2ヶ月前、2017年の1月はじめにラゴスにあるムルタラ・モハンマド国際空港に到着した。その際に感じた気を付けた方が良い点を下記まとめてみた。
1、空港(イミグレ)の中でも安心できない
途上国であったとしても空港に入れば少し安心することが出来ることもある。何故なら空港の中は立ち入りが制限され、入る際にも荷物検査が行われるからだ。イミグレーションの内側は基本的に関係する職員と乗客しかいないので治安がしっかりしていることが多い。しかしこの感覚はラゴスの空港では当てはまらなかった。空港内にある自動販売機は故障したままにしてあり、通路も暗い。そしてイミグレーションの中だというのに、名前の書いたプラカードをもって出迎えに来ている人が何人もいた。普通は外部者の出迎えの場所はイミグレーションや荷物の受け取りなどを全て出た後にあるはずだが、ラゴスの空港では許可をもらってはいるのだと思うが内部にも入って来ていた。これは職員や乗客以外にもイミグレーションの内側に入って来ているということであり、ややもするとよくわからない人が紛れ込んでいる可能性があるということだ。イミグレーションの内側だからといって安心することは出来ないと感じた。
2、空港職員、警察には逆らわないこと
空港の職員や警察はとても高圧的だ。ビザは事前に取得してきているが、イミグレーションの際によくわからない列に2回並ばされた。その際に職員が、「おいそこのチャイナこっちに並べ」と横にいたアジア人に指示を出していた。街中で教育レベルが高くない層にチャイナとからかわれることはあっても、列記とした空港職員に侮蔑的にこういった言葉を投げられることはあまりない。彼女に関わらず、空港内の職員や警官はとても威圧的で高圧的だ。ただし彼らに逆らえば入国を拒否されたり、拘束されることも簡単に起こり得ることは想像に難くない。どんなに待たされても、侮辱されても絶対に逆らってはいけない。
3、賄賂の横行
イミグレーションの手続きを終えて、荷物も無事に流れてきて、さて外に出るぞというタイミングで警察官に声をかけられる。彼が言う。「賄賂は禁止されているから絶対に払ってはいけない」。それを聞いた段階では、今後ナイジェリア生活における薫陶を言ってくれているのかもと思ったが、すぐさまそれは間違いだと気づく。1メートル程横に行ったところに机があって、そこで持ち込んだ荷物の検査があった。警察官とは別の空港職員が荷物チェックを担当している。彼女は言う。「何か禁止されているものは持ち込んでいないか?食品なども持ち込んでいないか?」。持ち込んでいなかったので、ないからチェックしてくれと返すと、彼女は「ハッピーニューイヤーギフトはないのか?」と言う。つまり何か賄賂を渡せば荷物の検査はしないけど、そうでなけえば荷物検査で時間がかかるということを暗示しているのだ。このハッピーニューイヤーギフト賄賂要求は実はイミグレーションでも同じことをされていたのでこのフレーズですぐに賄賂だと気づく。時間がかかっても賄賂は渡すべきではないと信じているので、賄賂を拒絶し、中を検査された。中では持ってきていたラックスのシャンプーが破裂、というか中身がびちゃーとなっていた。空港職員は少し顔をしかめ、結局大した検査もせずにOKと言ってくれた。ラックス万歳。そしてさらに1メートル程横に移動すると、再度荷物検査の机がある。上記に書いたことと同じ事が繰り返される。ラックスが活躍してくれて対して検査されずに通してもらったのも同じ。
つまり警察官が、賄賂はダメだと警告をした目と鼻の先で、2度も賄賂を要求されたわけだ。もちろん警察官もそれに気づいている。これは推測だけれど、恐らく汚職撲滅と政府が謳い、空港にもそれ専用の警察官を配備していますという単なるアピールの為だけに彼がいるのだと思う。汚職撲滅は、内政においても重要なことであり(国民も汚職には辟易していて、汚職がひどい人には票を入れない)、また外政に於いても効果的(国際社会へのアピール)。まさに形だけであり、その為にまた無駄な税金を使い人員を配備しているという、喜劇的な状況だ。
ちなみに空港の外の警官にも食品は持ってきてないかと再三確認されたので、食品系の持ち込みは厳しいのかもしれない。
4、スマホ・携帯電話のシムカードが買えない可能性
上記のやり取りなどを終えて、やっと空港関係から解放されると携帯電話のシムカードを購入できる場所がある。MTN、Airtel、Glo、Etisalatの4社がブースを並べている。MTNは南ア系のプロバイダーでアフリカでもプレゼンスが大きい。早速ブースに行きシムカードを購入したいと伝えると、今はシムカードを登録をする為のシステムが上手く動いていないから無理だと言われる。まあ他にも3社もあるしいいかと思い、Airtelのカウンターへ。インドでもマラウイ・南アでも使っていたAirtelには愛着があった。しかしAirtelの兄さん曰く、今はシムカードの在庫を切らしているから売れないと。まだ2社あるしと思い、Gloのブースへ。Gloのお姉さんは快くシムカードの登録を引き受けてくれ、一安心。がしかし登録用のラップトップが何か調子が悪いらしく結局登録できず。最後の砦Etisalatへ。やっとシムカードを登録・購入出来た。0が4つ並ぶ特別な携帯番号を半強制的に選ばされ、追加料金を払ったのはまた別の話。他に選択肢がない中でもめることも出来ず。
5、迎えの車は必ず手配を
僕の場合、留学先のラゴスビジネススクールの車が迎えに来てくれていたので車に関しては問題がなかった。迎えの車は宿泊先のホテル等に頼んで必ず手配しておいた方がよいと思う(そしてドライバーの電話番号と名前も事前に聞いておいて、シムを買ってすぐに電話をかけた方が良い)。知らないタクシードライバーにぼったくられたり、荷物を奪われたりすることは間違いなく起こり得る。ラゴスの治安は決して良くはない。またビザを取得する必要性があることからも、外国人旅行者が多いわけではないので、旅行者向けの公共交通機関などは発展していない。空港職員や警察官も味方でないのだから、タクシードライバーはいわんをやである。どうしても手配が出来ない場合は、流しの素性がしれないタクシーではなく情報が登録されているUberを使った方が良い。
6、物凄い渋滞
ラゴスは渋滞が凄い。人口が爆発的に増えており、車も増えている。それに対してインフラの整備は全然なされておらず、道路の本数が足りない。鉄道や地下鉄といった交通インフラは全くない。それに加えて事故が頻繁に起こり、道路が狭くなる。さらに物凄い中古車とかが多いので、道の真ん中で車が突然止まったりして渋滞をさらに加速させる。人口の増加を考えると今後もどんどん渋滞はひどくなると思われる。対したことがない距離であったとしてもホテルまで数時間かかる算段をしておいた方が良い。
上記はあくまでも2017年1月の段階なので、今後諸所の状況は変わって行くと思われる。ただ、空港に降り立った瞬間から警戒心を高めてホテルにたどり着くまで(辿りついてからもだけれど)は気を抜かないことが大切なのは今後も変わらないだろうと思う。ナイジェリアやラゴスのことについて何か質問ありましたらいつでも問い合わせフォームか、ツイッター@ka26ooに連絡を頂ければと思います。
かつろう(@ka26oo)
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