域の女性が結束して、トイレのない家にはお嫁にいかないと示し併せて、それが新聞にも取り上げられて大きな話題を呼んだという事例が取り上げられています。男性はもちろんトイレの設置を渇望します。結婚するために。
いかにして人々にその製品やサービスを渇望させるかということがマーケティングの重要な視点だと彼女は述べています。
残念ながら動画は途中で終わっているのですが、上記からだけでも十分に彼女の言いたいエッセンスを抽出することは出来ます。
営利と非営利のクロスが途上国でこれからもっともっと大切になってきそうです。
●がしかし、実際に適応するのはなかなか難しい
実際マラウイで製品のマーケティングを行っているとこれらの要素がとても大切だということを強く感じます。私が青年海外協力隊として派遣されているPSI(Population Service International)はコンドームやORS、蚊帳といった保健系製品の販売も行っています。
第一にリアルタイムデータですが、PSIはベースがNGOなのでやはり販売管理も強いとはいえません。以前日本の企業で営業マンをしていましたがその時は日々進捗率を確認して詰められていました。それに比べるとかなり販売数字に関して組織体質的にそもそもの関心が低い部分があります。製品販売以外にも啓発プログラムなど様々な事を行っているのがその背景にはありますが。
第二に流通チャネルは本当に悩みどころです。私が担当している製品はかつては助成金がついており、安価で販売出来ていました。しかし、助成がなくなり価格を挙げざるをえなくなり、販売数が落ちました。問題の一つはこの価格なのです。しかしこの販売価格にはネガティブの比例があります。農村部に行けばいくほど、販売価格が上がるのです。大規模な卸売に売り、卸売りは都市の小売に売ります。そして都市の小売りまで農村部の商店から買いに来て、村に持ち帰る売るのです。つまり中間マージンが多くなり、都市部では100クワチャ(約25円)前後で売られている製品が、下手をすると200クワチャ(約50円)まで上がってしまうのです。農村部の人の方が収入が少ないのですが、彼らの方が負担するコストが高くなってしまうのです。所謂BOPペナルティ(BOPペナルティーとはなにか Vol.50)です。農村部の人に購入して使ってほしいのですが、価格が高くなってしまって難しいという問題があります。
第三に製品を強く欲しいと思ってもらえるかです。お金を持てばまずは食糧、携帯電話のユニット等に消えていくのが現状です。その中で優先順位が低い保健衛生製品を強く渇望してもらうというのはなかなか難しい部分があります。コーラ等、嗜好品とは需要喚起の仕方を変えていかなければならないのだと感じています。
重要だけれども、それを適応する段で色々と悩んでいるというのが正直な私の現実です。
最高なキャンペーンで需要を喚起して、チャネルを改造して、日々のデータをベースにした行動をする組織体質に作り変える。なかなか大変です。うーん。。
かつろう
◆併せて読みたい記事◆
Vol.67 おススメTED その2後編?HIVの感染率と輸出量の関係?Vol.66 おススメTED その2前編?アフリカでHIVが減らない理由?Vol.53 おススメTED紹介 その1?アフリカへの投資?
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