マラリアの基礎知識 .47

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私の青年海外協力隊としてマラウイでの職務はマラリアと密接に関わっています。具体的に言うと職務の一つとして、マラリアの治療薬や蚊帳等の販売促進やマーケティングを行います。そのため、現在マラリアに関しての勉強をしているので備忘録的に基礎知識について箇条書きでまとめておきます。

【概要】

  • 毎年3.5?5億人の人がマラリアに罹患している。
  • 毎年100万人以上の人がマラリアによってなくなっている。小さな子どもが犠牲になることが多い。

【マラリアの原因】

  • マラリア原虫(Plasmodium)と呼ばれる単細胞寄生虫(single-celled parasite)の感染によって引き起こされる。
  • 100種類以上のマラリア原虫がいるが、人間に感染して病気を引き起こすのは5つの種類のマラリア原虫である。
  • 熱帯熱マラリア原虫(P. falciparum)、三日熱マラリア原虫(P. vivax)、四日熱マラリア原虫(P. malariae)、卵形マラリア原虫(P. ovale)、そして最近発見されたサルマラリア原虫(P. knowlesi)がある。
  • 複数の原虫に同時に感染することもある。

【感染経路】

  • ハマダラ蚊(Anopheles)を媒体とする感染
    • ※ハマダラ蚊に刺されることによる感染がほとんど。
  • 輸血(Blood transfusion)による感染
  • 臓器移植による感染
  • 注射針の使い回しによる感染
  • 母子感染

【対策】

  • 沼地や湿地の水を抜いてハマダラカ蚊の幼虫の生息域をなくす。
  • DDT等の殺虫剤によってハマダラ蚊を排除する。
  • 網戸を使用する。
  • 蚊帳を使用する。
  • クロロキンなどの薬による予防。

【マラリアの症状】

  • 寒気が発生し、その後発熱、発汗が現れる。
  • 疲労感や吐き気、下痢を伴うこともある。最悪の場合に死に至る。
  • 感染してから10日?16日後に症状が現れる。
  • 三日熱マラリアは48時間おきに、四日熱マラリアは72時間おきに発熱を繰り返す。熱帯熱マラリアは周期性は薄い。熱帯熱マラリア原虫によるマラリアの症状は他に比べると重い。

【マラリアの薬】

  • キニーネ(quinine)、クロロキン(chloroquine)、アルテミシニン(artemisinin)等が有名。ただしこれらに耐性を持つマラリア原虫が出てきている地域もある。

【その他】

  • ある一定上の温度がなければマラリア原虫は生存できず、またハマダラ蚊も適切な沼地等がないと生息できないので、温暖な地域にのみマラリアは発生している。
  • 殺虫剤のDDTに耐性を持つ蚊が出てきたり、治療薬のクロロキンに対して耐性を持つマラリア原虫が出てきたりしている。
  • 農薬ピレスロイドを塗りこんだ蚊帳が普及しつつある。しかしこの蚊帳の人体に対する影響を懸念する声も上がっている。
  • 現在有効なワクチンは開発されていない。

以上です。

かつろう

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“マラリアの基礎知識 .47” への2件の返信

  1. かつろうさん、こんばんわ。

    2月12日(水)、
    アフリカ協会主催のシンポジウムに参加してきました。
    ベタですが、首相のアフリカ訪問報告会です。
    アフリカにかかわるビジネス関係者も多く出席していて、
    住友化学の話も出ていました。

    それにしても、アフリカのビジネス。
    思うところがいろいろあります。(答えは出ませんが・・・・)

  2. こんにちは!
    首相のアフリカ訪問は近所のエチオピア人と話していても話題に上がりました。
    マラウイは外資系の企業が多いのですが、
    エチオピアは排他的な政策をとり、国内企業を育てる方針を持っているらしいです。

    個人的にはやはりビジネスの成長と雇用の拡大が
    アフリカの発展には大切だと考えます。
    もちろん適切なビジネスでないとだめですが。

    国際協力だけでなく、ビジネスだけでない
    第三セクター的なことをやっていきたいなと個人的には考えてます。

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