途上国で売り上げアップ!商品陳列・展示の営業研修 .76

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さて今回のブログでは先日実施した研修内容をお伝えしたいと思います。

まずは背景を少し。
私は現在PSI(ポピュレーション・サービス・インターナショナル)というアメリカに本部のあるNGOのマラウイ支部に青年海外協力隊として派遣されています。職種はマーケティングで、簡単に言うと調査・広報・営業等を通じて販売促進をする仕事です。

PSIはマラウイをはじめとする途上国で、コンドームや蚊帳といった製品の無料配布を行うだけでなく、販売も行っています。購買力がある人ターゲットとしている製品もあれば、助成金によって農村部の住民でも手の届く価格で提供をしている場合もあります。

その製品を販売する為に店舗を回るセールスマンがいます。今回はそのセールスマンに対して商品展示の研修を行いました。どこに自分の製品が置かれれば売り上げが上がるのかを理解してもらい、店舗に提案できるようになるのが第一の目的です。

途上国での営業の研修、商品展示・陳列の研修等に興味がある方の参考になればと思います。

●営業研修概要

【実施した国】 アフリカはマラウイ
【テーマ】    商品の展示・陳列方法
【対象】     店舗を回る営業マン、約10人
【実施時間】  2?3時間程

●営業研修詳細

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★導入

  • テーマと目的の説明
    • テーマはディスプレイ、商品展示。どこに、なにを、どのようにすれば売れるのかについて。
    • 研修目的は、展示の基礎知識を身に着けること。そしてそれを使って自分の製品を良い場所に置いてもらうように店舗のオーナーを説得出来ること。最終的にそれが売り上げアップに繋がること。
  • セオリーはただのセオリー
    • 適切な商品展示は条件で変化しやすい。文化、ターゲットの顧客、地域、時期などに影響を受ける。セオリーはあくまでもセオリーでしかないので基礎知識を元に適切に応用することが大切。
  • ディスプレイの重要性
    • 顧客は二つに分けることが出来る。店に入ってから買う商品を決める人と、入る前から買う商品を決めている人。
    • 商品によっても変わるが、一般的には70:30とか80:20で店に入ってから買う商品を決める人が多い。
    • その顧客に売るためには、まずは商品をあるということを認知してもらうこと、そしてその商品を買いたいと思わせることが大切。その2つを達成することがディスプレイの役割。

★本論

※各種陳列手法に関しては下記参考リンクや、ネット検索で詳細を調べて下さい。ここではトレーニングのの流れを中心に書きます。

  • エンド陳列、入口陳列、レジ横陳列

(エンド陳列:商品棚の端側面に陳列すること。)

    • まずはお店の見取り図を渡す。
    • そこに自社製品を自由に書き込んでもらう。理由も考えてもらう。
    • 3?5分で完成したら、発表してもらう。
    • 商品陳列に絶対はないのでどの意見も正しいと伝える。
    • その上でセオリーを紹介する。
    • エンド陳列
      • 商品棚の端は目に付きやすいのでいいポイントの1つと言われている。
    • 入口陳列
      • 入口付近も目に入りやすい。全ての顧客は入口を通るので接点が一番多い場所。
    • レジ横陳列
      • レジ横は目に付きやすい。
  • デッドスペース

(デッドスペース:顧客からの死角であったり、視認されにくい場所)

    • まず製品を部屋の角におく。実際の店舗を想定して、角に展示されている商品とする
    • それに対して良いのか悪いのかを考えてもらい意見をもらう。
    • デッドスペースの概念を紹介する。
    • 人は弧を描くように角を曲がるので、角はデッドスペースであることが多い。
    • では自社の製品が角のデッドスペースに配置されていた場合、どのようにオーナーに語りかけて問題を解決すれば良いかを考えて意見をもらう。
    • 場所を移してもらうのが一番いいが、さらに、もし場所を移して貰えない場合はどうするかを考えてもらう。
    • 答えとして角をつぶす方法を紹介する。角に棚を配置することによって直角の角でなくて、緩やかなカーブを描くような角にする。
  • ゴールデンゾーン

(ゴールデンゾーン:棚の高さの内、最も目に付きやすい場所)

    • 実際の商品が店で陳列されている写真を見せる。この写真では展示商品が上過ぎたり、下過ぎたりと悪い場所に配置されているのを使用する。
    • この商品展示の改善点を考えて発表してもらう。
    • ゴールデンゾーンの概念を紹介する。併せて、陳列可能範囲、ショーイングゾーン、ストックゾーンの概念も紹介する。
  • 量感陳列
     (量感陳列:大量に陳列することで顧客に訴求する方法)
    • トマトが陳列されている写真を2種類見せる。1つはたくさんのトマトが陳列されている写真、もう一つは少ないトマトが陳列されている写真。
    • どちらのトマトを買いたくなるかを考えてもらう。
    • 沢山有る方が、認知されやすいし、また認知した後も買いたくなりやすい。
  • 手に取り、試す
     (触ったり、試着したりすると顧客は購買意欲が高まる)
    • カウンター越しに自社商品が展示されている写真を見せる。その問題点を考えてもらう。
    • 答えとして、人は商品を手に取り、また実際に試してみた方が購買意欲が高まると言うのを説明する。
  • フェイス効果
     (フェイス効果:2つ意味がある。1つは商品の前面を見えるように設置する原則。
     もう1つは同じ商品を並べる際、3?5個は横並びに置いた方が購買意欲を高めるとうい原理。)
    • 商品が2つならんでいる陳列写真を見せる。それの問題点を考えてもらう。
    • 3?5のフェイスを並べた方が購買意欲が高まることを説明する。
    • 実際の写真で2フェイスの場合と5フェイスの場合との違いを提示して実感してもらう。
  • 関連商品、人気商品
     (関連商品、人気商品の近くに置くと当該商品も目に付きやすいということ)
    • 店舗で売っている一般的な商品を適当にいくつか並べる。その中に関連性の高い商品を一つだけ入れておく。(実際の商品がない場合は商品のコピー等でも代替可能。)
    • 自社製品をどの製品の近くに設置するのが最も効果的かを考えて、実際に自社商品をその中に設置してもらう。
    • 関連性の高い商品の近くだと、購買をしてもらう可能性が高まることを伝える。
    • 次に違う商品群を設置する。その中に人気がとてもある商品を一つ入れておく。
    • どの製品の近くに設置するのが最も効果的かを考えて、実際に自社商品をその中に設置してもらう。
    • 人気の高い商品はお客がたくさんくるので、その近くだと見てもらいやすくなると答えを言う。
  • まとめと実践
    • 今までやってきた各種効果やセオリーをまとめる。
    • 実際に商品が陳列されている写真を提示して、まとめとして、今日習ったことを使ってこの写真の良い点と悪い点、改善方法を提示してもらう。グループに分かれて考えてもらいそれぞれ発表してもらう。

★終わりに

  • 宿題
    • 宿題として、シートを渡す。
    • そのシートには、店舗とその店舗のある地域、その店舗における自社商品の展示の問題点、そしてその改善方法の欄がある。
    • それに次回以降営業訪問する時に書き込んでもらう。
    • 実際の店舗で今日学んだことを活かすということを意識づけする為にシートを渡す。
  • アンケート
    • アンケート内容。今回の研修内容の満足度、その理由、時間が適切だったか、その理由、今後の研修で取り上げて欲しいテーマ、そしてフリーコメント。
私自身かつて営業の仕事はしていたのですが、工場や研究所に機械部品を売りにいっていたので店舗での陳列や展示についての知識はあまり持っていませんでした。
色んな人に教えてもらい、この研修を完了することが出来ました。お知恵をかして頂きました皆様、本当に有難うございました。
さてこのブログを書いた目的は知識の共有にあります。青年海外協力隊であるにしろないにしろ、途上国などで商品展示の研修に関してお困りの人の役に立てれば幸いです。
必要であれば当日使ったパワーポイントや各種シートなどをお渡し致しますので、この投稿にコメントをして頂ければと思います。
よろしくお願いいたします。

(参考リンク)

棚の法則、売り場の原則

http://www.kosuke-ogawa.com/?eid=861

シェルフスペースマネジメント
https://messe.nikkei.co.jp/rt/i/column/bible/30278.html

商品陳列方法パーフェクトガイド
http://tinretu.com/

ストアオペレーション
http://atalis.blog.ocn.ne.jp/lightship/files/h33sp.pdf

店長養成講座
http://komish.com/

かつろう

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