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NPOの限界~株式会社か、NPO法人か~ Vol.25

以前ある社会企業家と呼ばれる方の講演会を聞きに行った。
途上国である製品を生産して日本で販売をしている事業を営んでおられる方だ。

講演の最後に質疑応答があったので僕は質問をした。

Q、『株式会社として事業を始めてらっしゃいますが、始める際にNPOにするか、
株式会社にするかで悩まれることはなかったですか?』

A、『悩みませんでした。市場に認められる高品質の製品を作ろうと思ったので
株式会社しか考えませんでした

この答えを聞いたときにNPOの一つの限界を感じた。

さて、事業を始める時にNPO法人にするか、株式会社にするかという選択は
どういう軸で考えるべきなのだろうか。

【資金調達・収益構造の軸】

例えば資金調達という観点だと株式会社は株式を発行して
資金を集めることが出来ることが大きなメリットと言える。
しかし収益は事業収入が中心となる。

対してNPOは株式を発行出来ないが事業収入の他にも、
寄付・会費、助成金・委託金といったといった多様な収益構造を持つことが出来る。

【お金持ちの軸】

また株式会社は例えばIPOによってお金持ちになることが出来るかもしれないが、
NPOはそもそも株式がないので上場してお金持ちになることは出来ない。

【ミッションの軸】

株式会社は株主に対しての責任を果たすこと、行ってみれば利益を上げることを求められる。
それと合わせてミッションを果たすことも必要だ。
利益とミッション、双方を達成することが株式会社の責任だと僕は考える。

対してNPOはミッションを果たすことが最優先だ。
その為の手段として収益をあげたり、ブランディングとしての事業を行ったりすることがあるが
あくまでもそれは手段としての利益・事業であって、ミッションとしてのそれではない。

【統治の軸】

株式会社は株式を多くもつことで組織に対しての権限を持つことが出来る。
NPOでその株式に相当するのは正会員にあたる。
つまり組織に対する議決権は正会員が持つのだ。株式会社との大きな違いは、
株式会社は個人での株式の保有株数に制限がないが、NPOはいくらお金を出したとしても
一人一株(1正会員の権利)しか持てないのだ。つまり正会員一人一人が同様の権限を持つのだ。

さらに原則的にNPOは正会員の入会を拒むことが難しいので、
株式会社とはタイプは違うが言ってみれば、乗っ取りのリスクも内包している。

上記のような様々な軸を検討した上で自らがやりたいことと
照らし合わせて法人格を選択すべきだ。

『市場に認められる高品質の製品を作ろうと思ったので株式会社しか考えませんでした』
というコメントは下記の前提を含んでいる。

・株式会社は高いレベルで事業をオペレーションすることができ、アウトプットも素晴らしい。
・NPOは事業オペレーションが苦手でアウトプットも低い。

この認識は間違っていると言える。NPOでもとても質の高いサービスを提供している組織もある。
例えば病児保育事業を行っている認定NPO法人フローレンス(http://www.florence.or.jp/)は
事業型のNPOとして名高い。
事業収益によって組織を運営しており、その提供サービスも顧客に認められている。

このような誤ったNPOに対する認識がNPOの限界を作っているように思う。

例えば株式会社に比べてNPOの方が社会的な信頼が低い。
株式会社の社員もNPOの職員も分野が違うだけでどちらもプロフェッショナルのはずだ。
しかしNPOと聞くとどこかボランティアの匂いがする。
給料に関してもそうだ。NPOは清貧たれという感覚を持っている人がいる。
寄付者よりもNPO職員の年収が高いことがあり、それを寄付者から指摘されたという話も聞く。

こういったNPOに対する誤解が未だ日本には蔓延している

繰り返すが株式会社とNPOは組織形態、
ミッション等が違うだけでどちらもプロフェッショナルの集団であるのだ。
むしろ収益性と社会性を両立させなければならない場合などはNPOや
社会企業の方がより能力や専門性を求められることもあるのだ。

この先どんどん“イケてる”NPOが日本で増えて行って、
NPOに対する社会の認識が変わっていけばNPOの限界もなくなると思う。

かつろう

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パンとイスラム教 Vol.21

皆さんは以下のようなジョークを聞いたことがあるだろうか。

・犯罪者の98%はパンを食べている。
・パンを日常的に食べて育った子供の約半数は、テストが平均点以下である。
・暴力的犯罪の90%は、パンを食べてから24時間以内に起きている。
・パンは中毒症状を引き起こす。被験者に最初はパンと水を与え、
後に水だけを与える実験をすると、2日もしないうちにパンを異常にほしがる。
・新生児にパンを与えると、のどをつまらせて苦しがる。
・18世紀、どの家も各自でパンを焼いていた頃、平均寿命は50歳だった。

上記はパンについて誤ったことは述べていないが、
パンは危険であるという印象を与えることに面白みがある。

マレーシアへ向かう飛行機の中で横に座っていたマレー系シンガポールの方と話をする。
彼女は元々仏教徒だったのだが、15年ほど前にイスラム教に改宗したとのこと。
旦那さんは日本人で、娘さんもいらっしゃる。

やけに“おばちゃん”という発音が流暢なこの50代半ばくらいの方は
イスラム教への間違った認識を嘆いていらした。
学校で娘がイスラム教だからといじめられたこともある。
自身に対しても仕事中は日本人も普通に接してくれるが、
外を一緒に歩こうとはしてくれないらしい。
ビジャブというスカーフを頭に巻いている為、一見してムスリムとわかる為だ。
キリスト教や仏教の人が犯罪を犯した場合はその動機や事件の背景が報道されるのに、
イスラム教徒が犯罪を犯した場合はなぜか宗教のレッテルが全面に出る。

少し前にイスラム過激派による犯行とはいうものの、
その国のほとんどの人がイスラム教だった場合、
単にその母集団における過激派なわけでイスラム教というのを付けることに
正当性を感じないといった内容のブログを読んだ。

まさにその通りだと思う。僕個人に関して言えば、イスラム教の人に危険な目にあわされたり、
何か変なことを言われたということは全くない。
むしろとても礼儀礼節を重んじ、人に親切にしてくれる印象しかない。
例えばトルコを旅行した時も皆にとてもよくしてもらった記憶しかない。
唯一あるとすればインドでトイレを貸してもらえず、
結局UOA(Unko in the Open Air)をすることになった思い出くらいだ。

しかし多くの日本人はイスラム教の人と接したことがなく、
情報を報道に頼っている現状があるので、
どうしてもイスラム教への偏見を持つことは仕方がない部分もあるかもしれない。

そう考えたときにやはり自らの一次経験というものの価値を再確認する。
人から伝え聞いたこと、新聞やTV等のメディアから得た情報、
本から得た知識、それらはもちろん大切だがやはり第一に依るべきは個人の経験と思考なのだ。

かつろう

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プロジェクトマネジメント~リスクと課題~ Vol.20

先日アクセンチュア様がCSR活動の一環としてNPO向けに行ってらっしゃる
プロジェクトマネジメントについてのワークショップに参加させて頂いた。
今回は主にプロジェクト管理のリスクと課題についてのものだった。

もちろん日々の全ての業務においてリスクを洗い出すということは時間的に不可能だが、
重要な業務・プロジェクトには必ず行うべきだと感じた。
それを行うことで何かあった時にすぐにリカバリーが出来、
納期通りにプロジェクトを運営できるようになる。

学生団体や大手NGO等様々な方が参加されていて、とても勉強になった。
以下そのワークショップの内容。

●リスクと課題の違い

リスクとはまだ顕在化していない(起こっていない)プロジェクトの目的達成や
順調な作業の妨げになる可能性があるもの。

課題とはすでに顕在化していて(起こっている)プロジェクトの
目的達成や作業の遂行の為に解決すべき事象。

●リスク管理のポイント

・網羅的なリスクの洗い出し
リスクは出来るだけ広く、網羅的に洗い出すことが望ましい。
その手法としてブレインストーミングが適切。実際アクセンチュア様でも
リスクの洗い出しにはブレストを使うことが多いとのこと。
出たものをフレームや軸に落とし込んで再度、抜けがないかチェックをする。

・優先順位づけ
リスクの優先順位をつける。
影響度と発生確率をそれぞれ3段階でスコアを付け掛け合わせる。
影響度×発生確率。それが9点のものから優先的に対応策を考えていく。

・対策の検討
【回避】リスクが顕在化、発生しないための対策。
例えば遅刻をしない為に集合時間の1時間前に到着するようにしておく等。
【軽減】リスクが顕在化した場合の影響を小さくする対応策。例えば担当者が遅刻した場合にはその業務を行う人を事前に決めておく等。

・その他
参考になるフレームワークとしてはQCD管理が使える。Quality(品質、パフォーマンスに関するリスク), Cost(コストオーバーのリスク), Dead line(期限内に終わらないリスク) 。

●課題管理のポイント

・内容の把握
何が問題なのかを把握し、その影響範囲を特定する。

・完了条件
その課題はなにを持って解決されえたとするのか。

・対応方針
その課題を解決する方針を決める。複数設定できる。

・対応期限
いつまでに対応しなければならないのか。
そのためには解決のための各タスクのスケジュールを決めないといけない。

・担当者

・ステータス(未着手、対応中、対応完了等)

●その他

・クリティカルパスの洗い出し
各タスクの依存度関係を整理する。例えば各タスクを○で表現し、それを矢印でつなぐ。
つまり前のタスクが完了しないと次にはいけないという関係がわかるようにする。
またその矢印に完了までに要する期間も書く。
もちろん矢印は複数のび、一つのタスクも複数のタスクの後になる場合もある。

クリティカルパスとはその中で最も合計が長くなるタスクのことだ。
つまりクリティカルパスが遅延すれば、そのプロジェクト全体が遅延するということになる。

つまり期限内にプロジェクトを終わらせる為には、クリティカルパスを洗い出して、
常に進捗に気を使うことが必要なのだ。

・クラッシング
人員を追加することでスケジュールを短縮させる方法。
コストがかかりまた追加人員の生産性は担保されない。

・ファスト・トラッキング
順番が先のタスクも並行して進めていくことでスケジュールを短縮させる方法。
前のタスク如何によって手戻りのリスクがある。

●プロジェクト管理を行う上で最も大切なこと

【コミュニケーション能力】

プロジェクトには社内外で様々な人が関わってくる。
その人たちと折衝、調整等を常に行う必要がある。
フレームワークや進捗管理の手法などももちろん大切だが、最も必要とされるのは
そういった多様な人をまとめ、動かす為のコミュニケーション能力である。

かつろう

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“道具”としての孤独~引きこもりのススメ~ Vol.19

僕はたまに引きこもる。
誰にも会わずに、大して生産的なこともせずに数日引きこもるのだ。

自分自身についての考えを深化させる為だ。

日々仕事であったり、遊びであったり何かすることがあると人は満たされてしまう。
忙しく、何かやることがあると自らの人生に対して迷うということをしなくなる。
自分の人生にとって大して重要でないことであっても、何か“やった気”になってしまうのだ。

精神も安定するし、楽しく充実した日々を感じられるがとてもそういう日々はとても危険だと考える。
現状に対して疑ったり、将来に対して本当に意味のあることを考えたりしなくなるからだ。
そういった日々に流され続けていると気が付かないうちに打つ手がなくなるリスクがある。

そんな時に敢えて引きこもることによってものすごく危機感を感じることが出来るようになる。
自分は本当は何をしたいのか、何をすべきなのか、人生にとって重要なものとは何なのか、
重要な人とは誰なのか、そういったことを落ち着いてゆっくり見つめ直すことが出来るようになる。

『孤独は、知恵の最善の乳母である。』とはドイツの哲学者の言葉だがまさにその通りだと思う。
孤独は思考の原点だと思う。

中学、高校の自分の方が間違いなく物事に対して考えていた。思考を深化させていた。
それはやはりその時の方が孤独が多かったからだと思う。
しかしある時、考え過ぎることは不幸につながると感じ、考えるのを辞めた。思考を捨てた。
それにより豊かになることが出来た。
そのおかげで様々な活動をし、様々な人に出会い、様々な経験を出来た。

人の考え方とは振り子のようなものなのかもしれない。
孤独にどっぷりと浸かった後は、それとは逆の方向に活路を見出した。
しかしまた今揺れ戻っていて孤独を求めるようになっている。

しかし昔は孤独に飲み込まれる感覚があった。
しかし今は孤独と上手く付き合って行ける気がする。

言ってみれば昔は泳ぎ方・息継ぎの仕方をしらなかった。
知らないけれど深くまで潜ってしまい溺れそうで苦しかった。
そして浅いところで泳ぐ練習をし、再度深い所に戻ろうとしている。
今回はしっかり泳げるし、肺活量も上がっている。溺れることもない。

孤独を道具として上手く扱うことが出来れば、
人生を上手くコントロールすることが出来るようになるのではないか。

かつろう

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エヴァンゲリオンと貧困層のエンパワーメント Vol.18

※以下エヴァンゲリオンのネタバレを含むので注意。

先日エヴァンゲリオンのテレビシリーズを全て見切った。今更感満載ですが。
これが放送されていたのが1995年~96年らしい。
20年がたとうとしている今でもとても面白く引き込まれる。
手塚治の漫画のように時代を経て残っていく作品なのだろうと思う。

その最後のシーンで主人公碇シンジが『僕はここにいてもいいんだ』ということに気付く。
もともと彼は自分には価値がない、自分には居場所がないと思って生きていた。
誰にも必要とされていないと感じて生きていた。
しかしある日エヴァンゲリオンのパイロットに選ばれ、必要とされる。
自らの存在価値をエヴァンゲリオンに乗ることと規定する。
つまりエヴァンゲリオンに乗るからこそに自分は必要とされていると思うのだ。
裏を返せばエヴァンゲリオンに乗れなくなってしまえば彼自身は生きる価値を失う。
エヴァンゲリオンに乗って使徒を迎撃するからこそ皆は自分に居場所を与えてくれると感じる。

しかし最後彼は気づくのだ。たとえエヴァンゲリオンに乗らなかったとしても
自分はここにいても良いのだと。無条件の自己肯定だ。
お金を持っているから、良い大学に通っているから、いい仕事をしているから、
家族がいるから、外見が良いから、そういった諸要件を全て抜いたとして
自分が自分を認められるかという無条件の自己肯定を彼は得るのだ。

実はこの感覚は貧困層にとってもとても得難い場合があり、得るべき感覚なのだ。
貧困層は色んな劣等感を持っている場合がある。
例えば教育を受けていない、読み書きが出来ない、親がいない、
お金がなくて満足に食べられない、着飾れない、
そういった経験から自分に対する肯定感が低い場合があるのだ。
そういった彼ら、彼女らにとって必要なのは究極的には無条件の自己肯定感なのだ。
自らの生に対して自信を持ってもらうことなのだ。

教育は大切だ。読み書き計算ができるようになり、様々な知識をつけていくことはとても大切だ。
しかしそれ自体が目的なのではない。それが出来るようになることにより、
本を読み、仕事が出来、お金が稼げ、生活が安定する。
そして最終的には自分の存在を無条件で肯定できるようになるということが
最終的な目的の一つなのではなかろうか。
自分自身への尊厳を持って生きるということが教育の一つのゴールなのではないか。

●●●●●
●●●

この自己肯定には二つの段階がある。

一つは途上国の貧困層が感じるように、
基礎的な教育やライフスキルトレーニングなどの欠如による段階だ。
もう一つは碇シンジのように先進国において、ある程度生活の条件は整っているのに、
自己否定感を感じてしまう段階だ。

前者の場合は教育やライフスキルトレーニングを通してそれを補うことが出来るとする。
では後者が自己肯定感を感じる為にはどうすれば良いのだろうか。

その為には他者からの無条件の承認が必要なのではないか。
例えば親からの無条件の承認、恋愛を通しての無条件の承認、友人からの無条件の承認、
そういった無条件の承認を得られることで自分自身を無条件に肯定できるようになるのだと思う。
碇シンジの場合もそういった承認がないような環境で育ってきていたが、
やがてエヴァンゲリオンに乗る中での人と関わり、承認を得るようになる。

では肉親以外の他者から無条件の承認を得る為にはどうしたら良いのか。
(前提として親等の肉親からは無条件の承認を得られることとする。
逆にそれが得られない場合はそれを変えるのは難しいと考える。)

その為にはまずは自分自身が他者を無条件に承認することだと思う。
人は自分を映す鏡だ。
自分から人に対する関わり方が、人からの自分に対する関わり方になると思う。
自分が人を無条件に承認することによって、人から無条件に承認されることになる。
そして人から無条件に承認されれば、自分自身を無条件に承認出来るようになるのだ。

途上国で人をエンパワーメントする際には具体的な手法や、
心理的励ましといったことが必要になる。
しかし、その前提として無条件にその人を認めてあげることがまずは大事なのだと思う。
この原則を忘れずに、世界中の人と接して行きたい。

かつろう

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『採用基準』 ~リーダーシップとは?マッキンゼーの採用で問われる資質~ 書評その1 .16

【読んだ本】
『採用基準』伊賀泰代著

【著者背景】
マッキンゼーで採用・育成マネージャを務めた著者が、今必要とされている人材の資質について解説する。

【結論】
リーダーシップを身につければ自分の世界観が実現できる!

【要約】
マッキンゼーの採用基準としてもっとも重視されている一つがリーダーシップ”であり、本書はそのリーダーシップとは何かについて書かれた一冊。
リーダーシップとは成果目標に対して、時には摩擦も恐れず組織を率いていく能力のことである。またリーダーシップはトップだけでなくメンバーひとりひとりが持つべき能力でもある。

【感想】

●●リーダーシップはメンバー一人一人が持つべき能力●●

筆者はリーダーシップとはトップだけでなくメンバーひとりひとりが持つべき能力だと述べている。だからこそにアメリカでは入学や入社の際に全ての人に対してこの経験や資質を問うのだという。

何故メンバー皆が持つ必要があるのか。それはリーダーシップをもったメンバーであればリーダーの視点で物事を考えることが出来るからだ。成果を第一に優先する姿勢、時には摩擦も起こるが、それを必要だと思える感覚等が持てるからだ。
そういったリーダーシップを持たなければややもすると、組織や現状に対して不平や不満を感じるだけでそれを解決しようとしなかったりする。成果を出す為に責任をもつという自覚を皆が持つ組織程強いものはないということだ。

なるほどと感じた。確かに議論であれ、実際の活動であれ、自発的に考えて、責任を持ち、成果を優先出来るメンバー同士が集まればとても高い成果を出せると感じる。現にいまお手伝いしているNPOは経営陣が4人いる。そして4人ともとても強いリーダーシップをもっており、組織を引っ張っている。全員がリーダーとして自らの組織として自覚をもっているのだ。

組織はそういうメンバーで構成すべきだし、そういう意識を皆に持たせるべきだ。自らがメンバーになった時も、リーダーシップの意識を持ち続ければ、トップの人にとって心強い一員となるのだろうと感じた。

●●NPOはリーダー育成機関●●

また筆者はNPOはリーダー育成機関としてとても優れていると述べている。理由は下記2点。

1、 NPOには強力なリーダーがおり、またリーダーとの距離が近い。
::身近で学ぶことが出来る。
2、 NPOは組織が小さく、固まっていないことが多い。
::決められた役職だから、リーダーシップを発揮するというのでなく、
事前発生的にリーダーシップを発揮し、その結果として役職に就く。

なるほど。確かにその通りだと思う。また色んなところで問題が多いのでそれを発見・解決する機会に恵まれるのもリーダーシップの育成にはいいと思う。同時にこれはベンチャー企業にも当てはまると思う。

現在お世話になっているNPOでもすでに2人起業家を排出し、経営陣のお一人は個人事業主として独力のとても高い方だ。もちろん元々の資質も高かったのだろうが、上記のようにリーダーシップを鍛える機会にも恵まれたのではなかろうかと思う。

●●青年海外協力隊×リーダーシップ●●

青年海外協力隊にとってもこのリーダーシップはとても必要な資質だと思う。途上国にいって、言語も文化も違う環境に放りだされて、仕事をしないといけない。
場合によっては受け入れ側には必要と思われていないことだってある。そんな中で自分が存在するバリューを出して、成果を出さないといけない。そう考えてた時に一番必要なのはこのリーダーシップではないかと思う。
もちろん語学能力もとても大切だが、それだけでは意味を持たない。完璧でなくとも伝える情熱と志があれば言葉は伝わる。

単なる一メンバーとして派遣された組織で仕事をするのではなくて、責任と自覚をもって、摩擦を恐れずに成果を貪欲に求める。そういう姿勢で2年間過ごせればとても実りのある時間を過ごせるのではないかと思う。

とても読みやすい本なので協力隊で派遣される人は時間あれば是非読んでほしいと僭越ながら思う。
また協力隊に派遣されることが決まっていて尚且つ派遣まで数か月時間が空いているという人には上記の理由によりNPOでのインターンをお勧めする。現地活動で必要なリーダーシップが少しでも学べるはずだ。

かつろう

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以下備忘録として。(個人メモ的な意味外が強いので読む必要はあまりないです。)

【内容】

  • アメリカのビジネススクールの目的
    • 1、世界中から優れた人材を集めて排出する
    • 2、アメリカのビジネスマンに世界を見せる
  • 例え語学力に差があったとしてもそれを埋める専門性・スキルがあればグローバルなチームを率いていくことも出来る。(P27付近)
  • マッキンゼーは下記のような人材を求めている
    • 1、リーダーシップ
    • 2、地頭のよさ、もしくは個別分野における知識や経験
    • 3、英語力
    • 日本には2はいても1と3を兼ね備えた人はなかなかいない。
  • コンサルタントはゼロベースで考えることを叩きこまれる。自分のキャリア・進みたい道についてもゼロベースで考え、それまでとは違う選択肢を取るようになる。(P31付近)
  • ケース面接で見られて言えるのはケースを上手く解けたかではなく、その人がどれほど考えることが好きか、どんな考え方をする人なのかである。思考プロセスが確認されている。
  • 思考力=思考スキル+思考意欲+思考体力。
    フレームワーク等の思考スキルは後からでも身に着けられるのでそれが重視されるわけではない。(P46付近)
  • マッキンゼーではスパイク型人材も求められている。何か一つでも秀でたものがある人材。バランスは悪いが、そのスパイクが問題解決に大きな影響力を持つこともある。(P52付近)
  • 単に分析・解発見の問題解決スキルだけが求められているのでなく、人を動かしそれを実行していく能力が求められている。(P68)
  • チームメンバー全員にリーダーシップがあることが求められる。その方が成果が高い。リーダーシップは成果を最大化するために最適な行動をとれる資質であるので、全メンバーがリーダーとしての自覚を持てば自説に拘らず最適解を取れる。故にアメリカでは、入学、入社等全ての人間にリーダーシップの経験・資質を問う。
  • 管理職には以下の三つが求められる。(P102付近)
    • 管理能力(マネジメント能力。業務管理、進捗管理)
    • リーダーシップ(チームの成果を上げる能力)
    • プレーヤーとしての能力
  • リーダーとは成果目標に対して組織を率いていく人。
    その為には摩擦も起こる。否定もされる。また目下の意見が正しければそちらを採用する。そういった成果第一に考えた行動をとって組織を引っ張れる人。(P104付近)
  • リーダーがなすべきこと
    • 目標を掲げる
    • 先頭を走る
    • 決める
    • 伝える
  • リーダーの基本動作
    • バリューを出す
    • ポジション(明確な意見の立場)を取る
    • 自分のリーダーは自分
    • ホワイトボードの前に立つ(責任と権限を持つ)
  • リーダーは出来るようになる前にやる。
    その中でリーダーとしての能力を身に着けていく。(P154付近)
  • グローバル人材でなくグローバルリーダーの育成が必要。
    グローバル人材はグローバルで仕事が出来る平社員的な意味合いでリーダーシップを持っているかどうかは問うてないので。(P169付近)
  • 日本ではむしろ個人の力がとわれて、欧米ではチームでの成果を出した経験が問われる。
    入学や就職、転職において。(P178付近)
  • アメリカではリーダーシップは学び鍛える資質だという認識がある。
    だからこそに授業、研修コースなどが多い。
    日本はどちらかというと天性の資質としてみる向きがある。(P204付近)
  • マッキンゼーでは問題解決能力と同等かそれ以上にリーダーシップの能力が育成される。
  • NPOはリーダー育成機関としてとても優れている。(P215)理由は下記2点。
    • NPOには強力なリーダーがいること。
      NPOは強力なリーダーシップなしには創設されない。
      そのリーダーは成果目標(ミッション、解決した問題)が明確でその為ならいかなる障害も乗り越えるというリーダーシップを強く持っている。
      また小さい組織のことが多いのでそのリーダーシップを身近に見ることができる。
    •  NPOにはがっちりとした組織構造が存在しないこと。
      企業では役職に制限されるが、NPOではリーダーシップを発揮する人がそれが必要なポジションにつく。役職にリーダーシップが規定、制限されない。
  • リーダーシップを身につければ自分の人生がコントロールできるようになる。
    自分の世界観が実現できる。(P223付近)
  • 世界が広がる。色んな価値観の人とグローバルに出会えるようになる。
  • 与えられた枠の中で生きるのではなく、自分自身の力で人生を設計できるようになる。(P239付近)
  • マッキンゼーの採用基準は地頭や論理的思考能力だけでなく『将来のリーダーとなるポテンシャルを持った人』

NPOの存在意義 .15

会社とNPOには様々な違いがある。

例えば株式会社は株式発行による資金調達を行えるが、NPOは行えない。
逆にNPOは事業収入のみならず、寄付・会費収入、助成金・委託金収入といった
様々なファンド源を利用することが出来る。

そういった資金面や、税制面、組織面など様々違いがあるが
最も大きな違いは組織の存在意義にあると思う。

会社は基本的には、組織として永続させることが一つの命題であると言える。
利益を出し続け、社会から必要とされ続けなければ永続することは出来ないからだ。

しかしNPOは全く逆なのだ。一刻も早く解散することを目指すのだ。
そのNPOのミッションとしている問題がなくなり、
NPOの存在意義がなくなることが最も目指すべき状態なのだ。

存在意義がなくなることが
存在意義という一見矛盾しているかのような状態にあるのがNPOなのだ。と思う。

“組織を存続させる為だけにやるくらいなら、一刻も早くやめた方がいい”
尊敬する人の言葉だ。カッコいい。

個人の人生においてもただ生き永らえることを目的とするのではなく、
存在意義を定義し、その意義を全うできたと感じられたら潔く消滅出来るような、
そんな爽やかな心持ちでいたい。

かつろう

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わからないと言える勇気 .11 

カンボジアから帰国し、昨日お世話になっている方に訪問をした。
その際にジャケットが必要だった。スーツを持っていたのでそれで行こうと思っていた。しかしその前夜0時を越えてからスーツを確認するとしわくちゃだった。
それもそのはず、カンボジアで衣類圧縮袋の中で一度も出されることもなく眠っていたのだから。

チノパンにジャケットというスタイルならなんとかなる。しかしジャケットがない!
朝8時に開いている服屋さんを探す。ファスト・ファッションの某大手U社の東京駅にある店舗なら空いているということがわかり、朝一で向かうことに。

お店は駅構内と、駅の外にもあった。まずは駅構内の店舗を見てみることに。
駅構内の店舗はあまり大きくなく、ジャケットがおいていなかった。
店員さんに聞いてみる駅の外の店舗も同様の商品しか扱っていないのでジャケットはおいていないとのことだった。
銀座店や新宿店の大型店ならおいているが、開店は10時とかになるらしい。

ガーン、終わった。ジャケットなしで行くことになるのか。
社会人として日本に帰ってきてそうそう凡ミスをしてしまうのか。
そう思いながら駅のホームに上がっていたが、なぜかハッとひらめいた。

“果たして店員さんが言っていることは本当に正しいのだろうか。”

物事に対して懐疑的な態度を良くも悪くも持ってしまう性格が出たのだ。
実はあの店員さんは入ってすぐで、あまり知らないのかもしれない。
ベテランで知っていたとしても、店舗ごとにマネージャの権限で商品を帰れるのかもしれない。とにかく、あの人が言うことが間違っている可能性があると思ったのだ。

東京駅の外の店舗に、駅のホームから電話をしてみることに。
“生地が柔らかいものにはなりますが、ジャケットはありますよ。”
あったー!無事にジャケットを買うことが出来ましたとさ。

●●●●
●●●
●●

僕はまがいなりにも前職で営業をしていた。
工場で使うような制御機器の営業だ。正直文系出身の僕としては毎日わからないことだらけだった。2か月缶詰で研修を受けたとはいえ、電気や機械のことについてわからないことばかりだった。

そんな中でお客様より質問をもらって答えられないことも多かった。
わからない質問をされた時の営業マンとしては
“この質問に答えられなかったら、知識を持っていないということで信用を失うのではないか”
ということを第一思ってしまう。
その恐怖心からついつい知らないことでも答えてしまうこともある。

しかしそのように答えて、それが後々間違いだったなったらどうだろう。
お客様は二度とその営業マンの言葉を信じてくれなくなる。
この人の言うことは信用することが出来ないと思われてしまう。

わからないことがあっても良いと思う。
わからないならわからないとお客様に伝えて、その場もしくは、後程調べればよいだけである。

前職の際もお客様と商談中にわからないことがあると、その場で例えば本社の技術スタッフに電話をかけていた。また、関係を築きたいお客様であればあえて宿題として、後日回答をしたりしていた。

もちろん本当に基本的なことは答えられなければならないし、
出来れば全ての質問に答えられるように日々研鑽すべきだ。
しかしそれでもわからないこと、知らないことというのは必ず出てくる。

例えば上記のU社の件に関しても、少しでも不確かだったとしたら、駅の外の店舗に対して確認の電話をすればよかった。
小売りで二度会う可能性が低い場合であればこの信頼の低下は大きな問題ではないか個別に営業として担当する場合、この信頼の喪失は大きな痛手となる。

上記は営業という社外的な対応を書いたが、もちろんこれは社内的なコミュニケーションにも言える。特に部下等立場が下の人にはわからない、知らないとは言いにくいこともあると思う。しかし知ったかして間違ったことを言う上司程、信頼できない上司もいないと思う。逆に立場が下の人に対しても知らないことは色々聞いていくくらいの姿勢でなければならないと思う。そういう関係を築くべきだと思う。

偉ぶらず、謙虚に、“わからないことはわからないという勇気”を持ち続けたい。

かつろう

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NPOは『借り物競争』 .10

お世話になっている方に『NPOは借り物競争』という言葉を教えて頂いた。
資金を借りるということは企業でもNPOでもあると思う。
しかしNPOは他にも様々なものを借りるのだ。

●ヒトを借りる

ボランティア、インターン、プロボノといったリソースの活用があげられる。
ちなみにプロボノというのは社会人が自らの専門性等を使用して社会貢献活動を行うことを指す。
企業であれば雇用関係にあるものによって活動することが前提だが、NPOは場合によってはそういった無償のリソースが大きな支えとなることも多い。

●モノを借りる

例えば会議スペース等を無料で貸して頂いたり、必要な資材やものを課して頂いたり、寄付頂いたりすることもある。また場合によっては事業を行う土地までをも無償で提供頂いたりすることもある。

●カネを借りる

近年注目されているのがベンチャーフィランソロピーという考え方だ。
社会的企業・組織に対して、資金や経営の支援を行う考え方だ。今までの投資と違うところは、
投資の見返りとして金銭的な利得を求めるのではなくて、社会の便益を求めるところだ。
まさに社会を良くする為の投資手法なのだ。
このような手法で資金等を集めることは社会的な企業・組織ならではと言える。

●情報を借りる

人を借りるということに通じる部分もあるが、NPOは様々なことについてアドバイスをもらったり
専門的な知見をもらったりすることも多い。
例えばアドバイザリーボード等を編成し、様々な分野の専門家から経営の相談をしたりする。
そこから知識・情報を拝借するのだ。

●手法を借りる

企業であれば事業のノウハウや構造・システム等、基本的には秘匿をすることが多い。
それは自社の利益を守るためだ。しかしNPOは事業のノウハウを公開することが多い。
むしろ積極的にスケールアウトを行って、問題解決を加速させる場合が多い。
それはまさに手法そのものを借りるということだ。

NPOは企業体が事業を行うのに必要不可欠であるとされるヒト・モノ・カネ・情報といった
リソースだけでなく、事業そのもののシステムまでをも借りることが出来る。

では何故企業は借りることが出来なくて、NPOは借りることが出来るのか。
それは組織としての存在意義の違いにあるからではないか。
企業の存在意義の大きな一つに自社の利益の最大化(株主への責任)という考え方があると思う。対してNPOが存在する意義は社会問題の解決にある。極論を言えば、そのミッションとする社会問題が解決して、組織としての存在意義がなくなって解散することが最も理想とする状態なのである。社会問題が解決出来れば、どの組織が行おうと全く問題ないのである。そのような違いがオープンに様々なことを借りることが出来るかどうかの違いに繋がっていると思う。

個人においても同じことが言えると思う。例えばあるアイディアを持っていたとしてそれによって自らのみが利益を得ようと考えていたとすると人には協力を求めずに内々にことを進めるだろう。しかしそれによって起こる社会的な便益を求めるのであれば色んな人にアイディアを共有してフィードバックをもらっていくだろう。後者の方がそのアイディアの成功確率も高くなるはずだ。恥ずかしながら私はどちらかというと前者よりの人間だった。それを指摘して頂いて、今は後者の考え方を取れるようになった。

つまるところ何を行うにせよ、社会的な利益と個人・組織としての利益を最大化出来るような形を取れればとても良いと思う。

かつろう

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