差別の深淵 .142

差別対抗したキング牧師

 ●「チャンチュン」

マラウイでは道を歩いていると「チャンチュン」と現地のマラウイ人から声をかけられることがある。これは中国人をバカにした呼びかけだ。基本的にアジア人であればこの呼びかけをされる。日本人であろうと中国人であろうと。これはマラウイに限ったことではなく、アフリカ諸国で見られる。例えばタンザニアのザンジバルでは「チーナ」というような呼びかけをされる。

 

「チャンチュン」以外にもストレートに「チャイナ」と呼ばれたり、中国語の真似をして意味の分からない言葉をかけられたり、「ニーハオ」と言われたりすることもある。

「チャンチュン」や中国語の真似で呼ばれるときは明らかにバカにした呼びかけであることがほとんどだ。ただし「チャイナ」や「ニーハオ」という呼びかけの場合は単に声をかけてくれているだけで、からかうという意思がないことも多い

●「アズング」

また東洋人は他にも「アズング」と呼ばれることもある。これは白人という意味だ。他のアフリカ諸国でも同様に「ムズング」とか呼ばれたりする。初めは白人と東洋人が同じように呼ばれる理由が少しわからなかったが、少しすると理由が分かるようになった。単純に見た目、肌の色が似ているのだ。少し離れた所から見ると正直、白人と東洋人は結構似通って見える。遠くから「アズング」を発見したときは日本人の知り合いなのか、白人の他の旅行者やボランティアなのかわからない。少し距離を縮めるとわかるけれど。これは一つにはマラウイにいることで日焼けをして肌の色の違いが不明瞭になりがちとうことがあるからかもしれない。

●日本人の中国人に対する差別意識

さてこのようにマラウイの地では現地のマラウイアンより色んな呼ばれ方をする。その時に多くの日本人の対応は下記のようである。「チャンチュン」「チャイナ」と呼ばれると気分を悪くして怒る。「アズング」と呼ばれるとそうでもない。

前者の呼びかけで怒る理由は2つあると言える。1つはからかわれたからだ。「チャンチュン」とからかわれたから怒るのだ。もう1つは「中国人と見られている」と感じて怒っていると言える。

後者、「アズング」と呼ばれても気分を害さない理由は「白人と同じグループで見られている」からだ。

確かにからかわれて怒るのはわかる。人種をベースにした悪口なんて最悪だ。しかし「中国人と見られること」を不快に感じて「白人と見られること」を肯定的に捉えるって一体どうなんだろうか。これは日本人の中にある中国人への差別意識だと言える。中国人をバカにするマラウイ人をはじめとするアフリカ人は間違っているし、中国人とみられることを不快に感じる日本人はもっと間違っている。中国は偉大な国だ。太古の昔から有史に足跡を刻み、現在でもあれだけの人数を国家として統一して言えるすごい国だ。もちろん色んな所で批判はあると思う。それでも国家として偉大だと僕は思う。逆に中国を大した国でないと言う人がいたら、その人の教養とセンスに甚だ疑問を感じざるを得ない。

つまりマラウイ人に「チャンチュン」「チャイナ」とからかわれてバカにされて、怒ることは日本人の中にある中国人への人種差別の表れだとも言える。

●教育を受けた上での差別こそ罪悪

それにマラウイ人が違う人種をからかうことを責められるだろうか。彼らはそもそも学校教育をしっかりと受けていない。識字も出来ない人が多い。道徳教育だって受けたことがないだろう。見た目や外見的特徴をバカにしたらいけないということを習ったことなんてないはずだ。アメリカでも黒人を白人警官が射殺するという事件があったが(定期的に米では問題になっているが)、このような人種間摩擦や差別が世界的に大きな問題とされているという背景にだって触れる機会はないはずだ。そんな彼らが他人種を外見でバカにしたって仕方がない部分もある。人間だもの。人間は本質的にはそういうものかもしれないし。

それに彼らも本当に人を傷つけようとしてこういう差別用語を口にしているわけじゃない。「チャンチュン」と言われたって、現地語で話しかけて挨拶をすればしっかりと笑顔で返してくれる。普通に友達になれる。結局彼らは、暇で構ってほしいだけなんだと思う。

ちなみに教育をしっかり受けたマラウイ人はほとんどこのような差別用語を口にしない。こういうことを言うのは子どもか、やんちゃ盛りの中学高校生か、しっかりと教育を受けていないと見受けられる大人たちだ。身なりや態度でだいたいの教育・経済レベルは想像できることが多い。

逆に言えば、日本人は中学校は義務教育で出ている。多くの人が高校、そして専門学校や大学を出ているはずだ。そんな日本人が中国人に対して差別意識を持っているのだ。この方が問題だ。教育を受けたのに差別意識をなくせないのであればどうしようもない。

かつろう

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コメント

  1. ぶち姐 より:

    同感です。

    本当に。さすが。
    いつか、この記事を私のブログで紹介させてください。

  2. 谷口香津郎 より:

    是非是非いつでもご引用下さい!

    ただ人によってはこの文章に違和感を感じたり、反論をしたりするということもあるように思います。あくまでも僕の考えであって、これが本当に正しいかどうかはわからないので。

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