マラウイに工場が出来ない3つの理由 .99

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マラウイは最貧国の1つと言われています。国の経済が振興していません。

マラウイ国内に工場はあるにはありますが、規模や数の面であまり大きく国家の経済に貢献しているとは言えません。CIA World Fact Book(https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/geos/mi.html)よると2013年のマラウイのGDP(PPP)は約150億ドルでセクター別にみると、サービス業が51.7%、農業が29.4%、産業が18.9%となっています。主要な工場はたばこ工場、お茶工場、砂糖精製工場といった農業に結びつく工場が多いようです。

最貧国であるならば製品・商品を消費することは難しくても、人件費や土地などが安くて工場を建てるということをすれば経済が発展するのではないのか?という疑問を私は抱いていました。

その質問に対して政府関係者の方からお話を伺うことが出来ました。

●内陸国で輸送コストが高い

マラウイはタンザニア、モザンビーク、ザンビアに囲まれた内陸国です。当然ながら外港がありません。工場で製品を製造して海外に輸出する際には港がとても重要になってきます。日本や中国が工業国として発展できたのも、海に面しており、原材料の輸入や、製品の輸出をするための港が多数あったということが大きな要因だと言えます。

もしマラウイから港に到達しようとすれば、モザンビークのナカラ港・ベイラ港に行くか、タンザニアのダルエスサラームに行くか、南アフリカのダーバンに行くかしかありませんが、いずれも長い道のりを国境を越えていかなければなりません。道路状況も完璧に整備されているわけではありません。

海に面しておらず、原材料の輸入、製品の輸出のための港がないということはコストと時間を考えた時に工場を作る上で大きなネックになるのです。

●電力が安定しない

マラウイでは電力が安定していません。計画停電が毎週のように起こっています。需要に対して供給量が間に合っていないため、電力消費を抑制しているのです。工場にとって電力インフラは命と言えます。この生命線の電力が安定しないと積極的に投資することが難しくなります。

ただし2017年にNeno駅北6キロに位置するKammwambaに火力発電所が出来る計画があります。また隣国のモザンビークのテテ地域にも火力発電所が建設される予定であり、モザンビークからも電力が供給される可能性があります。

ただしこれもどうなるかは不明と考えることも出来ます。以前カンボジアにいた時にベトナムとの国境にあるスバイリエン州バベットに進出されている工場でお話を伺いました。カンボジア側だけでなく、ゆくゆくはベトナム側からも電力供給を受けられるという条件で進出したらしいのですが、結局ベトナム側からの電力は来ていないとのことでした。国境をまたいだ電力供給は送電線や国策といった制約に左右されることも多いと感じます。

●工場で働けるレベルの人材の不足

3つ目が人材の不足です。工場で働くブルーワーカー人材というのは日本人の感覚的には簡単な仕事かもしれないのですが、途上国の人にとっては難しいことも多いのです。カンボジアの工房にいた時に感じたのが、毎日同じ時間に出社して、作業をして帰るという当たり前のことを繰り返すことの難しさです。日本人であれば幼稚園、小学校、と幼い頃から日々、規則的な生活を送るということに慣れており、当たり前にそれを出来ます。しかし途上国では学校にも行っていなければ集団生活にもなれていないという人が多く、それを当たり前にすることがまず難しいのです。工場で働けるレベルの人材を安定的に確保するというのがマラウイではまだ難しいということです。

ちなみにMDHS(Malawi Demographic and Health Survey)2010によると職業別の比率は下記のようになっています。

女性(15歳~49歳):

農民(57.8%)、セールス・サービス業(24.7%)、熟練作業員(6.5%)、非熟練作業員(6.5%)、、専門職・経営者(2.0%)、家事労働(1.6%)、聖職者(0.9%)

男性(15~49歳):

農民(49.4%)、セールス・サービス業(15.6%)、熟練作業員(18.3%)、非熟練作業員(10.1%)、専門職・経営者(3.7%)、家事労働(1.4%)、聖職者(1.4%)

熟練作業員、非熟練作業員の割合は一見高いように見えます。しかしこのうちどれだけの人が工場で働けるレベルにあるのかは不明です。下記写真の彼はマコラと呼ばれる木炭で火を取るためのものを作っています。熟練作業員にあたると思われますが、あくまでも個人でやっているレベルであり規則の中での仕事というとまた別の話になると思います。

【バラカの職人】
 
内陸国、不安定な電力、人材の不足とうい3つの問題によってマラウイは工業の発展が妨げられているのです。しかし今後、南アフリカ、ザンビア、モザンビーク、ジンバブエ、タンザニアといった周辺国の経済が増々発展すれば場合によってはマラウイに工場の投資が流れることもあり得ます。陸路での輸出で住む範囲であれば、外港がないデメリットは補えます。2017年の火力発電所とモザンビークからの供給で電力を安定させ、人材の教育をしっかりと行うことが出来れば2020年代には工場がたくさんたつかもしれません。

●その他マラウイの工場情報

蛇足ですがマラウイにある工場をメモ程度に書いておきます。

・リロングウェではカネンゴと呼ばれる地域が工業地帯のようになっていて地焼酎であるチブクの工場等があります。
・ブランタイヤにはマラウイでも“グリーン”の名で親しまれるカールズバーグのビール工場があり、事前に予約をすれば見学をすることも出来ます。他にもプラスチック成形の工場等がブランタイヤにはいくつかあります。
・バラカには中国資本のコットンの工場があります。
・ドァングワはサトウキビの生産地で、砂糖を精製する工場があります。
・コタコタからカタベイの間にはゴムのプランテーションがあり、ゴム工場があります。
・チョロにはヨーロッパにドイツなど輸出する茶の工場があります。

かつろう

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コメント

  1. 匿名 より:

     初めまして♪環境、まだまだなんですね。驚きました。たまには、気分転換にこういうのもありますヨ★https://aeaffiliate.com/affiliator/campaign/passing?aid=e142261d459bd1f3&bid=30181&atype=1

  2. 谷口香津郎 より:

    コメント有難うございます。娯楽も大切ですね!
    ただマラウイはネット環境があまりよくないのでなかなか難しいです。。全自動卓がマラウイにあればとても素晴らしいと感じます。

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