2013年 6月 の投稿一覧

ウガンダの世界遺産Kasubi Tombsの収支とガイドの収入 .42


首都カンパラにあるウガンダの唯一の文化世界遺産、Kasubi Tombsに行ってきた。ウガンダはいくつかの王国からなり、その最も大きな王国がブガンダ王国で、その歴代の王様のお墓があるのがここだ。

ガイドをしてくれたのはこの写真の右側に移っている彼。
写真を撮り忘れて彼が移っている写真はこれしかないのでご容赦。

実はこのカスビ・タンブ、2010年にテロリストの攻撃にあい王の墓が全焼し、今現在ユネスコの協力によって再建作業が行われている途中なのだ。メインの墓がなかったのは少しさみしかった。

●ガイドの収入

さて彼の収入を聞いてみた。固定給の月収は250$。

彼はウガンダで2番目にいい大学であるKyambogo Universityのツーリズム専攻を出て、ここに勤めている。ちなみにカンパラで一番いい大学はマケレレ大学なのだが、彼曰くマケレレ大学は理論に偏り過ぎているとのこと。
Kyambogo Universityは理論と実践のどちらもバランスよく行うので実際の就職には強いらしい。確かに彼の英語の説明はとてもわかり易く聡明さが感じられた。おじいさんは日本のウガンダ大使館で働いていたこともあるという。良家の育ちと聞いてなるほどと思った。

そしてこの世界遺産の中で売られている、樹の樹皮の上に書いたペイントは彼が書いたものもあるという。そして自分が書いたものが売れた場合は自分の手取りになるとのこと。大きさによって違うが1枚2~5万ウガンダシリングくらい。(1$=約2600ウガンダ・シリング)
その副収入を合わせると$300~400くらいの月収になるのだろう。

●観光収入

観光客は入場料として2万ウガンダ・シリング(約800円)を支払う。芳名帳をめくってみたが、一日で多くてもせいぜい10人くらい、少ないと3人という日もあるくらいだった。あまり観光客が訪れるわけでもないみたいだ。団体客も来る可能性があることを考えると日平均7~8人くらいだろうか。

7.5人×2万ウガンダ・シリング×30日=450万ウガンダ・シリング。
これを$1=2600ウガンダ・シリングで考えると月に約$1730の収入になる。

もちろん彼のようなガイドが複数人いるわけで例えば4人いただけでも$1000になる。そして受付を担当している人もいたりするので人件費だけでも下手をするとトントンか赤字になる。そしてさらに各種維持費も掛かるわけだ。

もちろん文化的な価値を鑑みての赤字経営はあり得る。多くの人にウガンダの文化を知ってもらうという意味を大きいと思う。しかしそこに税金や助成金を多く投入することには少しの違和感を覚える。黒字で経営出来ればなお良いのではないか。

入場料を今の倍の4万シリング、約$15にしたとしても収益は増えるように思われる。他にカンパラの街に目立った観光スポットもないのだからこのくらいは出せるはずだ。そうすれば収支のバランスも良くなるだろう。

●王家の墓と農作物

ちなみにこれが王の親類の墓。王は屋根つきの建物内に安置されるが、その家族はこのように野外に埋葬される。

そしてその奥に見えるのが周囲の人が育てている農作物である。そう、王の墓の敷地内で周辺住民が農作業を行っているのである。ウガンダの王室の事は全くしらないが、これは王室と市民の距離の近さを表しているのかなと思った。

襲撃にあったりもしてはいるがやはり長きにわたって王室が保たれているというのはそれなりの理由があるのだろうなと感じた。

かつろう

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タンザニア・ザンジバルのお土産物屋さんの収入とからゆきさんのジャパニーズバー .41

今回はタンザニアはザンジバルでお土産物屋さんを運営する
マサイ族出身のこの方にご登場いただきます。
とてもフレンドリー。

さておき、

Q、月の収入は幾らですか?
A、調子が良ければ60万タンザニアシリングくらい行くこともある。
(1$=1640タンザニア・シリングで計算すると約$365)

Q、このお店の家賃はいくら?
A、15万タンザニア・シリング

Q、今住んでいるところの家賃は?
A、10万タンザニア・シリング

Q、食べ物等、他の生活はいくらくらい?
A、15万タンザニア・シリング

つまり60万タンザニア・シリングの売り上げを上げることが出来れば
20万タンザニア・シリングを貯金することが出来るというわけだ。

Q、結婚はしないの?
A、マサイでは結婚するときに家畜など、たくさんの贈り物をしないといけないから今頑張って貯金をしてる所。

ところで俺のショップはタンザニアで一番いい店なんだ。いや、アフリカで一番なんだ。
ベストオブベストなんだ。だから何か買って行ってよ!

単なる営業トークではなく、心の底からそう信じて行っているのでとても気持ちが良かったので、ついついお土産を買ってしまった。店内には彼自信が作ったアクセサリーやティンガ・ティンガ・アートなどがたくさん並べられている。

自分の仕事をアフリカ一と自信を持って言えるのはとてもすばらしいと感じた。そういう誇りを持った仕事を行えることは本当に幸せなのだろう。

●●●

ところで彼が営んでいるショップが入っている建物は実は約五十年前くらいまでからゆきさん(http://hitonowa.blogspot.com/2013/05/vol28.html)が営むジャパニーズバーがあったらしいのだ。娼館としても機能していたらしい。

今は普通にこのようなお土産物屋が入っていたり人が住んでいたりしている。その当時で10人以上のからゆきさんがいたという。日本人にとっては全く前人未踏の地に来て心細かったに違いない。

人身売買の被害に会い、自らの意志で来たのでない人もいたはずだ。
失意の中この地に果てた人もいただろう。

みながみな、自分の仕事に誇りを持って生きて行けるような世界が来ることを切に願う。

かつろう

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タンザニア・ザンジバルの漁師の生活 その2 ~マンガポアンニ紀行と漁師の収入~ .40

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さて今回は船員の一人にフォーカスを絞ってタンザニアはザンジバルの漁師さんの生活をご紹介したいと思います。
(前回の記事⇒Vol.39 タンザニア・ザンジバル漁師の生活)

●マンガポアンニ紀行

登場して頂くのはアヴァス。31歳独身。船で一番に絡んできてくれた気さくな海の男。

彼は現在はマリンディ港近くのザンジバルタウンにお母さんたちと住んでいるとのこと。

実家はザンジバルタウンからダラダラという乗り合いバスで4~50分ほどの所にあるマンガポアンニという所で、訪問をさせて頂くことに。

ちなみにダラダラには2種類あります。街の中を走るダラダラと郊外まで長距離を走るダラダラです。街中を走るダラダラは一回300タンザニア・シリングで、長距離を走るダラダラは距離によります。ザンジバルタウンからマンガポアンニであれば1300タンザニア・シリングになります。(1$=約1640タンザニア・シリング)

【ダラダラ。このバスに30人以上がぎゅうぎゅうで乗る。】

沿岸を北に1時間弱移動し、ダラダラを降りて5分ほど歩くと実家に到着。

【アヴァスの実家】

近くにはおじさんの家もありました。

【おじさんの家】

マンガポアンニはザンジバル島が奴隷貿易の拠点のなった際に奴隷を閉じ込めておいた洞窟やチェンバーがあります。他にも第二次世界大戦でイギリス軍がドイツ軍に対抗する為に築いた沿岸の軍事施設等を見ることも出来ます。

【奴隷が収容されていた洞窟】

色々見て回った後は飲み屋へ。しょんべん横丁よろしくのふきっさらしです。ここでビールを頂きました。ちなみにザンジバルはイスラム教徒が95%を締める地域。アヴァスもイスラム教なのですが酒は飲みます。結構お酒飲む人多いです。

【飲み屋 in マンガポアンニ】

このまま農村で彼の家に泊めてもらうことも出来たのですが、風邪で体調がすこぶるよろしくなかったのでこの日はおとなしくザンジバルタウンに帰ることに。残念。

●漁師の収入

さて、では彼の収入は幾らぐらいなのでしょうか。もちろん漁獲量によって実入りも変わります。漁に一緒に行かせてもらった時に見ているとあまり取れなかった時には10000タンザニア・シリングくらい、大目に取れれば数万タンザニア・シリングをもらっているようでした。もちろん全く取れない日もあります。一日の稼ぎを平均して20000タンザニア・シリングと仮定します。

そして一か月の内、一週間は漁が休みになります。そして漁期も週に1日くらいは休みをとるとすると、30日-7日(量が休みの期間)-3日(週に一回の休み×3)と考えれば稼働日は20日となります。

20000タンザニア・シリング×20日で400000タンザニア・シリングが月の収入になります。1$=1640タンザニア・シリングで計算すると243.9$となります。調子がとてもいい時は1000$近くの収入になる月もあるらしいです。

●魚の価格

ちなみに魚の値段ですが例えばある日の船上で販売されるアジのバケツ一杯(150~200匹くらいかと思われる)は40000タンザニア・シリングでした。一匹に換算すると約200~250シリング。

その日の市場でアジは5匹で2000シリングで販売されていました。一匹あたり400シリングになります。

そしてアジのから揚げが屋台では一匹700~1000シリングで販売されています。

基本的には小売り価格は日によってあまり変動が内容でした。しかし船上で取引されるアジの価格はもし漁獲高が多い日であればバケツ一杯で10000タンザニア・シリングにしかならないこともあるようです。取引の上流に近づく方が収入が不安定になるのかもしれません。

●自助グループの共同貯蓄制度

途上国で住民がグループを作ってお金をすこしずつ出し合い、それを貯めて誰かが借りられるという制度を行っているという話を聞きます。誰かが起業をしたりする時や傷病で急にお金が必要になったに時にその中から借りたり出来る仕組みです。

例えば女性蔑視が残っている地域での女性の自助グループ等、そのような自助グループは社会的な弱者が形成したりすることが多いようですが、それだけでなく収益の安定性が少ない職業においても利するところが多い制度のように思われます。

かつろう

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タンザニア・ザンジバルの漁師の生活 .39

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今回はタンザニアはザンジバルの漁師さんの生活をご紹介致します。
数回船に乗せて頂き、一緒に網を引かせて頂きました。

漁師さんの仕事の始まりは夕方の16時~18時頃。ザンジバルタウンにあるマリンディ漁港から船を出港させます。漁場をどこにするかはその日ごとにキャプテンが判断します。1~2時間くらいの場所に行くこともあれば、遠い所に行くこともあります。遠くに出て、翌日もその辺りを漁場とする場合はマリンディ漁港には戻らず、マンガポアンニ等近くの浜に寄港します。

そして漁場に着いたら碇を下し、陽が落ちるのを待ちます。どっぷりと暗くなったらいよいよ漁を始めます。まず小舟を海に下します。そして小舟に一人乗った漁師さんは魚群が寄ってくるのを待ちます。真っ暗な中で明かりをともしているので魚が寄ってくるのです。直接、海の底を見たり、魚が立てる気泡等を頼りとしたりして、魚群が下にいるかどうかを判断します。

魚群がいるとなったらいよいよ巾着漁という手法で網を打ちます。小舟を中心にして円を描くように網を下して行きます。網の上部には浮きがついており、下部には重しがついています。円を描くように打つとちょうど円柱状に網が垂れるような形になります。そしてその後、皆で綱を引くことで円柱の下部の部分を締めていきます。ちなみに綱や網を引くときの掛け声はモジャ、ビリー、タトゥーというスワヒリ語で、つまり、いち・にの・さんと言います。この辺りの掛け声は万国共通なのだなと感じました。

そして綱を引き、下部を締め、魚群が下から逃げられないようにしたら、いよいよ網を引きあげます。網をほとんど引き上げた後、残った空間にいる魚群を、別の大きな柄のついた網ですくい上げ、船内のボックスに入れます。このような網打ちを一晩のうちに1~数回行います。

暗くなるまでの時間や魚群を探っている間等の空き時間で睡眠を取ったり、手釣りをしたりします。手釣りとは直接ラインを垂らして釣ることです。竿などは全く用いずに、重りと餌を付けたラインを直接手で引きます。取りたい魚によって餌を下す深さや、ラインの太さなどを変えます。食付いた震えを感じた瞬間に内側に水平にラインを引くことでしっかりと針を食い込ませます。この手釣り、なかなか難しく熟練の漁師さんはバカバカと釣り上げていましたが、私は結局一匹も釣れませんでした。ちなみにこの手釣りで得た魚は本人の取り分になります。

そして日が明けてくると港に戻ります。朝8時~10時くらいの間に戻ります。そして船上が戦場に変わります。船の上で、その場で卸売りが始まるのです。船が港につくやいなや一斉に仲買人が乗り込んできます。他の船から移ってくる人や泳いで渡ってくる人がおり一気に船は満員になります。そして持参したバケツに魚を入れ、その場で買い付けます。価格はその日の他の船との兼ね合い、つまり港全体の漁獲量によって変動します。日によって数倍の値段の開きが起こります。俺に売ってくれ、価格は幾らだ、といったやりとりが為され、仲買人同士が言い争いをしたり、お金はないが魚をもらいに来た人がいたりと船上は喧騒に包まれます。

全て売り切ると、その場で売り上げが計算されます。そしてガソリンなどの必要経費や船主の取り分を引いた金額を船員に分配します。つまりその日の漁獲量によって収入が左右されるのです。全く取れない日は収入がゼロになります。そして朝10時くらいに陸にあがり、またその日の16時に港に来るという生活です。

一か月の内、月の12夜前後から一週間ほどは船を出さない期間になります。月明かりが強いと船上の明かりでは魚が寄ってこない為と思われます。その一週間の間に船やエンジン、発電機等の修繕を行います。この間に休養も取ります。

なかなかハードな仕事ですが、漁師さんたちは皆陽気でやさしく、力持ちで、そして誇り高かったです。日々当たり前に食している魚。漁師さんたちがおり、仲買人がおり、小売り・調理する人がいて、やっと食べることが出来る魚。当たり前の中には多くの人の日々の積み重ねが入っているのだということを身を持って勉強できました。

マリンディ港の様子

                          いざ出港!
                           手釣り
                           小舟と網
                           さかな!!!
寄港後の魚の即売
                                                   おしまい

旅行者の為のザンジバル(タンザニア)情報 .38

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基本的にタンザニアのザンジバルのストーンタウンなどがある島の中心地のザンジバルタウンに関しての2013年6月現在の情報です。

●ネット事情

ザンジバルではZANTEL(ザンテル)という携帯電話やネットの通信会社があります。そこのオフィスに行って20000タンザニア・シリングのモデム(PCのUSBソケットに差し込む小型のもの)を購入し、さらに通信料を支払えば通信出来ます。通信料は例えば一か月1.75GBで15000タンザニア・シリング等。日毎のものもあります。これがザンジバル島全域をどこまでカバーしているかどうかは不明ですが、少なくともストーンタウンなどがある中心地は速度、接続共にまったく問題ありません。(1$=約1600タンザニア・シリング)

またwi-fiは観光客向けのカフェ等には入っている所もあります。ちなみにOld FortやHouse Wondersの前にある公園付近には無料での公衆ワイファイが飛んでいます。

●写真の現像

写真のデジタルデータをプリントアウトしてくれるところがあります。ストーンタウンの前のマーケットやダラダラ(乗り合いバス)スタンドの近くにあり、その辺りで、KAIZAR PHOTO(カイザル フォト)と聞けば2人に1人くらいは知っています。プリントは1枚200タンザニア・シリングです。枚数が少なければ2時間くらいで仕上げてくれます。ちなみにこの写真の現像受付をしている女性のフォトショップさばきはメチャクチャ高速です。提出されたデジタルデータをトリミングしたりしているのですが、とにかく早い。一見の価値あり。

●両替

銀行では円を取り扱ってくれません。円からタンザニア・シリングへの両替が出来ないのです。街の銀行だけでなくダルエスサラームの空港でも円を両替出来なかったです。

円を両替する場合はストーンタウン前のダラダラ(乗り合いバス)スタンド脇の道にある市井の両替商に行きます。しかしレートがかなり悪い。例えば1$=100円くらいのタイミングで両替にいったとして、1$=1640タンザニア・シリングくらいのレートで交換出来る場合でも、100円=1500タンザニア・シリングになります。1$=95円のタイミングでなんとかお願いをして100円=1600タンザニア・シリングで交換しましたが、この一回限りで後日いっても1500でしか提示してもらえませんでした。ひどい所では100円=1000タンザニア・シリングのレートの両替所もあります。ドルを用意していくか、カードでタンザニア・シリングを直接引き出すかした方がいいと思います。

かつろう

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国連で働く上でMBAは価値を持つのか .37

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先日国際協力分野で教鞭をとってらっしゃる大学教授のお話を聞く機会があった。

例えばUNICEFやUNDP等の国連で働くには最低でも修士号以上が必須条件となる。では開発分野や農業分野、保健分野や政治分野ではなく、ビジネス分野での修士号というのは国際協力を行う上で果たして意義があるのかということを質問させて頂いた。

結論から言うと国際協力の分野でもMBAは価値を持つ。もちろん全ての国連の仕事において価値を発揮するわけではないので以下講演内容含めてまとめてみた。

●仕事内容の観点:国連での仕事を三つに分解

国連の各機関によりまちまちではあるが、仕事内容を3つの分野に大別できるとのこと。

1、 オペレーション(ファイナンス、人事、総務等のバックオフィス)
2、 プログラム(途上国の現場でのプログラム策定・運営)
3、 コミュニケーション(広報・啓発)

このうち、1のオペレーションや2のプログラムに関してはMBAが役に立つ。ファイナンスなども専門の知識が必要だろうし、プログラムを運営する上では、大局観や利害交渉等幅広い知識・能力が必要になる。もちろん医療や農業などの専門性が必要とされる場合も多いだろうが、運営・マネジメントが重視される場合もあるだろう。

またバックオフィスの業務に関しては実際の民間企業での経験なども価値を持つようだ。例えばIBMで人事一筋20年の人がユニセフの人事部長になったりすることもあったとのこと。

しかし3のコミュニケーション(広報・啓発)に関してはMBAはあまり大きな価値を発揮できないようだ。

●組織の観点:UNICEFとUNDPの違い

例えばUNICEFとUNDPは国際協力という分野での国連機関として有名な2つの機関である。諸所活動の違いはあるが、MBAという意味ではUNDPの方が意義があるようだ。

なぜならUNICEFは実際に現場での実行まで行う色が強いらしい。

逆にUNDPは全体を取りまとめることが多いらしいからだ。例えば現場に入っているNGOや現地政府、他の国際機関や企業等利害関係者を取りまとめてプロジェクト大局的にマネジメントすることが多いとのこと。

現場の実行を重視するUNICEFの方がより専門性の高い遂行力が必要になり、マクロでみるUNDPの方が大局的マネジメントが必要になるようだ。

このように組織の役割によってMBAの必要性も変わってくると考えられる。

●BOPビジネスの観点

今後は企業と国際協力(NGO・政府機関・国連組織等)、営利と非営利の距離は縮まるはずだ。その一つがBOPビジネスだ。BOPビジネスとは途上国の低所得者層向けのビジネスだ。単に営利の拡大という市場の意味だけではなく、同時に低所得者層への便益を図ることが同時に可能なビジネスだ。

例えばJICAもこのBOPビジネスを促進する為に様々な取り組みを行っている。例えば協力準備調査(BOPビジネス連帯促進)事業(http://www.jica.go.jp/activities/schemes/priv_partner/BOP/index.html)で民間会社のBOPビジネスの調査に対して助成を行ったり、青年海外協力隊でもマーケティングという職種を設けたりしている。

このような流れの中でビジネスの文脈を理解しているMBAホルダーは国連等、国際協力の世界で今後より重要視されるようになるはずだ。

また、どのような組織にいたとしても立場があがり、組織マネジメントをしたり、全体の戦略を考えるという役割になるとおのずから判断力・決断力、大局観などが必要となってくる。その時にMBAの価値が発揮されるのではないかと思う。国連や国際機関においても例外ではないはずだ。

結論再度。
国連機関で働く上でMBAは価値を持つと言えるのではないか。

かつろう

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“不公平”という感覚はぜいたく品 .36

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●導入

皆さんは仕事を行う時に誰か一人がサボっていたらどう思うだろうか。
部活動の練習で誰かが遅れて入って来たのに急ぎもせずにゆっくりとし、すぐに練習に参加しなかったらどう思うだろうか。

恐らく違和感を覚えるに違いない。給料をもらっているのだからしっかり働くべきだ。特に共同で作業を行っている場合などはその分自らが仕事をしないといけなくなるのでそこに憤りを感じるだろう。

また部活動の例であれば規律が乱れると思ったり、自分がつらい練習をしているのにと不公平感を感じたりするだろう。

●タンザニアでは不公平という感覚はあまりない

タンザニアはザンジバルに来て約2週間になるが、ここではこの憤りや不公平感といったものがあまりないようだ。人々を見ていても、人から話を聞いてもそのようだ。これは単にここザンジバルのみというよりもアフリカに全体的にみられる傾向かもしれない。

例えば仕事を誰かがサボっていてもそれを咎めるでもなく、自らは黙々と仕事を行う。練習に遅れてきてもすぐには参加しないこともあるが、それをとやかく言ったりはしない。出来る人が行えばいいし、個人として練習を出来ればいいのである。

●不公平感が生まれる背景

ではこのような不公平感に関しての感覚の違いはどこから生まれるのであろうか。民族の持つ本能なのであろうか。それとも成長するなかで社会の中で形成される感覚なのだろうか。多分に社会的な感覚値であるので、恐らく成長する過程で後天的に備わる感覚なのだろうと考える。つまり社会の背景やシステムの差がこの公平感の感覚の相違を発生させるのだと思う。

●アフリカと日本の社会的な差

ではタンザニア、ひいてはアフリカと日本ではどのように社会的な差があるのだろうか。それは公平という前提があるかないかだ。

タンザニアにおいてはそもそも公平という前提が少ないのではないか。生まれた時から色々なものについて大きな差がついている。例えば貧富の差であったり、教育の差であったりする。識字が出来ないというようなことも珍しくはない。そのように公平な環境がない中では、そもそも人に公平を求めたりすること自体がおろかなのだろう。それだけ大きな差があっては人も自分と同じように出来るという感覚を持つことは正しくないのだろう。またアフリカでは成功している人が一族全員の面倒を見るということを聞くこともあるが、それも一つにはそのような背景が関係しているのだろう。自分の面倒は自分で見るというよりは、面倒を見ることが出来る人が面倒を見る。(もちろん部族的なつながりの強固さというものも別の背景としてはあるだろうが。)

翻って日本。日本ではアフリカに比べると個人間で環境や制度の差が少ないと言える。もちろん教育における格差や家庭の収入の格差はあるが、アフリカほどではない。少なくとも識字は出来るだろうし、中学は卒業しているはずである。生活保護といった制度もある。そのように背景や環境の差が少ないから他人にも自らと同じものを課して、それを公平として捉えるのだと思う。

●締め

そう考えれば“不公平感”や“公平感”といった感覚を持てること自体とても社会背景として恵まれているのではないか。

何れにせよ、出来る人がやる、やるべく人がやる、人のことをどうこう考えるのではなくて自分自身の事を全うするという姿勢はとても好きな考え方なので、日本においてもこの価値観を忘れずにいたい。

かつろう

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人身売買問題における4Pフレームワーク:大局観を持つことの大切さ .35

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●人身売買の4Pフレームワーク

ビジネスのマーケティングの世界では3C4Pといったフレームワークがある。

Company, Competitor, Customer, (自社、競合他社、顧客),
Product, Price, Place, Promotion,(製品、価格、販売チャネル、広告プロモーション)
といったものだ。
自社の製品やサービスを考える時の基本的な枠組みとして使用できる。

国際協力の人身売買問題にも4Pというフレームワークがある。

Prevention(予防):人身売買問題が起こる前の段階で防ぐための対策を打つこと。
Protection(救助・治療・回復):人身売買の被害者を救出しreintegrationすること。
Prosecution(法執行):法律の整備や有罪判決等取り締まりや裁判を強化すること。
Policy(政治・権力・アドボカシー):政治的な力や働きかけによって上記等を推進していくこと。

MECE(もれなくダブりなく)という観点からは少し使いづらいフレームではあるが、
ある程度問題解決の活動を分類でき、わかり易い枠組みである。

最近は青年海外協力隊でマラウィに派遣される関係で保健衛生、
特にHIV・エイズ問題について文献を読んだり、人に話を聞いたりして情報を収集している。
そして最近はHIV・エイズの問題も3つに分割して考えられるのではないかと思っている。
HIVに感染する前の予防、感染した後の治療、そしてHIV陽性者の権利保護だ。
もちろんこれ以外にもエイズ患者の子供の問題等もあるが
大枠としては3つで捉えられるのではないか。

●フレームワークの各要素の関連性

また上記人身売買やHIV・エイズのフレームワークの
各要素は独立しておらず互いに関係性を持っている。

例えばProtectionにあたる被害者の保護・ケアが進めば裁判での証言を促進することができ
Prosecutionの力を強め、その結果として有罪判決率が上昇すれば
そもそもの犯罪件数が減っていきPreventionに繋がる。

HIV・エイズの問題に関しても陽性者の自助グループがコンドームの販売・配布を行うことで
彼らの権利の啓発になると共に、感染の予防に繋がる。

●フレームワークのメリット=大局観

このようなフレームワークを使用することのメリットの一つが大局観を得られることだ。
大局観を持てば自分、もしくは自分が所属する団体が行っている活動は
問題解決のバリューチェーンの中で一体どこに位置するのか
ということを理解することが出来る。

それを理解することで他の団体との有機的な連携を意図的に起こせるようになるはずだ。

●大局観を持つ=ミッションに忠実になれる

また大局観を持つことでミッションに忠実になれると思う。
例えば人身売買問題を解決するというミッションを持っていたとして、
自団体がProtectionという領域の機能に特化していたとする。
しかし全体を見渡して考えたときにProtectionをいくら行ったところで
被害者の数は減らないということが分かった時は事業領域を変更すべきだ。

Prosecutionを行うことが真に問題解決に繋がると気づいたならば
そこに団体の活動を変更するべきだ。
(もちろん団体のミッションが抽象的に問題を解決するということではなくて、
“学校をつくる”というように行動それ自体になっている場合は難しいだろうと思う。)

そのように事業領域を変更するということは大局観をもって問題を捉えないと出来ないことだ。

またこのような事業領域の変更はビジネスの世界でも必須である。
現状行っている事業が時代の流れを考えたときにミッションと合致しなくなったり、
収益を上げることが出来なくなった場合は撤退戦略をとり、
コアとなる技術やリソースを展開できる違う事業領域に参入するべきなのだ。

それをせずにいつまでも昔の栄光にすがって同じ事業しか出来ないようであれば
行きつく先は言わずとも見えている。

●締めくくり:進化・変化する組織こそ

NPOであれ、企業であれ、常に自らのミッションに忠実にある必要がある。
ダーウィンは進化するものこそが生き残ると言ったそうだが、
本当に価値を世の中に創出できる組織というのは常に自らの活動に疑問を投げかけ、
そして変化・進化をし続けられる組織を言うのではないか。

かつろう

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『全て自分の仕事』という心構え .34

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僕自身が仕事を行う上で大切にしている考え方がある。
『全て自分の仕事』という心構えだ。

職場で人から仕事を頼まれることがある。
そういう時に基本的に断ることはまずしない。
全て前向きに受ける。
それは『全て自分の仕事』という意識をもっているからだ。

同じ組織に属していて、同じミッションの為に一丸となって仕事をしている。
そんな中で人の仕事も自分の仕事もないと思っている。

もちろん欧米的にはジョブディスクリプションに
準拠した仕事以外をすることは或いはだめなのかもしれない。

もちろん法的に責任が明確になるということは必要だと思うが
根本的には全ての仕事を皆で協働するという意識が必要なのだと思う。

こういう考え方は小さい組織においてはより一般的なのだと感じる。
大きな組織・会社であればより業務が細分化、明文化されるが

小さい組織であればお互いが助け合わなければそもそも仕事が回らない。
そういう意味においては小さい組織を経験することで
人をフォローする能力、姿勢が培われるのだと思う。

●●●●●

またこの考え方は単に職場だけでなく地球単位でも置き換えられる
国家を超えて、地球上で解決すべき問題があったとする。
そういったときにその問題を自分の仕事と感じるのか、関係ないと感じるのか。

そこは感性の領域に入るのかもしれない。
創造力の領域に入るのかもしれない。

もしくは原体験が自分の仕事として認識させるのかもしれない。
色々な考えや、筋道はあると思うけれども

そういった問題を自分の問題、『全て自分の仕事』と感じられる
ということは一つのギフトなのかもしれない。

翻って、同じ組織内での他人の仕事を自分の仕事と感じられないのに
世界の問題を自分の仕事と感じられるわけがないと思う。

人の仕事まで行うのは大変だ。時間も労力も能力も余分に必要になる。
でもそうして色んな人から色んな仕事をもらっているうちに
自らの幅や体力も上がっていく

信頼もしてもらえるようになる
自分が助けてほしい時に協力してもらえるようになる

●●●

昔聞いたベンチャー企業の社長さんの話に下記のような言葉があったのをふと思い出す。

【成果】=【能力】×【努力】×【人から助けてもらう力】

個人の能力や努力には限界があるけれど、人から助けてもらうことには限界がない。
本当に大きな仕事を出来る人は、周りの人から助けられる人だと仰っていた。

世界の問題を心の底から自分の仕事と思えるように
想像力を働かせ、経験を積み、修練して行きたい。

かつろう

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