日本企業のエボラ支援が少ない理由 .140

エボラ対策
西アフリカで発生しているエボラ出血熱による死者は5000人(2014年11月11日現在)に達しようとしている。日本企業がエボラ出血熱に対して大規模な支援をしているという話は聞かない。何故なのか。アメリカの企業の支援や日米両政府の支援額などをみながら考えたい。

PSI/Malawi(ポピュレーション・サービス・インターナショナル・マラウイ)の概要と僕の日常のこととか .125

PSIの壁
青年海外協力隊の平成26年度の秋募集が始まっています。(http://www.jica.go.jp/volunteer/application/seinen/)今回、私が所属するPSI/Malawiでも私の後任(厳密に言うと職種がマーケティングから経営管理に変わったので新規なのですが)要請を出している(http://www.jocv-info.jica.go.jp/jv/index.php?m=Info&yID=JL52414B13)ので今回はその要請内容を補足するための記事になります。

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AIDA、ビジネスフレームワークの国際協力への応用 .113

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●AIDAとは

今回はビジネスフレームワークの1つであるAIDAの国際協力業界への応用について書きたいと思います。私自身、一応マーケティングという職種で派遣されているのでたまにはビジネスよりのことも書きたいと。

AIDAとはAttention, Interest, Desire, Actionの頭文字で、広告に対する消費者の購買の心理プロセスを表すフレームワークです。まずは気付いて知って(Attention)、次に興味(Interest)をもち、そしてそれを欲しいと思い(Desire)、最終的に購買という行動(Action)に移すわけです。
Attentionを認知段階、Interest/Desireを感情段階、Actionを行動段階と区別します。AIDAの流れといい、この3段階の分け方と言い、直感的に腑に落ちるフレームワークです。フレームワークや理論はまずは直感的に納得できるかということがとても大切だと思います。
またMemoryという言葉を入れてAIDMAという風にも言われます。ウィキペディア先生によるとネットでの購買プロセスにおいては電通の提唱したAISAS、Attention, Interest, Search, Action, Shareという枠組みもあるみたいです。確かにこのフレームワークも使えそうです。
ウィキペディア:AIDA
●AIDAの応用
さてこのAIDAを国際協力業界にも応用して使うことが出来ます。広告の場合だと、1つの広告でAIDAのアクション、行動段階までいかに持って行くかということが焦点になるかと思いますが、今回は人の行動変容を全体として捉え、段階的に目的の行動変容まで持って行く流れとしてAIDAを使います。
例えば私は保健関係の製品を販売するNGOにいます。扱っている一つの製品がコンドームになります。男性用、女性用の双方のコンドームを扱っています。

◆男性用コンドームへの応用

マラウイにおいて男性用コンドームを使用していない人はAIDAを使って考えると人はどの段階にあると言えるでしょうか。Attention、認知の段階はクリアしていると言えます。政府やNGOが長きにわたってキャンペーンを繰り返してきたので男性用コンドームの存在や知識に対してある程度はあると言えます。InterestとDesireの感情段階で止まって、行動まで持っていけてない人が多いと思います。
であれば、男性用コンドームは認知されてはいるので、それをいかにして使いたい(Desire)と思わせて行動まで持って行くかということを念頭に置いたコミュニケーションを取る必要があるということになります。例えば男性用コンドームを使うことがカッコいいことで、大人の良識ある男はコンドームを使うというような内容の店頭ポスターを展開する等です。

◆女性用コンドームへの応用

女性用コンドームに関してはどうでしょうか。AIDAを使って考えると、まず第一のAttention、認知が問題ではないかと考えることが出来ます。日本でも女性用コンドームについて知識を持っている人は少ないのではないでしょうか。マラウイではなおさら知らない人がほとんどだと想定出来ます。
であれば、女性用コンドームはまずは認知を広める段階から包括的にキャンペーンを展開することが必要になります。もちろん認知だけではだめなので感情段階、行動段階まで持って行くようにデザインする必要はありますが、入口は広い認知を得るというところから始める必要があります。
例えばまずはラジオを使って各家庭レベルで認知を広める所から始め、次に実際のワークショップを開くことで使い方や効果を知ってもらいます。この認知段階を経て、街中の薬局やサロンの店頭のポップやステッカー、ポスター等で感情段階⇒行動段階にまで持って行くような包括的なアプローチを考えることが出来ます。もちろん一つの広告やコミュニケーションで認知⇒感情⇒行動という流れに持って行くことが理想ですが、保健医療製品の場合は行動変容が必要になるので、単純な一つのコミュニケーションでこれを達成することはかなり難しいと言えます。包括的に時間をかけて徐々に認知⇒感情⇒行動という風に持って行く必要があると思います。

●様々なビジネスフレームワーク応用の可能性

ビジネス業界には経営、マーケティング、仕事の仕方、考え方など様々なフレームワークがあります。PDCA、ミッシー、ペルソナマーケティング、3C、4P、SWOT、ファイブフォース、プロダクトポートフォリオ、ゲーム理論、等々。
これらのフレームワークはビジネスだけでなくて、国際協力、NPOやNGOといった非営利組織の活動にも応用出来ます。経営学やMBA出身者が今後もっともっと非営利業界に入ってこれば、どんどんこの業界は良くなるなと感じます。

マラリアが治療できなくなる?東南アジアは特に注意 .104

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今回はマラリア治療についての現状について書きたいと思います。

ハマダラ蚊の薬による耐性の進化によって現在、最も有効な薬であるアルテミシニンが効力を失いつつあります。

●マラリアって何?

まずマラリアというのはマラリア原虫によって引き起こされる病気です。熱や吐き気を引き起こし、脳マラリアなど時には死に至ることもあります。

原虫には5種類いるのですが、その内、熱帯熱マラリア原虫によって引き起こされるものが最も危険です。

そのハマダラ蚊が媒介となってその原虫を人から人へと運びます。

●治療方法

現在マラリアに対して最も有効な治療薬はACTと呼ばれる方法になります。これはArtemisinin-Combination Therapiesの省略になります。アルテミシニンというのは薬の成分の名前です。アルテミシニンだけの単薬投与ではなくて、これに併せて他の有効成分も併せて投与するというのがこの両方になります。

マラウイでもスイスのノバルティス社が製造しているコアテムという薬を、私が所属しているPSIというNGOが販売しています。このコアテムの成分はArtemetheというアルテミシニンに由来する成分20mgとLumefantrine120mgを合わせた薬になります。この二つの成分の頭文字を合わせてマラウイではLA「ラ」と呼ばれています。

「コアテム」

アルテミシニンについては詳しくは下記をご覧ください。
(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%86%E3%83%9F%E3%82%B7%E3%83%8B%E3%83%B3)

長年、中国に制限をされていた秘薬というとなにかロマンのようなものを感じないでもないです。

●治療薬の歴史、ハマダラ蚊の耐性の進化

かつてはキニーネやクロロキンといった薬が治療の主戦力でした。しかし近年では上記のようにアルテミシニンに移っています。どうしてこのようなことが起こっているのでしょうか。

ハマダラ蚊が薬に対して耐性を持ち始めたからです。ハマダラ蚊の薬物耐性が生き残るために進化したのです。

その結果、薬はどんどんと変わり今のアルテミシニンに辿りついたというわけなのです。

●アルテミシニンにも耐性が報告されはじめた

そして恐るべきことはこの最終兵器アルテミシニンに対しても耐性をもつハマダラ蚊が確認され始めているのです。カンボジアとタイ、カンボジアとベトナム、タイとミャンマーの国境付近で報告がされているようです。

残念ながら現段階でアルテミシニン以上の効き目を持つ成分は発見されていません。

●ハマダラ蚊の耐性の拡大

このハマダラ蚊の耐性の拡大は過去の耐性とどうようだとすると、西方に拡大していくようです。最終的にはアフリカに到達すると予想されます。

●今後の影響

アルテミシニンに耐性をもったハマダラ蚊の生息域が広まれば、間違いなくマラリアによる死者が増加します。そしてこれは現地に住んでいる人だけの話ではありません。日本人を含めた外国人がマラリアにかかった時に有効な手立てがなくなってしまうという可能性を含んでいます。

対策としては掛かる前に予防薬を常に服用しておくことが重要になると考えられます。ちなみにマラウイの青年海外協力隊員はメフロキンという薬の予防のために服用をしています。

特にカンボジアやタイ、ベトナム、ミャンマーといった東南アジアにお住いの方また渡航される方は、最終兵器アルテミシニンでもどうにもならない可能性があるということもしっかりと留意して、防蚊対策には最新の注意を払って下さい。

かつろう

参照リンク:http://edition.cnn.com/2014/03/25/health/scientists-eliminate-malaria/

◆併せて読みたい記事◆

Vol.47 マラリアの基礎知識

Vol.65 男性の割礼とHIV/AIDS予防

Vol.61 マラウイの伝統的習慣とHIV/AIDSの問題

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コーラに学ぶ途上国マーケティング?おススメTED「NPOがコーラから学べること」? .103


今回ご紹介するTEDはマイクロソフトの創業者ビル・ゲイツの奥さん、メリンダ・ゲイツさんのスピーチです。二人はビル&メリンダゲイツファンデーション(http://www.gatesfoundation.org/)を創り活動されています。積極手に途上国の問題解決に貢献しています。投資家として名高いバフェットが300億ドルの寄付をゲイツ財団に表明したことでも話題になりました。

彼女は途上国へ行く中で、どこにでもあるものに驚かされます。そう、コカ・コーラです。僕自身も色んな途上国を見て回りましたが、本当にどこにでもありました。そして価格も水よりも安いことも結構ありました。

コーラは世界で、毎日15億本提供されているとのことです。毎日、です。

彼女はこのコーラの行き渡り具合を、コンドームや医療品などパブリックセクターの製品やサービスに応用すべきだと言います。

そしてコーラがこれだけ途上国で成功出来ている要因を3つに分解しています。

●リアルタイムデータ


コーラは売り上げのデータを即座に収集、分析することで売り上げの低下などの問題があった場合にすぐにそれを修正することが出来ます

多くのNPOの活動は現状ではそれとは真逆で、即座にデータを反映させるような仕組みにはなっていません。NGOの多くは助成金(グラント)によって運営されています。例えばNGOからプロポーザルが提出された後、NGOとドナーは2年間のプロジェクトの合意を結びます。2年間で2億円をかけて、ある地域でHTC(HIV Testing and Counseling:エイズ検査のこと)とコンドームの配布を行うというような合意です。途中での振り返りはあるにはありますが、基本的にこの計画の大枠は2年間変更されません。プロジェクトが終わってから成果指標の変化を見るのです。例えばプロジェクト地域においてエイズ感染率が始める前のベースラインと比べて何パーセント低下したか、HTCに行った人の割合はどれくらい増えたか等です。

メリンダはこのNGOのプロジェクトの仕組みを、暗闇でボーリングをするみたいだと例え話をあげています。結果はライトを付けてから(プロジェクトが終わって評価してみて)しかわからないということです。

リアルタイムでのデータの収集と分析、それに応じた修正が必要だと言っています。企業であれば当たり前のことが、非営利業界ではそのプロジェクトという仕事の仕組みのせいで、行われていないのです。

もちろん自前の寄付会費やビジネス収益などでのプロジェクト運営であれば自由に小回りを利かせてプロジェクトを運営することは可能になるのでしょうが。

●ローカル起業家の活用


コーラは農村部にまで製品を流通させるために地元のローカル起業家を育成しています。彼らに少額のローンを与えて、製品を売り、そのローカルの人が農村部まで製品を運んで売るのです。

これは途上国ならではの必要性から生じています。日本やアメリカといった先進国であれば大型トラックでの配送を行うことが時間的にもコスト的にも最も効率的です。しかし途上国ではもちろんこの戦法は通じません。農村部にはしっかりとした道がないのです。しかし農村のお店、グロッサリーには色んな製品がおいていたりします。これはこのグロッサリーのオーナーが都心部まで出かけて行って製品を購入して、帰って売るからです。このシステムと同じように、ローカルの人にコーラを買って運んで売ってもらうという仕組みをコーラは達成しているのです。ちなみにウガンダやタンザニアではこのローカル商人による販売がコーラの全体の販売の90%を越えているとのことです。

これに近い非営利活動の例として2003年に導入されたエチオピアのヘルス・エクステンション・プログラムがあげられています。35000人のヘルス・エクステンション・ウォーカーを訓練して、農村部などでも簡単な医療が受けられるようにしたのです。途上国ではヘルス・センター等の施設までのアクセスが悪いことが少なくありません。その問題を解決し、村々で治療を受けられるようにしたのがこの制度なのです。その結果として、エチオピアでは2000年?2008年の間で子供の死亡数(Child mortality number)が25%も下がったとのこと。

実はマラウイにもこれに似た仕組みがあります。各村々にHSA(Health Surveillance Assistant)と呼ばれる人が配置されています。各村の人を教育してボランティアベースでHSAになってもらうのです。彼らから受ける治療はもちろん無料です。しかし実際機能しきっていない部分もあります。かなり多くの人数を一人が担当しなければならなかったり、ボランティアベースなので活動のモチベーションがあがらなかったりするようです。彼らの有効性ももちろんないわけではありません。医療行為以外にも村に調査にいったりするときは村長さんの許可のもと、HSAにコンタクトをとって住民に聞き取りを行ったりします。そういう際は彼らはアローワンスと呼ばれる手当をもらえたりするのでボランティアベースではあるのですが、実益もあったりします。有給なのか、ボランティアベースなのか等エチオピアの事例を深く学べばマラウイに応用できるような気もします。

●マーケティング


コーラが成功している最も大きな理由は、「人がコーラを欲している」からだとメリンダは言います。コーラはいかに人に商品を欲してもらうかというマーケティング・キャンペーンがとても上手だと言います。その一つの例として「Wavin’ Flag」という南アフリカ・ワールドカップのテーマ曲の詩を挙げています。ウォーウォーウォーウォウォ、ウォウォウォウォ、ウォーウォーウォーウォウォというやつです。18の国の言語に訳され、17の国のヒットチャートで1位を獲得したらしいです。

どうすれば人々がその製品やサービスを欲するようになるのか、ということを考えてキャンペーンを展開することはNGO等非営利での活動にも大切なことだと言っています。例としてはインドでのトイレ設置キャンペーンを挙げています。トイレを設置してそれを使用することは衛生面からとても大切なことなのです。どうすれば、トイレを設置し、そして使うようにすることが出来るのでしょうか。

インドのある地域の女性が結束して、トイレのない家にはお嫁にいかないと示し併せて、それが新聞にも取り上げられて大きな話題を呼んだという事例が取り上げられています。男性はもちろんトイレの設置を渇望します。結婚するために。

いかにして人々にその製品やサービスを渇望させるかということがマーケティングの重要な視点だと彼女は述べています。

残念ながら動画は途中で終わっているのですが、上記からだけでも十分に彼女の言いたいエッセンスを抽出することは出来ます。

営利と非営利のクロスが途上国でこれからもっともっと大切になってきそうです。

●がしかし、実際に適応するのはなかなか難しい

実際マラウイで製品のマーケティングを行っているとこれらの要素がとても大切だということを強く感じます。私が青年海外協力隊として派遣されているPSI(Population Service International)はコンドームやORS、蚊帳といった保健系製品の販売も行っています。

第一にリアルタイムデータですが、PSIはベースがNGOなのでやはり販売管理も強いとはいえません。以前日本の企業で営業マンをしていましたがその時は日々進捗率を確認して詰められていました。それに比べるとかなり販売数字に関して組織体質的にそもそもの関心が低い部分があります。製品販売以外にも啓発プログラムなど様々な事を行っているのがその背景にはありますが。

第二に流通チャネルは本当に悩みどころです。私が担当している製品はかつては助成金がついており、安価で販売出来ていました。しかし、助成がなくなり価格を挙げざるをえなくなり、販売数が落ちました。問題の一つはこの価格なのです。しかしこの販売価格にはネガティブの比例があります。農村部に行けばいくほど、販売価格が上がるのです。大規模な卸売に売り、卸売りは都市の小売に売ります。そして都市の小売りまで農村部の商店から買いに来て、村に持ち帰る売るのです。つまり中間マージンが多くなり、都市部では100クワチャ(約25円)前後で売られている製品が、下手をすると200クワチャ(約50円)まで上がってしまうのです。農村部の人の方が収入が少ないのですが、彼らの方が負担するコストが高くなってしまうのです。所謂BOPペナルティ(BOPペナルティーとはなにか Vol.50)です。農村部の人に購入して使ってほしいのですが、価格が高くなってしまって難しいという問題があります。

第三に製品を強く欲しいと思ってもらえるかです。お金を持てばまずは食糧、携帯電話のユニット等に消えていくのが現状です。その中で優先順位が低い保健衛生製品を強く渇望してもらうというのはなかなか難しい部分があります。コーラ等、嗜好品とは需要喚起の仕方を変えていかなければならないのだと感じています。

重要だけれども、それを適応する段で色々と悩んでいるというのが正直な私の現実です。
最高なキャンペーンで需要を喚起して、チャネルを改造して、日々のデータをベースにした行動をする組織体質に作り変える。なかなか大変です。うーん。。

かつろう

◆併せて読みたい記事◆
Vol.67 おススメTED その2後編?HIVの感染率と輸出量の関係?Vol.66 おススメTED その2前編?アフリカでHIVが減らない理由?Vol.53 おススメTED紹介 その1?アフリカへの投資?

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マラウイのワールドカップ、途上国内でのファンドレイジング .95

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2014ブラジルワールドカップ開幕をまじかに控えたこの時期、マラウイでもワールドカップが開催されました。

プレイフットボールマラウイ(http://www.playfootballmalawi.com/en/)というスイスに本拠地を置いているNGOが毎年この時期にチャリティサッカーを企画しているのです。今年はビショップ・マッケンジーというマラウイの首都リロングウェにあるインターナショナルスクールで行われました。
今年の出場チームは下記の通りでした。
グループA:ポルトガル、オーストラリア、スイスマラウイ
グループB:UN(国連)、EU、フレームズ、AUスターズ
グループC:ドイツ、スコットランド、インド、そして日本
グループD:イギリス、ニャサランド、アイルランド、スカンジナビア
国だけでなく、地域や旧国名、国連なんかもエントリーしている所が面白いです。
我らが日本はグループC。1試合目はインドと対決。0-2で敗れグル―プリーグ突破に暗雲が。しかし2試合目のスコットランドを1-0で下し、3試合目のドイツ戦も2-1で競り勝ちグループリーグを突破。準々決勝ではイングランドとあたり、0-1で惜しくも敗れてしましました。ちなみにスカンジナビアが優勝したらしいです。
今回のマラウイワールドカップで感じた気付きを3点。

●途上国でファンドレイジングの重要性

以前サッカーは途上国でとても人気があり、企業活動、NGO活動を行う上でとても有効な手立てという記事を書きました。(サッカー×途上国、有効なプロモーション手法 Vol.88)今回のサッカー大会はその具体的な例と言えます。参加チームは12000マラウイクワチャ(約3000円)を払います。16チーム分で約48000円のファンドを集めたことになります。この金額は確かに、とても大きい金額とは言えないかもしれません。
しかし途上国でファンドを集めるということが大きな意味合いを持っていると思います。普通、NGOは先進国でファンドレイジング(資金調達)を行います。その方法は寄付や会費であったり、助成金・委託金で会ったり、途上国で製造した製品を先進国で売るというビジネス収益であったり様々です。そしてその資金を使って途上国でプロジェクトを行います。途上国でのファンドレイジングは規模が小さくなりがちで、また人件費なども考えるとペイしないことが多いのでなかなか難しい現状があります。
しかし個人的には、途上国内でのファンドレイジングがとても重要だと考えています。途上国にお金がないとは思いません。途上国内での格差が大きくて持つものと持たざるものに分かれているというのが貧困の現実だと感じます。富裕層や外国人、利益を出している企業、そういった途上国にいるプレーヤーが自身がいる国の解決のためにファンドを出すというのが必要だと思います。そうすれば自国内での問題という意識も芽生えるはずです。先進国からの援助に頼るという依存ではなくて自分たちで何とかするという気概がまず第一に大切です。また自国内でのファンド形成は途上国内での格差の解消にもつながるはずです。

●日本人の特質

今回のワールドカップで「時間を守る」「ルールを守る」という日本人の性質を感じることが強く感じることが出来ました。

・時間を守る

当日は朝7時30分に集合だったのですがその時間にしっかりと集合出来ていたのは日本人だけでした。数人他の国の人もいるようでしたが、日本人は全員きっちりと時間通りに集まっていました。この時間にきっちりしているというのは日本が誇るべき日本人の性質だなと思います。結局集合が遅れたせいで試合は30分押しで運営されたのですが、もしこれが日本で行われる大会であればきっちりと時間通りに進んでいたと思います。この時間を守るというのは間違いなく生産性に繋がります。日本人が集団になった時に効率よく動けるというのは素晴らしいと思いました。

・ルールを守る

また競技は登録人数が9人で、ゲームには6人出場というルールでした。9人の内、少なくとも5人はその国の国籍の人が登録されなければなりません。マラウイアン(マラウイ人)は最大でも4名ということです。しかしこのルールを守っていないチームも少なくありませんでした。スイスなんかプレーヤー全員がマラウイアンという非道っぷりでした。笑
これに関しても日本チームはしっかりと守って、3人のマラウイアンに参加してもらいました。このルールを守るというのも集団を形成上では効率、生産性を高める素晴らしいことだと思います。もちろんルールを単純に守るだけではなく、時には独自の考えや基準で物事を遂行することも日帳になります。しかし原点としてルールを守るということは集団にとってはプラスの側面が大きいと思います。

●サッカーの無限の可能性

参加者の中には女性のプレーヤーがいたり、子どものプレーヤーがいたり、サッカーは誰でも気軽に楽しめるスポーツだと改めて感じました。ルールも単純なので多くの人が観戦して楽しめます。今回も参加者だけでも、9×16チームで約150人、その家族や友人等を合わせると数百人が会場に訪れていました
周りには出店がならび、ハンバーガーやチキン等が売られていました。子ども達がアイスクリームの販売をしたりもしていました。
またその会場でDIPD(Development And Integration of Persons with Disabilities)というムチンジ県で障がい者支援を行っているNGOを展示を行っており啓発活動や、紹介などを行っていました。
サッカー大会は数百人規模以上で人を集めることが出来ます。単にサッカーを主催する団体だけがチャリティを行うのではなく、他のNGOとコラボレーションすることによって相乗効果が生まれます。主催NGOにとっても大会がより社会的意義を持つことになり、イメージ向上に繋がります。他のNGOと協業することによってさまざまな情報や機会を得ることにもつながるはずです。
サッカーを軸にすれば色々な活動をブーストすることができ、社会問題の解決につなげられると感じました
来週から始まるワールドカップで日本には、集団の力を最大限に発揮して予選リーグは是非突破してもらいたいです。
かつろう

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海外旅行役立ちサイト(航空券と宿)のまとめ .89

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今回は海外旅行の手配で僕が普段使っているサイトを紹介したいと思います。
といってもマニアックなサイトとかではなく全てオーソドックスなものです。

●航空券予約

?

・スカイスキャナー(http://www.skyscanner.jp/)

基本的にこのサイトを一番よく使っています。使い勝手はとてもよいです。ほとんどの航空券が網羅されてると考えて間違いありません。オンラインで予約。

・エクスペディア(http://www.expedia.co.jp/)

次に使うのがこのサイトです。航空券だけでなくホテルの予約も出来ます。オンラインで予約。

・トラベルコちゃん(http://www.tour.ne.jp/)

日本のサイト。航空券も基本日本⇔海外だけなので、海外間を行き来する航空券は購入できません。また航空券を検索したあとにその航空券を販売している業者とやり取りをすることになるので場合によってはオンラインで予約出来なかったりします。少し手間がかかりますが安い海外航空券検索にはつかえます。ただしトラベルコちゃんを経由した先の業者によっては、結構仕事が出来ない旅行会社もあったりするので気を付けて下さい。

・HIS(http://www.his-j.com/Default.aspx?lcid=airtop_a001)

案外HISで探しても安かったりします。
またオープンジョー(現地到着空港と現地出発空港が違う方法)やストップオーバー(最終目的地に着く前の経由地で一旦空港からでて、その都市に滞在する方法)といった形で航空券を取る場合、スカイスキャナーやエクスペディアではなく直接オペレーターの人に調べてもらった方が手間が省けたりします。その場合だとトラベルコちゃんで調べた先の業者やHISのオペレーターと直接電話して希望を伝えて調べてもらうなどするのがおススメです。
たまにフライトがあるのかどうか心配になる航空券もあります。共同運航便だったり、航空便番号を借りてたりした場合、少し複雑になったりすることがあります。そういう時は直接その航空会社のHPにいってそこから航空券の詳細を確かめればはっきりします。

●ホテル予約

?

・ブッキングコム(http://www.booking.com/index.ja.html)

ここを一番よく使います。王道ですね。

?

・エクスペディア(http://www.expedia.co.jp/)

航空券検索でも使えるサイトです。航空券とホテル一緒に取ったりできます。

?

・アゴダ(http://www.agoda.com/ja-jp)

ブッキングコムやエクスペディアで乗っていないホテル情報がここに載ってたりします。

?

・トリップアドバイザー(http://www.tripadvisor.jp/)

口コミを調べるならここです。行くホテルをある程度絞りこんだらそのホテルをトリップアドバイザーで一度検索してみてもいいかもしれません。
基本的にホテルの代金はホテルの直接運営するHPよりも上記のサイトを通した方が安くなる場合が多いですが、念の為ホテルのHPも確認しておくとよいと思います。またキャンセル規定はしっかりと確かめておかないとキャンセルしてもお金が返ってこないなんてことにもなりかねません。

●おまけ

上記は基本的にしっかりと事前に計画を立てる旅行の際にとても役に立つサイトになります。
しかしバックパッカーなどで五条国各地を回る場合はネットで予約が出来る高い宿には泊まらないと思います。数百円の安宿はHP等は持っていないのが普通です。そういったときはネットで探すのが一番の得策ですが、下記のサイトは僕自身マイナーな都市や安宿情報を探すときによく使っていたサイトです。

・チキュウサンポ(http://sanpo1.com/index.html)

世界を回って旅をした人のサイト。途上国のマイナー都市の宿や安宿情報が満載。
バックパッカー必見です。

●ロジスティクスのお仕事

また上記のサイト群はNGO関係でいうとロジスティクスの仕事にも応用できます

ロジスティクスの仕事とは航空機や国内移動といったトランスポートや宿の手配、ビザの申請等雑務もろもろを全てこなせるなんでも屋さんのことです。国境なき医師団は医師や看護師、薬剤師といった医療職だけでなくこのロジスティシャンも募集しているので国際協力の世界で活躍したい人は一度見てみるとよいかもしれません。
(国境なき医師団http://www.msf.or.jp/work/)

他にも物資を支援する時の輸送や貯蔵などもロジスティクスと言います。流通等に強い人がこの仕事に向いています。

かつろう

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