経済共同体としてアフリカを捉える必要性 .60

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青年海外協力隊では現地派遣前に70日間、長野県の駒ヶ根か福島県の二本松で研修を受けます。そして現地派遣後は約一か月首都で研修を受けます。現地語や安全管理、現地の経済・農業・医療等を学びます。

先日経済関係のブリーフィングを受けて感じたことを書きたいと思います。

最も印象的だったことはマラウイを始めとするアフリカの経済は国家としてだけではなく、地域共同体として考える必要が高いということです。アフリカには54か国あります。それぞれが独自の顔を持っています。同国内においても複数の民族や言葉が存在します。そしてそれぞれは一国だけでは国際的な経済に太刀打ち出来ないという認識を持ち、協力関係を築いているのです。マラウイに関係する経済圏、共同体を下記説明したいと思います。

●ナカラ回廊
回廊とは廊下等の通路を表しますが、内陸国から他国を抜けて港に達する道の事も言います。
このナカラ回廊はモザンビークのナカラ港からマラウイを通って、ザンビアまで続く道の事を言います。ナプラ港はアフリカの東海岸線で最も深さのある港で14メートルも推進があります。全ての船舶を受け入れることが出来ます。また湾の入り口が狭く、港の中の波が高くないのです。
この2つの理由よりとても港としての価値が高いのです。この港から連なるモザンビーク、マラウイ、ザンビアの交通・交易を整備・活性化することによってこの地域の発展を目指すことが出来るのです。

輸送コストの低減、産業の多様化、雇用拡大、情報の共有等が望まれます。反面外国からの安価で良質な製品との競争にさらされることでマラウイの農業がダメージを可能性もあるようです。
JICAも円借款で港湾の拡張や道路の整備を支援しています。(http://www.jica.go.jp/press/2012/20130307_01.html)

●南北回廊
南アフリカから北部にのびダルエスサラーム迄続く南北回廊は、マラウイの国道1号線を通っており、これはマラウイ経済の生命線ともいえる感染道路になります。この国道1号線の端をかけなおすプロジェクト等をJICAが支援しました。

●経済共同体SADC、COMESA
SADC(http://en.wikipedia.org/wiki/Southern_African_Development_Community)とはSouthern Africa Development Community:南部アフリカ開発共同体の略で、南アフリカ、タンザニア、ナミビア、モザンビーク、ザンビア、ジンバブエ等15か国が参加しています。

COMESA(http://en.wikipedia.org/wiki/Common_Market_for_Eastern_and_Southern_Africa)とはCommon Market for Eastern and Southern Africa:東南部アフリカ市場共同体の略で、エジプト、ケニア、エチオピア、ウガンダ等19か国が参加しています。域内の貿易は自由化されているようです。
マラウイはこのどちらにも属しています。貿易の規模としてはSADCへの依存の方が輸出入共に大きいと言えます。

アフリカの経済を考える上でややもするとその国家単位で物事を見がちになってしまいますが、単純に一つの国家として捉えるのではなく、経済共同体や回廊等周辺とのかかわりの中で現状をはかり、将来の発展性を予測するということがとても必要なのだと感じました。

かつろう

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