苦労して身に着けたものの価値~第二言語習得論の観点から~ .46

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現在、白井恭弘著『外国語学習の科学』~第二言語習得論とは何か~という本を読んでいます。この本は第二言語習得、Second Language Acquisition=SLA、について初心者にもわかり易く解説しています。英語を勉強中の身として、いったいどういった研究がなされていて理論が構築されているのかを知りたくて読み始めました。

その中で興味深い部分があったのでご紹介致します。
結論から申し上げますと、距離の遠い言語を会得した人は、距離の近い言語を会得した人よりも認知能力が高くなるということです。どういうことか下記説明します。

まず第一にバイリンガルの子どもはモノリンガルの子どもに比べて認知能力が高いということがあるとのことです。サイモン課題というものが認知能力を測る際によく用いられるらしいです。コンピュータの画面に青い四角がでたら右側のキーを、赤い四角がでたら左側のキーを押すというルールを設定します。ところが、四角が画面の右側や左側に出るので、押し間違えが起こったり、押すのが遅くなったりといったことが起こるらしいのです。この正答率や回答速度を測るのがサイモン課題というものです。

そしてバイリンガルでも認知能力に差がみられると本では述べられています。
前提として言語には距離があります。例えばスペイン語とポルトガル語、日本語と韓国語の距離は近いと言えますが、日本語と英語の距離は遠いと言えます。つまり言語の距離とは文法や発音、単語などがどれだけ似ているかということです。この距離が近いほど、第二言語習得を簡単に行うことが出来ます。

研究結果として距離の遠いバイリンガルの方が、距離の近いバイリンガルに比べて認知能力が高いということが報告されているとのことです。距離の遠い言語の方が習得時に認知的負荷がかかる為、情報処理能力が高まるのではないかという仮説が述べられています。

僕は昔から日本語を持って生まれたことは英語を母語とする人に比べてハンディキャップなのではないかと思うことが多かったです。しかしこの認知能力のことを知り、必ずしもハンディキャップではないと感じました。

頑張って何かを身につければ、その身に着けたものだけではなくて、それを身に着ける過程で他の様々なものを得ることが出来る。その苦労が大きいほど、過程で得るものも大きい。

世の中は本当によく出来ているなと思います。

かつろう

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