途上国の携帯電話インフラの重要性 .114

ノキアの携帯電話

●携帯電話通信事業は途上国で成功している最も成功しているBOPビジネス

携帯電話通信事業はマラウイでも最も成功している事業の1つです。

個人的には途上国で最も成功しているBOPビジネスは携帯電話通信事業ではないかと考えています。マラウイでも農村部であっても携帯の普及率はかなり高いです。大人だけでなく中高生も持っていたりします。

マラウイには大きな携帯電話会社が2社あります。
インドに本拠地があるAirtel(http://africa.airtel.com/wps/wcm/connect/africarevamp/Malawi/)とTNM(http://www.tnm.co.mw/#)の二つです。

TVを見ていて最もよく見るCMはAirtelとTNMのCMになります。
ちなみに最も印象的なのはこのAirtelのCMです。

Youtube
http://www.youtube.com/watch?v=hs31V2k2QRw&feature=kp

ミスターマニーという札束君が躍って歌います。「Send money instantly, Top up Air time instantly」という軽快なフレーズは頭から離れません。。

この通信会社は携帯電話というインフラを使って様々な事業を行っています。
まずは通信会社の事業を紹介をしたいと思います。

●携帯電話通信会社の事業内容

 

◆個人向け電話・メール

これは一番基本のサービスになります。電話やメールでのやり取りです。日本とは違い、ユニットを購入してシムにチャージするプリペイド方式になります。安ければ20クワチャ(約5円)からチャージが可能になります。

◆企業向け電話・メール広告サービス

またこの携帯電話インフラを利用した広告サービスも行っています。携帯電話にはよく企業からの宣伝メールが届きます。また電話の音声による広告もあります。電話を取ると音声が自動で流れてきます。そしてメール(SMS)を利用した消費者へのアプローチですが、企業だけでなくてNGOもこれを活用することがあります。安価で直接連絡をすることが出来るのでマスに向けたアプローチとしては有効と言えます。

◆インターネット事業

ドングルと呼ばれるUSB経由でPCに差し込むことによってインターネットを使える機器もAirtelとTNMから発売されています。携帯電話と同じようにドングルシムが入るようになっており、チャージして使います。一括でのチャージの場合、例えば約6000クワチャ(約1500円)で2GB分を購入出来たりします。

◆送金サービス

携帯電話にお金をチャージすることも出来ます。そしてそのお金を他人の携帯電話に送ることも出来ます。そして送金を受けた側は現金として引き出すことが出来ます。つまり日本でいう振り込みが出来るというわけです。これを利用して各種料金の支払いなども出来るようです。

◆生命保険

TNMはモヨカバーという生命保険をリリースしています。(http://www.tnm.co.mw/index.php/moyo-cover-nico-life.html)。掛け金は最低月1000クワチャ(約250円)からのようです。TVのCMでは「もしあなたが突然死んだら、誰があなたのお葬式の費用をはらうのですか?」という問いかけをしています。マラウイではお葬式がとても重要な行事なのかもしれません。この辺りのタグラインやメッセージのアプローチは文化背景を理解することが必要になります。

●携帯電話を使った金融サービス

電話やメール、インターネットといったサービスは日本の通信事業会社とさして違いはありません。しかし送金サービスや生命保険といった金融サービスまでも手掛けているというのが途上国特有だと言えます。日本の場合は法律の制限でこういった金融サービスを携帯会社が行うというのは容易ではないと考えられます。日本だとお金の送金は普通銀行で行うのが普通です。

そしてこの携帯電話会社による金融サービスは途上国においては重要な位置を占めます。何故なら農村に住むような人は銀行の口座を作ることが難しいからです。口座を作るためには色んな書類や証明が必要になります。また作れたとしても銀行にアクセスするのはとても大変です。実質的には銀行が彼らに金融サービスを提供することは難しいのが現状なのです。

しかし携帯電話を利用してのお金のデポジットや送金等の金融サービスであれば彼らであっても容易にアクセスすることが出来るのです。ちなみにこの携帯電話送金サービスを始めたのはケニアのMpesaだったと記憶しています。

●携帯電話を使った保健向上プロジェクト

モザンビークでMovercado(http://enter.movercado.org/)というプロジェクトがあります。私のいるPSIというNGOのモザンビーク支部、PSI/Mozambiqueも関わっているプロジェクトです。

このプロジェクトでは携帯電話のSMSを使用して保健医療のサービスを提供しています。例えば登録した母親の電話番号に対して保健医療の情報を送って、妊娠、出産といったタイミングに合わせて適切なアドバイスを行ったりします。また彼らに対して交通費の支給や無料で医療サービスや製品を入手できるバウチャーを発行したりもしているようです。

詳細はリンク先の動画をご覧ください。(英語なので僕も完璧には理解できませんでしたが、雰囲気はつかめると思います。)

携帯電話を使用すれば個人毎に長期的に支援するということが可能になります。一時的な物品支給等に比べれば効果として、持続可能性を秘めている仕組みだと感じます。

●途上国の携帯電話インフラの重要性

途上国の人は田舎や農村の方でも携帯電話を結構な割合で持っています。村の人はお金を持てばまず食べ物といった生活必需品を買いますが、その次は携帯電話のユニットを買うことが多いと思います。まさに必需品の1つと言っても過言ではない地位を占めているのです。

彼らをターゲットとしたBOPビジネスやNGO活動などを行う時に、携帯電話というインフラをいかに活用するかということが重要なファクターになってきます。

TVや新聞、雑誌にインターネットといった日本では効果が高い広告チャネルは途上国では期待できません。一部の都市部に住む人しかアクセスできないからです。それに対してラジオはとても効果的なチャネルになります。また改めてチャネルに関しては書きたいと思いますが、マスに対してアプローチしたければラジオないし携帯電話のSMSが最も効果的だと思われます。

かつろう

 

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コメント

  1. ぶち姐 より:

    携帯電話の有効性。

    コートジボワールの教育関係者によると、
    校長先生が、学校の情報(集約したデータ)
    を携帯から教育省へ直接連絡することもあるんだって。

    そうすることで、質問票を回収する手間が
    省けるよね。すごい省エネだと思う。

    日本ではベネッセが、情報流出でわりとけっこう問題になっちゃってるんだけど、
    コートジボワールとかはそういう個人情報流出とか
    ちっちゃなことに、ピリピリしないんだろうなぁって思ってしまった。

  2. 谷口香津郎 より:

    携帯から教育省に直接連絡するのはいいですね!
    手間をは受けがちですし、リアルタイムの報告はかなり価値が大きいと思います。

    そもそも個人情報保護法とか、ないかもしれないですね。公務員はそういう名簿とかなんでもりようしてビジネスしそうですし。。

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