マラウイのインフレーションと格差の広がり .144

インフレを表す紙幣画像

マラウイでは毎年継続的にインフレーションが起こっており、その結果どんどん富裕層と低所得層の格差が開いてしまっているという、今回はそんな話題です。

僕の職場では先日給与が15%アップしました。マラウイの物価が1年でそのくらい上がっており、それに合わせて給与も上昇する仕組みだからです。毎年3月にShoprite, Metoro, Chipikuといった主要なWholesaler兼Retailerにおいて、砂糖や洗剤、木炭や電気代など20品目の価格調査を独自に行い、そのインフレ率に応じて給与を上昇させます。ちなみに去年は8%の給与アップでした。

2012年の5月にマラウイは変動為替相場制度に移行しました。それまでは1ドル=150-160マラウイクワチャくらいだったのが、通貨切り下げと相場制度への変更以後はどんどんクワチャ安が進み、現在では1ドル=450マラウイクワチャ前後で推移しています。一時は1ドル=500マラウイクワチャまで届きそうな勢いでした。現在毎年10%ほどのクワチャ安が継続しています。

このドルに対するクワチャ安とインフレは連動しています。何故ならマラウイは国内の生産能力や資源などが乏しいので輸入に頼る部分が大きいからです。最終製品の輸入はもちろん、石油や各種材料や素材も輸入しています。輸入時に使用される通貨はドルになります。つまり、ドルに対してクワチャが安くなれば、自然と原価が高騰し、販売価格があがるのです。具体的には、1ドル=400クワチャで輸入してマラウイで450クワチャで売られていたものが、1ドル=450クワチャで輸入した場合、500クワチャで売られたりするということです。輸入費用は変わらなくても為替安の影響で販売価格が高くなるのです。

PSI/Malawiで販売している飲料水の塩素消毒液ウォーターガード。ブルーのボトル部分はマラウイで生産しているが、白いキャップ部分はケニアからの輸入。これは成形に必要な金型の違いによる。ボトルはブロー成形という手法で作ることができ、金型も比較的安価。白いキャップの部分は射出成型でないと作ることができなく、射出成型用の金型は比較的高価。販売数が少ないマラウイではこの金型に投資することが出来ずにケニアからの輸入に頼っている。このようにマラウイでは他国からの輸入に依存する部分がとても大きい。

この物価の上昇は現地の人にどのような影響を与えるのでしょうか。まず外国人など、給与をドルでもらっている場合は影響しません。ドルでもらった給与をクワチャに両替する場合に自然とクワチャの量も増えるので、物価の上昇分を吸収できるわけです。ちなみに青年海外協力隊もドル建てで現地生活費(月450$)を支給されるので大きな支障は出ません。またクワチャ建てで給与をもらう場合も、僕のいるPSI/Malawiのように物価と連動させて毎年調整するような組織であれば問題ありません。問題となるのはクワチャ立てで給与をもらいながら物価と連動した調整がない人です。彼らは単に物価が上がっただけで給与は今までどおりなので、生活は苦しくなるというわけです。特に都市部に生活している人は物価上昇のあおりをもろに受けるので大変です。その反面、農村部の人は比較的物価上昇のあおりを受けずらいと言えます。何故なら彼らが農村部で消費する物産は現地で生産されている場合が多いからです。例えば野菜やシマ粉などです。しかし生活に直撃する割合は少なくてもじわじわとはあおりを受けることになります。また相対的に見て富裕層との所得格差は大きくなるばかりです。

まとめます。マラウイではインフレーションが年10%以上の割合で継続しています。その背景には継続的なクワチャ安があります。ドルで給与をもらう層や、物価連動で給与調整が行われる富裕層はその物価上昇のあおりを受けません。しかし都市部の中流層や、農村部の低所得者層は、短期的に、また長期的に影響を受け続けます。結果として格差は開き続けています。

取りあえずTOEFLがひと段落ついたので2ヶ月ぶりの更新。

かつろう

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