前回(青年海外協力隊の進路実態その1~帰国後国際協力業界に残る人は5人に1人~ Vol.107)に引き続き青年海外協力隊の進路に関して書きたいと思います。
前回はマクロ的に進路の全体像をみたのに対し、今回は具体的な進路をミクロに見ていきたいと思います。
◆JICA関係◆
●青年海外協力隊
少数ですが、青年海外協力隊として再度派遣される人もいます。また短期ボランティアで再度派遣される人もいます。短期ボランティアの場合は協力隊として派遣された国と同じ国に行く人が多いようです。JICAの資料によると1.3%、100人に一人くらいは再度協力隊にいくようです。(http://www.jica.go.jp/volunteer/obog/career_support/careerinfo/)
●公益社団法人青年海外協力協会(JOCA)
マラウイをはじめとする途上国でのプロジェクトや、二本松・駒ヶ根にある青年海外協力隊の派遣前訓練の運営などを行っています。基本的に協力隊出身の人が職員になるケースがとても多いです。
●国際協力推進員
http://www.jica.go.jp/about/structure/suishin/#suishin
各都道府県に一人配置されます。職務内容として県によって違うようですが、県内で国際協力に関わることを幅広く行えるようです。青年海外協力隊員が出発前に県庁や市長に表敬訪問する際など、アレンジをして頂けます。
●ボランティア調整員
http://www.jica.go.jp/recruit/volunteer/
正式名称は企画調査員(ボランティア)と言います。途上国のJICA現地事務所に勤務し、ボランティア(協力隊員)の活動のサポートをして頂けます。各種活動の相談に乗って頂いたり、生活全般で気にかけて貰ったりと大変お世話になっています。他にも新規のボランティア案件の開拓等が職務内容になります。
募集にあたって途上国での生活経験が必要になるので、協力隊員が募集しやすい仕事になります。恐らく半分以上は協力隊出身になるのではないかと思います。
●ジュニア専門員
http://www.jica.go.jp/recruit/jrsenmonin/
ジュニア専門員制度とは、将来JICA専門家になる人を育成するための研修制度のようなものです。最長で1年6ヶ月間の訓練を受けることが出来ます。
●JICA専門家
JICAが実施する各種プロジェクトを行う専門家です。JICA専門家の方にはマラウイでも本当に良くして頂いているのですが、話を聞いていると元々隊員だった方がたくさんいらっしゃいます。もちろん隊員を経ない方もいらっしゃいますが、協力隊を経験してから専門家になる人も多いと思います。
●JICA職員
協力隊出身のJICA職員さんもいらっしゃいます。定期的に中途採用を行っているようです。(http://www.jica.go.jp/recruit/shokuin/ex/)
◆JICA以外◆
●大学院
大学院に進学、復学する人もいます。これは国際協力の世界では修士以上が求められることが多いからともいえます。JICAの資料によると7.8%の人が進学・復学するようです。
(http://www.jica.go.jp/volunteer/obog/career_support/careerinfo/)
●現職復帰
現職参加制度を利用して参加した人は元の職場に帰ることになります。この制度の内、教員の方が多いように感じますが他にも看護師の方、一般企業の会社員の方などもいらっしゃいます。
(現職参加制度:http://www.jica.go.jp/volunteer/application/seinen/incumbent_volunteer/incumbent_participation/)
●NPO/NGO
帰国後、NGO職員として再度途上国に赴任する人も少なからずいます。協力隊で2年間生活出来れば、どこの国に派遣されてもやっていけるという保証になるのえNGO側としても採用しやすいのだと思います。
●民間企業に就職
民間企業に就職する人ももちろん多いです。協力隊をたくさんとって頂いている会社もあります。例えばトキタ種苗さまは協力隊がたくさん働いてらっしゃるようです。
●公務員
復職以外でも公務員になる人もいます。下記は協力隊への優遇措置・特別枠などをしている自治体になります。
自治体職員採用試験におけるJICAボランティア経験者特別選考等
http://www.jica.go.jp/volunteer/obog/career_support/pdf/careerinfo/jichitaishokuin.pdf
国公立学校教員採用試験におけるJICAボランティア経験者特別選考等
http://www.jica.go.jp/volunteer/obog/career_support/pdf/careerinfo/kyouin.pdf
横浜市や京都市、さいたま市等があります。
もちろんこれらの進路は色々と重複します。例えば帰国後、ボランティア調整員をやってからJICA専門家になったり、JOCA職員を経てジュニア専門員になったりといった具合です。
青年海外協力隊に対しての評価は様々あります。良いイメージを持っている人もいれば、悪いイメージを持っている人もいます。積極的に受け入れてくれる組織もあれば、そうでない組織もあります。しかし今後途上国と日本との接点が増えていかざるを得ないという現状を考えれば、協力隊の評価は徐々に高まっていくのではないかと考えています。
協力隊の進路に関して今後もっと色々と選択肢が増えるようになればいいなと思います。
かつろう
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